椀物「アイナメの葛叩き」

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椀物は「アイナメの葛叩き」。にんじんと大根が結んであり、調理長の “人と人を結ぶ” という想いが詰まっているそうで、とても素敵ですよね。

しょうゆを使わずに仕立てた出汁は、フランス産のゲランドの塩で味を決めているため、温度に関係なくおいしく味わえるのだそう。あっさりとした香りのよい出汁と、ふんわりとやわらかくほろほろとほどけるアイナメの味わいがじんと身体に染みます。

名物「~ばさら名物~ 秋田産黒毛和牛リブロース 京都産トマトすき焼き」

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三田ばさら名物の「トマトすき焼き」。きれいなサシが入っている牛肉は、秋田県産のA5ランクの黒毛和牛リブロースです。

黒毛和牛とトマトをメインに、にんにく、オリーブオイル、バジルで仕上げるすき焼きで、甘辛醤油の割り下にトマトの酸味をプラスした新しいすき焼きですよ。

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目の前で女将さんが調理してくださり、にんにくとオリーブオイルで広がる香りに食欲をそそられます。

玉ねぎから鍋で仕上げていくのですが、玉ねぎは立てて入れており、女将さんいわく「玉ねぎを立てて入れる理由もちゃんとございます。水分が出ていく量を減らしつつ、玉ねぎは水分を繊維に沿って吸収するのでやわらかく、味がしっかりと染み込んだ玉ねぎになるんですよ」とのこと。

さらに、トマトも皮を鍋底につけるように入れ、湯剥きをしながらやわらかく仕上げられていました。食材はもちろん、調理ひとつとってもこだわりが詰まっていますね。

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黒毛和牛は本店ではもう1枚多く提供とのことですが、旨みたっぷりなのと、1枚が大きく、懐石コースなのでこの量でかなり十分ですね。

黒毛和牛も、もっともおいしく味わえるやわらかさに仕上げてくれますよ。

舌の上でとろける極上の旨み

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牛肉はやわらかく、舌の上でとろけながら旨みが広がります。玉ねぎも味がしっかりと染み込んでいながら、シャキっと感も残っており、食感の良さも楽しめますね。

旨みが濃縮されたトマトは、さっぱりとした酸味のある味わい。割り下の甘みや牛肉の甘みがトマトの酸味と合い、一般的なすき焼きとは違って重たさを感じないのも「また食べたい!」と思わせますね。にんにくやオリーブオイル、ふわっと香るバジルの香りも楽しめます。

そのままで食べても、たまごをからめて食べてもおいしく味わえますよ。たまごは大阪の「龍のたまご」で、まろやかで濃厚なコクが牛肉とよく絡み絶品。

たまごと食べるときは、たまごを溶いてからトマトを牛肉で巻いてたまごに絡めて食べるのがおすすめだそうですよ。

食事「雲丹と京人参、うすい豆の土鍋炊き込みご飯~お米五つ星マイスター厳選のお米で~」

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トマトすき焼きを頂いたあとの〆は三田ばさら 別邸限定の「土鍋炊き込み御飯」。五つ星お米マイスター 西島豊造氏が毎月厳選するお米を使用しています。三田ばさらもうひとつの名物料理。

ふたを開けた瞬間、たっぷりとのった雲丹がきらびやかな「雲丹と京人参、うすい豆の土鍋炊き込みご飯」は、箱雲丹を贅沢にまるまるひとつのせているので、濃厚な味わいを堪能できます。

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島根県隠岐の島の「藻塩米」を使用。米を育てる際に塩をかけて、米にストレスをかけることで旨みを凝縮しているお米なのだそう。

毎月、炊き込み御飯の具が変わるため、その都度変わるお米も楽しめますよ。今回の土鍋炊き込み御飯は雲丹が濃厚でクリーミー。

臭みがなく、まろやかな風味を味わえました。黄金色の炊き込みごはんには出会ったことがなかったので、かなり贅沢でした……。

甘味「抹茶のフィナンシェとあまおう」

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コースの最後は「抹茶のフィナンシェとあまおう」で。抹茶のほろ苦いかおりとしっとりとしたくちどけを楽しめるフィナンシェと、大きなあまおうの甘酸っぱい味わいがバランス抜群でした。

今回のコースは、口直しのシャーベットと焼き物がついた懐石コースとなります。ひとつひとつの食材や調理にこだわりが詰まっており、かなりリッチな懐石コースでしたよ。

特別な日に食べたいトマトすき焼き

「懐石 三田ばさら 別邸」は本店同様、名物の「トマトすき焼き」が楽しめるのはもちろん、別邸でしか味わえない “洋” のエッセンスを堪能できる空間とコースでした。

トマトすき焼きは初体験だったのですが「こんなにもトマトとすき焼きが合うのか!」と驚きでしたね。特別な日やお祝いごと、贅沢したい日にもとてもおすすめですよ。
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