京漬物をおうちで楽しむ3つの秘けつ

Photo by Terry Naniwa

新米に合うおすすめの京漬物5品をおうちで楽しむためのポイントも教えてもらいました。

1. 何も加えず、そのままで食べるのが一番!

「お漬物にしょうゆやその他の調味料をつけて食べる方を時折見かけますが、その必要はまったくありません。素材本来の味と漬汁の味がバランス良く引き出されるように仕上げておりますので、ぜひそのままで楽しんでください」

2. 冷蔵庫でしっかり冷やし、食べる直前に食卓に並べる

「京漬物は冷蔵保存が基本です。しっかり冷やしておいたほうが、食感も味もハッキリします。開封後に残ったぶんは、保存容器に入れたり、ラップに包んだりして冷蔵庫で保存しましょう」

3. 漬汁に浸して保存する

Photo by Terry Naniwa

「漬汁に浸しておくと良い状態で保存できます。可能な限り、容器に空気が入らないようにして漬汁に浸し、冷蔵庫で保存するのがポイントです。

大根など漬汁をほとんど含まないお漬物は、ラップに包んで保存してください。空気に触れる時間を少なくするのがおいしさを保つ秘けつです」

お漬物の歴史を紐解いてみましょう

Photo by 西利

新米のおいしさを引き立てる京漬物を教えてくれた杉山さんが、「せっかくなので」とお漬物の歴史について話を聞かせてくれました。

「お漬物が初めて記録に現れたのは奈良時代の頃で、平安時代には種類が増え、宮中の宴や儀式に登場。10世紀半ばに記された『延喜式(えんぎしき)』(927年刊)にて、かぶらや茄子などの野菜から果物、山菜など、約50種類ものお漬物を確認できます。

ただ、当時は塩が貴重で高価なものだったので、朝廷や貴族など限られたごく一部が食していたようです」

庶民に定着した江戸時代。お漬物ブームの到来

Photo by 西利

「室町時代になると野菜の栽培が盛んになり、お漬物が全国各地に根づいていきます。そして江戸時代には、庶民の食卓に白米がのぼる機会が増え、精米時に残った米ぬかを利用するぬか漬が暮らしに溶け込み、お漬物の普及が加速しました。

江戸中後期にはさまざまな漬物専門書が刊行され、中でも著名な『四季漬物塩嘉言』(1836年刊)には、たくあん漬をはじめ64種類ものお漬物のレシピが載っています。まさにお漬物ブームの到来でした」
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