ライター : macaroni 編集部

記事を書いたのは……

きじまりゅうた/料理家
料理家の村上昭子さんを祖母に、杵島直美さんを母にもち、幼い頃から料理に触れる。自身も料理家として独立し、楽しくわかりやすいトークとオリジナリティのある料理で人気を集める。テレビ・WEB・雑誌やイベント出演などで幅広く活躍。
こんにちは。料理家のきじまりゅうたです。

テレビや本やイベントなどで料理の作り方を紹介することを、3代続いての家業としておりますが、食にまつわるおもしろいことの何でも屋さんを自認しております。

四十路の手習いで最近youtubeもはじめたので、「きじまごはん」でご検索ください。
きじまさんのYoutubeはこちら▼

最近「スーパーさんぽ」にハマっています。

さて、突然始まった感のあるこの企画。

実は、macaroni編集部の高倉さんとリモートで雑談中、コロナ禍以降のマイブーム「スーパーさんぽ(※)」の話をしていたところ、「それ一緒に行ってもいいですか?(笑)」という話になりまして……

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【スーパーさんぽ とは】
"スーパーマーケットにいくこと"を目的とした散歩のこと。

普段より少し足を伸ばし、初めて行くスーパーを訪れることで、道中で地域の魅力に触れ、お店で食材と出会い、家でそれを料理することで、身近にある幸福を感じられる行為である―――
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じゃあうちの隣町のスーパーにでも行ってみますか!?ということで、東京メトロ東西線、「落合駅」にやってきました。実は友達から評判を聞いて気になっていたスーパーがあるんです。

入店前に、落合周辺を気ままにお散歩。

Photo by Ryo Takakura

※屋外での撮影は一時的にマスクを外しています。
生まれ育った地元から直線距離で約2km。と徒歩圏内なんだけど、近くて遠い隣町、それが落合。この東西線の駅に来るのは意外と初めてかもしれません。

到着後、スーパーに行くまでちょっとブラブラしますか!というわけで、まずは駅のある早稲田通りから裏道に入り、同行兼カメラマンの高倉さんと、雑談しながらの散歩が始まりました。

Photo by Ryo Takakura

高田馬場や東中野も近く、山手通り沿いという好立地とは思えない静かな住宅街。下町感のある路地のすぐ横に、大きなお屋敷があったりするのが新宿区らしい風景。

高低差が激しく、坂道が多いのも、また新宿区らしい。

長雨が終わり、好天に恵まれた9月中旬の取材当日。空の青さに浮かれた2人が、突き当たった公園で凛とした佇まいを見せる1台のすべり台に興味を持ったのも、きっと無理はありません。

Photo by Ryo Takakura

わ〜ケツが擦れて痛い〜〜(笑)などと、ひととおり盛り上がった直後、すべり台の幅の狭さに、おのれが意外と大人になっていることに気づいた2人。

ハッと我に返ったその足で、言葉少なに落合水再生センターに進みます。

近隣の下水処理をしているこの施設。我が家もお世話になっているはずですが、地上が運動公園になっているのは知りませんでした。

Photo by Ryo Takakura

野球場で汗を流す、同世代と思われる男子たちをバックネット裏から見る。

子供の頃から疑問だったけど、「平日の午前中から草野球してる大人って、何をしてる人なんでしょうね〜?」なんて話ながら、それを観戦している俺らはナニモノなんだろう……。

バッターボックスに入る選手になぜか「お疲れさまです!」と脱帽+挨拶され、関係者?まさかスカウトと間違われてるんですかね〜と笑う、おじさん2人。

知らない人たちの草野球は、選手間の人間関係を妄想しながら見ると、不思議と楽しいですよ。

Photo by Ryo Takakura

坂を下って神田川沿いを歩くと、「ここ、旅先の温泉街だっけ?」と見紛うような風景が広がります。

なんとも言えないリラックスした表情は、浴衣姿の方が似合いそう。無駄にいい写真が撮れました(笑)。

『地産マルシェ 小滝橋店』に到着!

