ライター : 相羽 舞

管理栄養士

便秘解消に役立つ食べ物を摂り入れよう

つらい便秘の症状を和らげるには、食事をはじめとする生活習慣を見直すことが大切です。この記事では便秘対策に役立つ栄養素や、それが多く含まれる食べ物をご紹介します。

ただし、特定の食べ物を摂るだけで、便秘が必ず緩和されるというわけではありません。便秘の原因は、食事バランスの乱れだけではなくさまざまな要因があるためです。

まずはなぜ便秘になる原因を詳しく知り、自分に合った対処方法を考えましょう。(※1)

便秘解消のために積極的に取り入れたい栄養素

食物繊維

食物繊維は、そのはたらきの違いによって水溶性・不溶性のふたつに分けられます。不溶性食物繊維は便量を増やして腸を刺激する作用があり、野菜や豆類に豊富。一方、水溶性食物繊維は果物や海藻類に多く含まれており、便をやわらかくするのに役立ちますよ。

また、いずれの食物繊維も腸内の善玉菌の増殖を助けるはたらきがあります。このような善玉菌を増やす成分が含まれる食べ物のことを「プレバイオティクス食材」と呼びます。(※2)

マグネシウム

ミネラルの一種であるマグネシウムは体内で水分を集める作用があり、便をやわらかくするのに役立ちます。納豆や豆腐などの大豆加工品のほか、海藻類やナッツ類などに豊富な栄養素です。マグネシウムは便秘薬の成分のひとつでもあります。

また、硬水のミネラルウォーターにもマグネシウムが多く含まれています。マグネシウムと同時に水分を摂れるため、水分不足を原因とする便秘の方にぴったりの飲み物です。(※3)

乳酸菌

乳酸菌は善玉菌の一種で、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えるのに役立ちます。また、大腸の運動を促す作用も期待できます。乳酸菌はヨーグルトやチーズ、漬け物や白菜キムチなどの発酵食品に豊富です。

乳酸菌をはじめとする善玉菌が含まれる食べ物のことを「プロバイオティクス食材」と呼びます。食物繊維が豊富なプレバイオティクス食材とともに摂ると、腸内環境を効率よく整えられる「シンバイオティクス」という食べ方になりますよ。(※2,4)

オリゴ糖

オリゴ糖は腸内の善玉菌の栄養源となったり、善玉菌のはたらきを促したりする作用があります。食物繊維と同じくプレバイオティクスの一種で、シンバイオティクスの食べ方をする際に覚えておくと便利です。

オリゴ糖は大豆やバナナ、ごぼうやアスパラガスなどに豊富。また、オリゴ糖が含まれている特定保健用食品も販売されています。ただしオリゴ糖を多量摂取すると、下痢につながるおそれがあるため、摂り過ぎに注意が必要です。(※2,5)
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