ライター : muccinpurin

製菓衛生師 / 料理家

「ついに未来がきてしまった…」と話題の食品

技術の進歩は素晴らしいもので、いまやみそ汁だけでなくありとあらゆるものがフリーズドライに加工されています。そんななか「フリーズドライの常識を超えた」とSNSをざわつかせているのが “フリーズドライの匠” シリーズです。

つい先日、同シリーズの「海老天とじ丼の素」が話題になるも即完売の大ヒット。Twitterでは「お湯を注ぐだけで海老天丼出現。近未来感がすごい」といった投稿が、18万いいねを集めるほど注目を集めました。

アマノフーズ「チキンカツの玉子とじ」

Photo by muccinpurin

「チキンカツの玉子とじ」2食入/1,000円(税込)
販売しているのはフリーズドライアイテムを豊富に扱うアマノフーズ。前作のヒットを受けて10月25日(月)から、かつて発売され人気を誇った「チキンカツの玉子とじ」が再販されました。

そもそも “揚げもののフリーズドライ” の概念がなかった筆者、チキンカツや海老天丼がフリーズドライになるだなんて、にわかに信じがたいのですが……。

原材料はチキンカツそのもの

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筆者の中でフリーズドライとえば、お味噌汁かスープ、はたまたインスタントラーメンの薬味などのイメージしかありませんでした。ドドンと直径15cmはあろうかという大きさのフリーズドライに驚くばかり。パッケージにプリントされた玉子とじが実においしそうですが、お湯を注ぐだけでこんな風に再現できるのか、いささか不安ではあります。

原材料は、チキンカツ(鶏肉、パン粉、植物油脂、液全卵)など。ごく一般的なチキンカツ丼の材料がずらりと並びます。ちなみに主役となる鶏肉は国産のものだけを使用。脂っこさがなく、弾力がありながらもやわらかい肉質に定評があるのだそうです。さらに、国産の玉ねぎや青ねぎを使用し、ふんわりたまごで包み込んだというこだわりっぷり。

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袋から出してみると、スープやみそ汁のフリーズドライのような大きな塊が。外側からではお肉も見えませんが……。

アマノフーズの公式サイトに開発秘話が掲載されていました。それによると「カツのように大きなお肉をお湯で戻すのはむずかしく、フリーズドライに適した条件の鶏肉を求めて試作を繰り返した」とのこと。確かに、一般的に見るフリーズドライと比べ、加工のしにくさがあったことは容易に予想できます。

お湯を注いで30秒待ってみると…

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気になる作り方ですが、フリーズドライを底が少し深めの器に移し、120mlの熱湯を注いで約30秒待つだけ。30秒経ったら箸で軽くほぐして完成です。お湯の入れすぎにはくれぐれも注意してくださいね。ほぐすときには衣がはがれないよう慎重に、慎重に……。お湯を注ぐときも低い位置から全体にやさしく注ぐ方がよさそうです。

鶏肉をさばいて衣をつけて揚げ、出汁を取って調味して卵でとじるまで、どんなに手際が良くても20分はかかりそうなものが、お湯を注ぐだけなんて!実際に食べる前からすでに感動が止まりません。

果たしてお肉の食感は!?

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ご覧ください。「さっき卵でとじたばかりです」と言わんばかりにふわっふわの卵に包まれたチキンカツ。砂糖と醤油、出汁を利かせたいい香りが漂い、ついさっきまで乾燥していたとは思えないクオリティです。

作り方にはお湯を注いで30秒待つ、とありましたが、1分ほど待った方が水分をよく吸っておいしく仕上がる気がします。様子を見ながら待ち時間を調整してくださいね。

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気になるお肉の食感ですが、思った以上にチキンカツ!生の肉を揚げたものと比べると、やや噛み応えがやわらかい気がしなくもないですが、かみ切りやすさもありジューシーさもあり、とても食べやすい印象ですよ。なにより玉子のふわふわ感がまるでかき玉スープのようで、この食感に関しては作り立てよりもフリーズドライの方が断然好みでした。フリーズドライの技術を生かした傑作です。

なによりお湯を注いですぐ食べられる点で、レトルトや冷凍食品よりも早いのがうれしいですよね。お湯を沸かす時間を含めても2分以内にできたとは思えないレベル。お湯をかけて戻してもしっかりお肉の食感が戻るところに、感動しながら完食しました。

ごはんにのせれば、チキンカツ丼に

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チキンカツ定食はもちろんのこと、ごはんにのせればチキンカツの玉子とじ丼にもアレンジできます。出汁が沁みたごはんごとかきこめば、「嗚呼……日本人でよかった!」としみじみ幸せを感じるはずです。

お湯さえ準備できればどこでも食べられるので、殻のお弁当箱にフリーズドライのチキンカツの玉子とじをセットしておけば、給湯室でお湯を注ぐだけでできたてが味わえますよ。
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