Photo by Ryo Takakura

※お店での撮影はマスク着用で実施しています。
そうこうしているうちに、いよいよ今回の目的地『地産マルシェ 小滝橋店』に到着!

ちょっとこぶりな都心のスーパーといった感じの外観を見つつ、いよいよ入店。もはや店頭の定番となった消毒液が、足踏み式だとなぜかちょっとホッとするのはコロナ禍あるある?

Photo by Ryo Takakura

入り口左には、さまざまな品種のお米が玄米状態で売っていて、その場で精米もしてくれるらしい。この規模のスーパーには珍しいサービスで、期待が高まる。

その目の前には大量の野菜と果物が、木製の棚の上にずらりと並んでいる。この光景は完全に農協の「直売所」か「道の駅」だ。

旅行に行くたびに、グーグルマップで直売所を探してしまう僕の心拍数はすでに爆上がり!

Photo by Ryo Takakura

店内には、普通のスーパーではお目にかからないレア野菜や、新鮮な定番野菜がたっぷりと陳列!この大根の葉とか、意外と売ってないんですよね。

Photo by Ryo Takakura

野菜に貼られたシールのひとつひとつに生産者名が書かれている。「〇〇さんの作った野菜はおいしいからまた買っちゃお♪」という、常連ならではのブランド買いにも、ちょっと憧れます。

ちょうど、名残の夏野菜と走りの秋野菜が並ぶ店内は、見た目にもにぎやかで、僕の脳内も収穫祭気分!

さらに奥に進むと、地方メーカーのものと思われる、調味料の数々が現れました。

Photo by Ryo Takakura

おみやげにはやっぱりご当地調味料だよなぁと、すでにココが自宅から3km圏内なのを忘れて、"いい旅夢気分"な僕。

Photo by Ryo Takakura

パンもおいしそうだし、品のいいおばあちゃんの家で出そうなお菓子も、こだわりが詰まっていそうな加工肉や乳製品も気になります。

シンプルなパッケージの味噌が何種類もあるのも、道の駅感を感じさせる理由なのかも。

食品のパッケージはシンプルなほど……なんなら透明パッケージにシールが一枚貼られているくらいのほうが、こころ惹かれるのはなぜなんだろう。

Photo by Ryo Takakura

そして卵コーナー。おおっ、有精卵!うまそう!でも持ち帰るのが怖いからなぁ……あ、旅先じゃないから問題ないのか(笑)買っちゃいましょう。

Photo by Ryo Takakura

お隣には、圧巻の「こんにゃくコーナー」が!

お店の本部が群馬と聞いて納得する、種類の豊富さ。群馬県人のこんにゃく愛は愛媛県人のみかん愛くらい深いとか?

Photo by Ryo Takakura

いま食べたいものを本能のおもむくままにカゴにいれてレジに並ぶと、普通ならガムとかチョコが置いてあるべきレジ横にまで、わらび餅やらクッキーが。

この店じゃ、最後まで気を抜けない……。もちろんわらび餅まで含めてお会計しました。おお、思っていたより安い!

お買いもの完了!料理編につづく……

Photo by Ryo Takakura

パンパンに詰まったレジ袋を持つ手に、なんとも言えない満足感……。が、僕はこのあと、今買った材料で即興料理を作らないといけない。

「近くに気になる銭湯があって……」とソワソワしているサウナーの高倉さんを制して、そろそろ自宅キッチンに戻ります。

さて、どんな料理を作ろうか?と悩む帰り道もまた「スーパーさんぽ」の醍醐味です!

次回の執筆は高倉さんにバトンタッチし、ようやく料理編がスタート!ぱぱっと作れる簡単レシピばかりなので、ぜひ参考にしてみてもらえると嬉しいです。

おすすめスーパー情報があったら、きじまかmacaroni編集部までお知らせください。あなたの行きつけのスーパー、僕が知らないだけで実は超イケてるかもしれませんよ。
文/きじまりゅうた
撮影・編集/高倉 遼(macaroni副編集長)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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