3. 飾り葉を使う

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

「食材の間に使える仕切りやあしらいには、飾り葉を使ってみましょう。

もっとも使いやすいのは、葉らんです。仕切りだけでなく、丸めて器として使うこともできます。昔ながらのお花屋さんやホームセンターに売っていますし、和菓子用に売っている笹の葉でも代用可能です。

もう1種類取り入れるなら、赤色が縁起のよい南天を用意してみましょう。裏白や葉らんを下に敷いたり、揚げたぎんなんを爪楊枝や松に刺したぎんなん串や松葉ぎんなんがあったりしてもいいですね」

おせちを上手に詰めるには?

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簡単にセンスよく仕上げるテクニックを押さえたところで、さっそく実際の詰め方を順序を追って教えていただきます。

今回詰めるおせち料理は、筑前煮、なます、紅白かまぼこ、黒豆の煮物、伊達巻に、前回の記事で教わった3つの隙間おかずを加えた8品。重箱2段のうち1段を、小林さんおすすめの詰め方である市松型で仕上げていきます。


前回の記事はこちら▼

1. 中心を決める

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「市松型で重要なのは、中心を決めること。真ん中に配置する料理が確定すると、まわりに並べる料理とのバランスが取りやすくなり、きれいに仕上がります。

器は彩りをプラスできる柚子釜がイチオシ。なますや黒豆など器に入れて盛るおせち料理を入れてみましょう。

家族の人数に合わせて小さな柚子釜をいくつか並べる方法でもよいですよ。お重の縁の高さに合うように、ほかの具材を下に敷いておくと見た目が美しくなります」

2. 四隅から詰める

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「次に四隅に料理を置いていきます。端のスペースから埋めていくと、空くスペースがわかりやすくなるので、迷うことなく詰めることができるはずです。四隅に置く料理は形の大きな伊達巻や、崩れにくいかまぼこなどが最適。

中央の柚子釜に合わせて高さをそろえるとよりきれいなので、かまぼこは高さが足りない場合は底上げをしてみましょう。

伊達巻は横に並べてもいいですが、“の”の字が見えるように積み重ねる方法もおすすめ。縁起がよいうえに華やかです」

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「四隅に詰める料理は、色味を考えながら配置を決めてみましょう。容器やカゴなどをうまく使うと、よりバランスが取りやすくなります。黒豆や漬物など、バラバラになりやすい料理に活用してみてください。

カゴに詰めるときは、汁をキッチンペーパーでよく拭き取ると、ほかの料理に味がつかずおいしさがキープできますよ」

3. 間を埋める

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「最後に空いた隙間に、残りの料理を詰めていきます。隙間を埋めるおかずは、量の調節が利くものや、形を自在に変えられるものがおすすめです。

器に入っていないかまぼこや伊達巻の横には食材同士の味が混ざらないように、葉らんを使って仕切りを作りましょう。葉らんを丸めて、器のように使う方法も簡単にできる工夫のひとつ。葉らんはマスキングテープで簡単に留められますよ」

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「料理を入れるには狭い、微妙な空間が残ってしまうこともあると思います。その際は飾り葉を活用するとスペースを埋められるうえに、彩りが加わって華やかな見た目になりますよ。

赤色がアクセントになる南天の実のほか、ぎんなん串や松葉ぎんなんも使い勝手がよいです」

コツを押さえれば本格お重が短時間で完成!

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15分程度であっという間にすてきなお重が完成。まるでお店で売られているおせちのような美しいでき映えに、取材陣も感動しきりでした。

「なますの上にいくらをトッピングしたり、黒豆に金封を金粉を振りかけたりしてもおめでたい雰囲気が出ますよ」と小林さん。見栄えよく仕上げるコツやテクニックはどれも意外と簡単で、これならはじめての方でもまねしやすいと感じました。何よりセンスよく詰められると楽しさが増しますし、お祝いムードもより高まりそうです。

おせち料理がもっとも映えるのはやっぱり重箱。おせちを作った方は、ぜひ詰め方の参考にしてみてください。


取材・文/大瀧亜友美
撮影/宮本信義


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