ライター : 満畑ペチカ

調理師ライター

常備菜(じょうびさい)とは?

Photo by macaroni

常備菜(じょうびさい)とは「作り置きのおかず」のこと。普段から用意しておくことで、食事のときには盛り付けるだけで済み、「少し物足りない……」「あとひと品!」というときに活躍してくれるおかずです。

しかし常備菜といっても何日間保存できるのか、どうやったら長持ちするのか、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?この記事では、常備菜の保存目安と長持ちさせる調理・保存のコツを調理師である筆者が詳しく解説します。おすすめの常備菜レシピもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

常備菜の保存期間は?

常備菜の保存期間は冷蔵で2〜3日、冷凍で約2週間が目安です。しかし調理方法や使用する調味料、保存している環境によって、保存できる期間は変わってきます。

特に夏場は気温と湿度が高いため、細菌が増えやすく保存期間も短め。「確実に〇日保存できる」とは言い切れないので、あくまで目安として捉え、匂いや見た目で傷んでいないか判断しましょう。

常備菜を長持ちさせる調理のコツ

常備菜を長持ちさせるには、調理の段階から細菌の増殖を抑えるための工夫が必要です。コツを押さえればより長く保存できるため、食材が無駄になりません。ここからは、常備菜を長持ちさせる調理のコツをふたつご紹介します。

水気をなるべく減らす

常備菜を長持ちさせる調理のコツひとつめは、料理の水分をなるべく減らすこと。食中毒の原因である細菌は「栄養・水分・温度」の3つの条件がそろい、時間が経過することで増殖します。

逆に、条件のどれかひとつでも満たしていなければ、細菌の増殖を抑えられるということ。調理段階でしっかり水分を取り除くことができれば、常備菜を長持ちさせられるんです。

具体的には、以下のような方法が効果的です。

・食材の水分をしっかりと切る・絞る
・加熱する料理の場合、調味料の水分をできるだけ飛ばす


和え物やおひたしはしっかり水気を絞って早めに食べきり、煮物や炒め物は調味料の水分をできるだけ飛ばすようにしましょう。(※1)

塩分や酢を多めに加える

常備菜を長持ちさせる調理のコツふたつめは、料理に塩分や酢(酸性の調味料)を多めに加えること。まずは塩分について解説します。

塩分には、浸透圧の作用で食品中の水分を出し、その水分と結合する性質があります。塩分と結合した水分は結合水と呼ばれ、微生物の増殖には利用されません。そのため料理の塩分が多いと、細菌は増殖しにくくなるんです。

もうひとつの酢は、水溶液の「pH(水素イオン濃度)」が関わっています。一般的な細菌はpH6.0~7.5(中性)でよく増殖しますが、pH5.0〜5.5(酸性)になるとほとんどの細菌の増殖が抑制されます。

酢のpHは2.5〜3前後のため、料理にしっかり酢をきかせると料理全体のpHも酸性に傾き、細菌が増殖しにくくなるんです。(※2,3,4)

常備菜を長持ちさせる保存方法

Photo by macaroni

調理段階で水分を減らしたり、塩や酢をきかせることで、常備菜は長持ちさせられます。しかし、作ったあとの保存状態や取り分け方によっては、保存期間が短くなってしまう場合もあるんです。ここからは、常備菜を長持ちさせる保存方法を解説します。
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