ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

緑茶の飲み過ぎってどれくらい?

緑茶にはカテキンやカフェインが含まれています。カフェインの過剰摂取にならないよう、飲む量には注意が必要です。

米国食品医薬品局によるカフェイン摂取量の目安は、健康な成人で一日400mgまで。緑茶(玉露)を250ml(湯飲み約4杯分)以上摂ると、この量を超えるため飲み過ぎになります。(※1,2)
竹内先生:
「胃が不調な方は、緑茶の摂取に注意が必要です。緑茶を過度・多量に飲んでしまうと、胃に負担をかけるおそれがあります。

緑茶に含まれるカフェインには、胃酸の分泌を促す作用があります。適量であれば問題はありませんが、カフェインを摂り過ぎると胃を荒らすことになります。

また、胃もたれを継続的に感じている方は、治療が必要な病気が隠れていることがあり、医療機関の受診が必要です」

緑茶の飲み過ぎによるリスク

リスク

  1. カフェインの摂り過ぎ
  2. カテキンの摂り過ぎ
  3. シュウ酸の摂り過ぎ
  4. 水分の摂り過ぎ

1. カフェインの摂り過ぎ

緑茶の飲み過ぎによってカフェインを過剰摂取すると、中枢神経系が刺激されて不眠やめまいなどの症状が起こるおそれが。また、消化器官が刺激され、下痢や嘔吐につながる場合もあります。

とくに玉露は煎茶の8倍ものカフェインが含まれているため、飲む量に注意が必要です。(※1)

2. カテキンの摂り過ぎ

緑茶の渋み成分であるカテキンは、大量に摂ると体内でタンニン酸という成分に変わます。タンニン酸は胃粘膜を薄くする作用があり、胃腸障害につながるおそれが。

一般的に緑茶を飲む場合ではカテキン過剰になりにくいと考えられていますが、カテキンのサプリメントを摂る場合に注意が必要です。(※3)

3. シュウ酸の摂り過ぎ

玉露を含む緑茶にはシュウ酸が多く含まれています。シュウ酸を過剰摂取すると、尿路結石の形成につながる場合が。

尿路結石になった経験がある方は、シュウ酸の多い緑茶は飲み過ぎないようにし、再発対策につなげることをおすすめします。(※3,4)

4. 水分の摂り過ぎ

大量に飲み物を飲むと、水分の摂り過ぎによる低ナトリウム血症(水中毒)を引き起こすことがあります。症状としては嘔吐や頭痛などが挙げられます。

一日の水分摂取量は飲み物から1.2Lほどが目安ですが、一度に大量に飲むのは避けてこまめに摂取しましょう。(※3,5,6)
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