ライター : 今野 直倫

JSFCAコーヒーソムリエ / バリスタ

コーヒー豆は劣化するとどうなる?

コーヒー豆は劣化すると、少し黒ずんだような色になることがあります。ただコーヒー豆は元から茶色、黒色をしていますので、見た目だけでは判断しにくいんですよね。

まず劣化を知る方法は、ドリップで抽出するタイミング。最初にお湯を注ぐとコーヒー粉が膨らむのですが、劣化していると膨らみが小さくなります。逆に、新鮮だとコーヒー粉はふっくらと膨らむんです。これは、焙煎したコーヒーから発生するガスが時間と共に減少していくため。

焙煎度合いにより、コーヒーを抽出したときの膨らみは違うので、一概には言えませんが、劣化する前と劣化した後のコーヒーの膨らみを比較すると膨らまなくなるのが一目でわかります。

次に香り。コーヒーの香りが抜けてしまうと、ドリップした際に広がる香りが減少します。

最後にコーヒーの味ですが、コーヒーの酸化により、嫌な酸味を感じるでしょう。酸味の強いコーヒーが好きという方も多いと思いますが、劣化したコーヒーは口に残る嫌な酸味が強いです。

コーヒー豆はどのくらい持つの?

コーヒー豆の保存期間は焙煎前と焙煎後の状態によって異なります。焙煎前と焙煎後のそれぞれの状態の保存期間を確認していきましょう。

焙煎前

焙煎前のコーヒー豆は、適切に保存すれば長期間持ちます。直射日光が当たらない、湿度が少なく、風通しのよい場所で保存しましょう。湿度が高い場所で保管をするとカビが発生してしまうおそれがあるため注意が必要です。

製造時の焙煎度合いや種類、気候などにもよるので一概には言えませんが、2〜3年持つものもありますよ。

コーヒー豆は保管期ごとの呼び名が変わり、その年に収穫されたコーヒー豆を「ニュークロップ」、前年度に収穫されたコーヒー豆を「パーストクロップ」、前年度以前に収穫されたコーヒー豆を「オールドクロップ」と呼びます。

焙煎後

環境にもよりますが、焙煎後は適切に保存した場合でも4週間程度の持ちとなります。コーヒー豆を保管する際に注意することは温度・湿度・光・酸素。高温多湿、直射日光があたる場所での保管を避け、できるだけ空気に触れないように密封することが重要です。

コーヒーは焙煎後からどんどん劣化が始まってしまうので、保管方法を間違ってしまうと、劣化するスピードがぐっと早まりますよ。

また、コーヒーを粉にして保存する場合は2週間程度で使い切りましょう。コーヒーは空気に触れる面積が大きいほど、劣化が早まるため、空気に触れる面積が大きい粉での保管のほうが劣化スピードが早いです。

焙煎後の変化や飲み頃

焙煎後からコーヒー豆の化学変化が始まり、1週間程度で落ち着いてきます。焙煎後1〜2週間くらいの間が、コーヒー豆の化学変化が落ち着き、飲み頃と言えるでしょう。

コーヒー豆を適切に保存した場合でも、焙煎してから1か月くらいがおいしく飲める期間となります。

まだ飲めるけど香りが弱い場合はどうすればいい?

一度劣化してしまったコーヒーの香りを取り戻すのはむずかしく、一度劣化してしまったコーヒーを復活させることはむずしいと言えます。まだ飲めるのでもったいないですが、できれば焙煎したての新しいコーヒーを飲むことをおすすめします。

コーヒーの出がらしは消臭や脱臭、肥料や堆肥に使えるので、そのまま捨てずに活用してもよいでしょう。また、完全に劣化していないものはお菓子作りに使ったりとアイデア次第で無駄にせずに済みますよ。
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