ライター : tsudakeiko

監修者 : 山菜卸問屋 遠藤商店

たらの芽の味わいとおすすめ料理

Photo by 山菜屋.com

たらの芽の味わい

桜が咲くころに芽が出る「山菜の王様」といえば、たらの芽。全国で自生しているたらの木の新芽です。春の伊吹が伝わるほのかな苦味とコクのある味わいは格別です。

天然物は独特の風味が強く、一方栽培物は天然物よりクセが穏やかですが、風味が弱いのが特徴です。天然物のたらの芽は4月初旬頃から採取されますが、栽培物は12月頃から出回ります。天然物の野趣溢れる風味を楽しむ前に、栽培物のたらの芽で一足早く春を楽しむのもいいですね。

どんな料理が作れる?

そのホクホク感と香りを味わうには天ぷら料理がダントツおすすめです。油で揚げるとアクが旨味になり、さまざまな栄養分も閉じ込められます。さらにたらの芽の揚げ物は、魚や肉などのメインディッシュに添えて季節感を演出する名脇役にもなるんです。

アクをサッと抜いておひたしや和え物などに。パスタ、ソテーなどは手早く炒めて独特の風味を残せば特別感のあるひと品に仕上がります。チヂミや餃子の具材にしても新鮮ですよ。

食用サイズ(10~15cmくらい)のたらの芽に関しては、苦みはありません。和え物などを作る際におこなう下ゆでは、アク抜きというよりは、色止め(黒く変色するのを止める)という意味合いがあります。なので水にさらす作業は不要です。

たらの芽の下処理方法

たらの芽は伸びすぎると苦味やエグミが強くなります。油で揚げたり炒めたりすればエグミは旨味に変わりますが、和え物、おひたしなどは下準備してアクぬきをしましょう。

固いハカマをはずして汚れを洗い落とし、根元の固い部分を包丁でむきます。水に軽く塩を加えて沸騰させたら1、2分さっと固めにゆでて冷水へ。

香りや歯ごたえを楽しめるようにゆですぎず、手際よく。しっかりと水気を切ってから、おひたしやごま和えに。あるいはそのままで塩をつけていただいてもおいしいですよ。

たらの芽の保存方法

たらの芽は香りや風味が逃げやすく日持ちがしません。食べきれない場合には、冷蔵や冷凍という方法があります。

冷蔵保存

冷蔵庫で保存する場合は、ほどよく水分を保てるように新聞紙に包んで、穴を開けたポリ袋に入れれば4から5日保存可能です。

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