ライター : マカロニメイトニュース

本日のゲストは……?

Photo by @machiko_macaron

神マカロンの井沢万智子さん
本日のゲストは、三つ星レストランでマカロン作りの経験があるという井沢万智子さん。日々マカロン作りに励んでおり、失敗しない簡単なマカロンレシピを考案。今回は、そんなお菓子作りのプロである井沢さんにお話を伺いました。

元々マカロンが苦手だった!? マカロンの世界。

さまざまなお菓子作りをする井沢さんですが、なかでもマカロンにこだわるようになったきっかけはなんですか?

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「2016年頃、友人が山形に新しく開くパティスリーで販売するためのマカロンのレシピ開発を頼まれたのがきっかけです。フランスでの修行中にもマカロンを焼いていましたが、当時はまだあまりフランス語が喋れなかったので、失敗してもなぜこうなったのか、あまり理解していませんでした。

レシピ開発を頼まれたことで、フレンチメレンゲ、イタリアンメレンゲ、スイスメレンゲ、それぞれのレシピでマカロンを作り比べました。フレンチメレンゲだと軽い食感に、イタリアンメレンゲだとネチっとなりやすく、スイスメレンゲは外側は少ししっかりめに。作りやすさ、持ち帰りやすさ、そして特に美味しさの面を重視し、スイスメレンゲというあまり知られていないマイナーなメレンゲのマカロンを作るようになりました 」

マカロンの魅力や好きなところを教えてください。

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「実はマカロンが好きじゃなかったんです(笑)! 見た目やカラフルさはとても好きでしたが、もともと10代の頃は甘いものが苦手で、ケーキ1個ですら食べられませんでした。

お菓子を作るのは楽しくて、作ったものはいつも友達にあげていました。でもマカロンて見た目はカラフルですごく可愛いので、売っているのを見かけるとついつい買っちゃう。お店で売られているマカロンって、とっても甘い!まるでお砂糖をそのまま食べているような。

お店によって味や食感も全然違いますよね。なかなか美味しいと思えるマカロンには出会えませんでした。あの可愛い見た目で美味しかったら最強なのに……!自分が作るからには、甘さを抑えた美味しいマカロンを作りたい。自分のようにマカロンが苦手な人でも何個も食べたくなるような、甘さ控えめでフルーツなどフレーバーがしっかりと感じられるマカロンを目指しました。

ただお砂糖を減らすだけではもちろん失敗してしまうので、極力お砂糖を減らしつつ、クリームの味は強めにすることでフルーツの味がしっかりと感じられるジューシーなマカロンができました!」

マカロンが綺麗に焼けるまでにどのくらい試作を重ねましたか?

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「お店で試作していたときは、業務用オーブンだったのでわりと初期の頃からひび割れたりせず見た目は綺麗に焼けていました。ただ見た目は綺麗なんだけど、中は空洞になってしまって。空洞ができずに満足いくものが出来るようになるまでは2ヶ月くらいかかりました。お店のオープンにも間に合わせないといけなかったので、空洞にならずに焼けるようになってホッとしました。

レシピが決まるまでの間はメレンゲを変えてみたり、焼く温度を変えてみたり。温度の違いで「見た目やピエ(マカロンの下部にできる膨らみ)がこういう風に変わった!」「メレンゲの違いでこうなった!」という様子をSNSに投稿していました。

SNSで投稿すると「美味しそう!」「習いたい!」と言っていただくことが多く、いつの間にかマカロンのイメージがつきお教室を始めるきっかけになりました。

何回も作っていると、マカロナージュ(メレンゲの泡を潰す作業)をちょっとやりすぎるとピエが綺麗に出なかったり、ほんのちょっとのことで焼き上がりに影響が出るので、マカロンはなんて奥深いんだろうと思います」

マカロンを綺麗に焼くコツを教えてください。

Photo by @machiko_macaron

「ポイントはいくつかありますが、意外と見落としがちなのが焼く時に使う“クッキングシート”。以前安いものを使った時に、形がいびつになり丸く焼けなかったことがありました。クッキングシートが水分を吸ってしまったのが原因でした。

クッキングシートがなくてアルミホイルで代用してマカロンを焼いた友人がいましたが、焼けなくはなかったですが、形が歪んだり、破れたり……と綺麗には焼けなかったですね。アルミホイルから剥がすのも大変です。

他にも初歩的なことですが、口金を使うことも綺麗に丸く絞るのには大事です。あとは同じ大きさに揃えるために、丸いガイドラインを使うこと。絞った後に乾燥させるなら、表面を乾燥させるために除湿機を使う、扇風機を使ったりして早く乾燥させること、でしょうか」

マカロンが綺麗にできあがったときの気持ちや心の変化を教えてください。

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「マカロナージュの状態や、焼く前の乾燥させ具合などで焼く前にある程度うまくいくか予想がつくんですが、ベストな状態で焼き上がるとやっぱり嬉しいですね!

一つひとつ手作業で絞っていくので、心が乱れている時は綺麗に同じ大きさに丸く絞れなかったり。その時の気持ちがマカロンにも出てしまう。一つのパロメーターのような。そいうのが面白いなーと思います。なので綺麗に出来上がると、今日もいつも通り調子がいいなと思います」
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