2. 頭から一周するように渋皮を剥く

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

鬼皮が剥けたら、頭→側面→座→側面と一周するように渋皮を剥きます。包丁は動かさず、栗を回しながら剥きましょう。

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

「実は栗の形は、片側が平らで片側が丸いもの(1)と、両側が平らなもの(2)と、両側が丸いもの(3)と、3パターンあるんです。

(1)は平らな面が少ないので、刃を当てやすい側面部分を見つけ、形に沿ってぐるりと一周剥きましょう。(2)は平らな面が多く、一番刃が当てやすいです。(3)は丸い側面の境目に平らな面が少しあるため、そこをぐるりと一周すると剥きやすいですよ」

3. 残りの渋皮を剥く

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

側面の渋皮が剥けたら、面積が大きい表面の部分へ。平らな面の場合、小ぶりのものは一気に、大きいものは端から栗を回しながら剥きましょう。

一方で丸い面の場合は、頭から座に向かって数回に分けて剥きます。このとき、栗の形に沿ってふっくらと剥くと、きれいな栗の形に仕上がりますよ。

「ここでも、なるべく包丁を入れる数を少なくするのがポイント。そうすると凸凹の少ない、ツルッとした仕上がりになります。生栗は硬いですが、負けじと刃を入れ続けましょう!」

4. 渋皮をきれいに取り除いて水につける

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

剥き残しや深く入った渋皮は、じゃがいもの芽を取るように両側からV字状に包丁を入れて取り除きます。剥き終わった栗は水をはったボウルに入れ、アク抜きをします。

「栗は、じゃがいもと同じでんぷん質です。空気に触れると黒く酸化してしまうので、必ず水につけておいてくださいね

編集部員も実際に剥いてみた結果…

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

まるでりんごの皮むきのように、スルスルと皮を剥いていく箱田さん。見ているととっても簡単そうですが、素人でも同じように剥けるのでしょうか。実際に編集部員もチャレンジしてみました。

編集部員「想像以上に力が必要ですね。でも鬼皮は最初の部分が剥けたらそこからペリッと剥けていくのが気持ちいいです。渋皮は……あれ、むずかしい。箱田さんのようなきれいに形が作れず凸凹になってしまいました……」

箱田さん「栗の形を大きく残したいという気持ちから、薄く剥こうとしてませんか?実はそれだと凸凹になりやすいんです。思い切って厚めに剥いたほうが、余計な手直しをしなくていいので結果的に大きく残りますよ。

それに、はじめてにしては上出来です。何個か剥いているうちに、上手に剥けるようになります♪ 」

自宅でも再チャレンジ!

Photo by macaroni

箱田さんに教わったコツを意識し、自宅でリベンジする編集部員。10個ほど剥いた頃には、初回と見違えるほどきれいな栗の形に仕上がりました!

自宅ならではの使い勝手&初心者目線から、編集部員が感じたポイントをいくつかまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

自宅で栗を剥くときのポイント

  1. 指サックは必須!滑り止め効果はもちろん、力が入れやすい
  2. 包丁は絶対研いで。切れ味が良い包丁なら面取りもラクラク
  3. 浸水時間は長めがおすすめ!ただし半日以上つけると傷みの原因になるので注意
  4. 鬼皮を剥くときの最初の一刀は丸みがあるところに。包丁が入りやすくツルッと剥きやすい
  5. 包丁の扱いが不安な方は、ピーラーでもOK!ただし身も削りやすいので仕上がりは小さめに

栗のおいしさをキープする方法は?

生栗はすぐ処理することが大切!

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

「生栗は日持ちしにくく、そもそも保存に向いていません。栗は木から落ちても生きている状態なんです。日ごとに変化するため、生栗はすぐに処理することが大切ですよ。農家でも、落ちた栗はその日のうちに拾うのが鉄則なんです」

■処理前の生栗を保存する方法
濡らした新聞紙を敷いたポリ袋に入れ、縛らずにチルド室に入れます。この場合、保管環境が良ければ7〜10日ほど保存できますが、湿度が高いとカビの原因にも。2〜3日の間に処理し、早めに食べきるのがベター。

■処理後の生栗を保存する方法
皮を剥いた栗は氷水の中に入れ、チルド室へ入れれば3日ほど持ちます。ただ、黒く変色しやすいのでこちらも早めに食べるのが良いでしょう。
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