ライター : 朝戸尚子

管理栄養士 / webライター

「野菜ジュースには健康効果がない」って本当?

「野菜ジュースには健康作用がない」「飲んでも意味がない」と言われることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

野菜ジュースから得られるメリットや、懸念されるデメリット、摂取できる栄養素についてみていきましょう。

野菜ジュースのメリットと効果効能

野菜ジュースのメリット

  1. リコピンやβ-カロテンの吸収率が高まる
  2. 手軽に野菜不足を補える
  3. 不足しがちな「カルシウム」や「鉄」も摂れる

リコピンやβ-カロテンの吸収率が高まる

野菜ジュースは製造工程のなかで加熱処理されています。野菜や果実を加熱することによって、栄養素を吸収する際に邪魔になる「細胞壁」をやわらかくすることができ、その結果一部の栄養素の吸収率が高まります。

生のままの場合と比べて、加工品として摂ることで吸収率が高まる栄養素は、リコピンβ-カロテン。リコピンは3.8倍、β-カロテンは1.5倍の吸収率になることが知られています。(※1)

手軽に野菜不足を補える

カットや加熱、味付けといった何らかの調理が必要な野菜そのものとは異なり、野菜ジュースは調理不要で手軽に飲むことができます。

野菜に含まれる栄養素のうち、ジュースにする過程で減少してしまう成分もありますが、すべての栄養素がなくなるわけではありません。手軽に野菜不足を補いたいときに、野菜ジュースはおすすめですよ。(※2)

不足しがちな「カルシウム」や「鉄」も摂れる

野菜ジュースには、20代女性が不足しがちな栄養素であるカルシウムも含まれます。カルシウムは健康な骨や歯を維持するために不可欠。女性は閉経後に骨量が減少するため、生涯を通じてのカルシウム摂取が重要です。

また鉄が不足すると貧血や肌荒れ、疲れやすさにもつながります。積極的に摂取したい栄養素のひとつです。(※3,4,5,6)

野菜ジュースの栄養と効果効能

  1. 便秘対策に役立つ「食物繊維」
  2. むくみ対策になる「カリウム」
  3. 皮膚の健康維持に役立つ「βカロテン」
  4. 抗酸化作用がある「リコピン」

便秘対策に役立つ「食物繊維」

野菜ジュースには食物繊維が含まれます。食物繊維は腸内環境を整えて便秘対策として役に立つほか、食後の急激な血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑えたりと体内で活躍します。

食物繊維は男女共にほとんどの世代で不足しがちな栄養素のひとつなので、日々の食事で足りていないと感じたら野菜ジュースを取り入れるといいでしょう。(※3,4,7)
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