ライター : macaroni 編集部

代官山「サリーヒルズ」小谷野さんが通う店は?【シェフが通う店 #10】

Photo by 小田中雅子

「サリーヒルズ」の店主、小谷野大輔さん
第9回で紹介した、創作イタリアンの店「surryhills(サリーヒルズ)」。店主の小谷野さんが、自身の通う店として紹介してくれたのは、同じ代官山にあるワインバー「Baro(バロ)」。「サリーヒルズ」の向かいにあるお店です。

「とにかく雰囲気がいいんですよ。オーナーさんの人柄が温かく、気兼ねなくゆったり楽しめます。おすすめ料理はポークビンダルー。ワインとカレーを合わせるのはむずかしいんですが、ほどよく酸味を効かせて、ワインとの相性を良くしています」(小谷野さん)

小谷野さんのお気に入り、隠れ家ワインバーをご紹介しましょう。

シックな店内でカレーとワインを。代官山「Baro(バロ)」

Photo by 小田中雅子

東急東横線「代官山」駅から徒歩4分。細い路地奥の商業施設「sarugaku(サルガク)」の一角に、「Baro(バロ)」があります。白い建物が立ち並ぶエリアは、まるで外国のような雰囲気。

Photo by 小田中雅子

ブルーグレーを基調とした店内は、所々にアンティーク家具が配したシックな空間。昼間はカフェのような雰囲気ですが、日が暮れると、しっとりしたオシャレ空間に。女性ひとりでも訪れやすいですよ。

Photo by 小田中雅子

店主の齋藤正樹さんは、主にサービスを担当して25年以上のベテラン。カフェやレストランなどで経験を積んだあと、松濤にある人気ビストロ「アルル」で店長として活躍。現オーナーとの出会いを経て、新店を任されることになり、白金にビストロ「バロ」をオープン。その後2020年9月、ナチュラルワインを楽しむワインバーとして形を変えて「バロ」を代官山で再オープン
「お客様が、料理をおいしそうに食べたり、おしゃべりを楽しんだりしている空間が好きなんです。居心地良く過ごして、喜んでもらえればうれしいですね」(齋藤さん)

テーマは「スパイスと発酵」!おなじみのメニューをアレンジ

Photo by 小田中雅子

料理はアラカルトのみ。スパイスと発酵食材をテーマに、ウフマヨやポテトサラダといったメニューを、ナチュラルワインに合うようにアレンジしています。

メニュー作りで齋藤さんの良きアドバイザーになっているのが、フードデザイナーとして活躍されている中本千尋さん。中本さんと相談しながら、お店のメニューを決めたのだそう。

「ナチュラルワインは酸味に特徴のあるものが多いので、発酵食材の旨みや酸味と相性がいいんですよ。気軽に楽しめるよう、ちょっとアイデアを効かせた馴染みの料理を出していきたいですね」(齋藤さん)

スモーキーなポテサラ「茗荷といぶりがっこのポテサラ」

Photo by 小田中雅子

650円(税抜)
「ウフマヨとぬか漬け ブルーチーズ」や「ズリとガリ(砂肝のコンフィと新生姜)」など、名前だけも興味をそそるメニューがそろう「バロ」。なかでもイチオシが「茗荷といぶりがっこのポテサラ」です。

ジャガイモと茗荷だけのクリーミーなサラダに、コリコリした食感のいぶりがっこをプラス。スモーキーな味わいをまとった、オトナのポテトサラダです。

Photo by 小田中雅子

まろやかな味わいのベースになっているのが、白味噌を加えた自家製マヨネーズ。ほんのりした甘さが、ポテトサラダをやさしい食べ心地にしています。

そこに、関西風の甘いソースと砕いた柿の種をトッピングし、ちょっぴりパンチを効かせています。スプーンを入れる場所で味わいが変わる、楽しいひと品です。

スパイスの達人直伝「Baroの2種がけスパイスカレー」

Photo by 小田中雅子

1,550円(税抜)
お客のほとんどが頼むというメニュー。インドのお米・バスマティライスを挟んで、両側にポークビンダルー(写真左)とチキンカレー(写真右)がかけられています。付け合わせは、カレーにぴったりなクミン風味のキャロットラペ。

カレーのレシピは中本千尋さん直伝です。中本さんは、カレー店を営んだ経験もあるスパイスの達人。ポークとチキンそれぞれの個性にあったスパイスをブレンドしています。

Photo by 小田中雅子

ポークビンダルーは、豚肉を使用し、ワインビネガーの酸味とスパイスの辛みを効かせたカレーのこと。

同店では、煮込む際にナチュラルワインを使用。それによってまろやかな酸味とコクが楽しめ、少し辛みを効かせたスパイスとのバランスも絶妙に。豚ひき肉をたっぷり使っているので、食べ応えも抜群です。

Photo by 小田中雅子

チキンカレーは、牛乳を使って辛みを控えめにしたマイルドな味わい。ヨーグルトで一日マリネした鶏肉は、ホロリとするやわらかさ。スパイシーなポークビンダルーとのコントラストが楽しめます

「いろいろ食べたあとでも、サラッと食べてもらえるようにしています。ごはんをサラリとしたバスマティライスにしたり、具材を炒めた玉ねぎと肉のみにしたりするなど、軽い食べ心地のカレーを目指しています」(齋藤さん)

初心者でも楽しめるナチュラルワイン

Photo by 小田中雅子

ワインは、フランスとイタリアをメインに、世界各国のものをそろえています。ナチュラルワインが初めての人にも飲みやすい、雑味が少なくスッキリした味わいのものを中心にラインアップ

「お客様の好みを聞いておすすめしています。ワインに詳しくなくても、カフェのように気軽に訪れてもらいたいですね。ここがきっかけでワイン好きになってもらえればうれしいです」(齋藤さん)

取材中もニコニコと穏やかに話す姿が印象的な齋藤さん。「Baro」で、ちょっと良い時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
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