ライター : ☆ゴン

インドカレーに欠かせない「アチャール」とは?

みなさんは、「アチャール」という料理をご存知でしょうか?アチャールとは、インドのピクルス(漬物)のこと。玉ねぎやにんじん、きゅうり、キャベツ、かぶ、唐辛子などのさまざまな野菜を、香辛料や酢で味付けします。

インドやネパールでは、日常的に食べられている定番の副菜です。この記事では、アチャールの歴史や語源、作り方のレシピを紹介します。

アチャールの歴史

日本でもアチャールの認知度は高く、家庭で漬ける人もいるほどです。そんなアチャールは、インドで生まれた食べ物だとされています。時期や地域など、発祥についてのくわしいことは不明。さまざまな野菜や果実などを、保存するために作られたことは間違いありません。

食材やスパイス、調理法によっては、常温でかなりの長期保存が可能なアチャールもあります。アチャールで使用される食材は、玉ねぎやきゅうり、にんじん、セロリ、ししとうがらし、レモン、しょうが、かぶなど多種多彩。

基本的に唐辛子と塩、柑橘系果汁または酢を使用するのが調理のポイントです。インドで古くから続く食文化が、周辺諸国に広まったものと考えられています。

アチャールの語源

ポルトガル語に、「achar(アチャール)」という言葉があります。野菜や果物で作るピクルス(漬物)のことで、インドの「アチャール」もこれが語源とする説が有力です。

ネパールには「チャーレ」、フィリピンやインドネシアは「アチャラ」、アフガニスタンは「オチョール」というお漬物があります。また日本の「あちゃら漬け」も、ポルトガル語のアチャールに由来するとされ、これらはすべて同じ語源だと考えられています。

アチャールに向いている料理

アチャールに向いている料理といえば、やはりなんといってもカレーですね。インド料理では、カレーのつけ合わせにアチャールを添えるのが定番。また、それが正しい食べ方なのだそうです。

アチャールは、食材のバリエーションがたいへん豊富で、味わいも独特。さまざまな香辛料を配合するインドカレーと、アチャールの組み合わせは正統派の食べ方だとされます。日本の「カレーと福神漬け」に似ていますが、もっと複雑で深みのある、絶妙の組み合わせといえそうです。

チャツネとの違い

「チャツネ」とは、マンゴーやタマリンドなどのいろんな果実を、香辛料や砂糖、酢などと一緒に煮込んでペースト状にしたもの。見た目はジャムやソースのような感じです。

使われるスパイスは、クミンやコリアンダーなどさまざま。 チャツネという名前は、「舐める」という意味のヒンディー語、「チャートゥナー」に由来するとされます。

チャツネの味は、甘味のあるものや辛味の強いものなどいろいろ。さまざまな果実や野菜、ハーブなどが食材として使われ、レシピや味は地域または各家庭によって多種多様です。

チャツネの作り方は、加熱せずに作るものと、火にかけて煮込むマンゴーチャツネなど、2種類に分かれます。上記画像はトマトと玉ねぎのチャツネです。
アチャールはインドのピクルスのようなもので、食べ方も日本のお漬物に似ています。たとえば日本のお店で定食を注文すると、お漬物がついてくる場合がほとんど。また一般的な家庭でも、お漬物は昔から欠かせない食材のひとつです。副菜ながら、食卓にはなくてはならない存在といえます。

一方のチャツネは、日本の「薬味」のようなイメージでしょうか。主役ではないけれど、メインの味を引き立ててくれる、大事な脇役といったところ。刺身にはわさび、焼き魚に大根おろし、冷や奴にはしょうがすりおろしや刻みねぎ、といえばわかりやすいですね。

どちらもスパイスを使用して、料理の味を引き立てる役割があるお漬物と薬味。いまではインドや周辺諸国の食文化において、欠かせないものとなっています。

アチャールの作り方

アチャールのなかでもとくにポピュラーで、よく作られる「玉ねぎのアチャール」のレシピを紹介します。材料はメイン具材の玉ねぎ以外は、レモンとしょうがの薄切りだけながら、スパイスをふんだんに使用するのがポイント。

ターメリックやカイエンぺッパー、パプリカパウダーなどの香辛料と、オリーブオイル、塩を使います。油とスパイスをよく混ぜ合わせて、材料と和えてから3日ほど漬ければ完成。長く置けば置くほどおいしさがアップする、本格的な味わいのお漬物です。

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