ライター : ☆ゴン

フグの味わいとおいしい旬はいつ?

フグ(河豚)は白身魚で、淡白ながらも上品で奥深い味わいが魅力。美食家で知られる北大路魯山人が、「フグにまさる美食はない」と絶賛したことで有名です。フグ科に属する魚種はたいへん多いものの、食用とされる種類は限られています。

フグが産卵に向けて日本沿岸に近づく、11月から2月までの冬が旬。フグのなかでもっとも高級とされる天然トラフグは、とくに高価な魚として知られています。流通するトラフグの大半を占める養殖物は、一年中出荷されているので旬はありません。

フグの旬とおいしい食べ方

  1. 天然フグは晩秋から冬にかけてが旬。養殖物は一年中出荷されるため、とくに旬はない。
  2. フグは冬がもっともおいしい季節なので、ちり鍋にするのが定番。そのほかにフグ刺しや唐揚げなどがポピュラーな食べ方。

フグの種類別生産地ベスト3と出荷時期

フグの漁獲高を天然物と養殖物に分けて、1位から3位までのよく獲れる県やエリア、漁獲量、出荷時期を紹介。なお数字は令和4年5月公表の、農林水産省「令和3年漁業・養殖業生産統計」に基づいています。

天然フグの漁獲高上位県と収穫量など

さまざまな種類を含む天然フグの総水揚げ量は、2021年で6,200トンありました。そのなかの1位は北海道の2,000トン、シェアが約32%。2位は北海道日本海北区の1.500トンでシェアは約24%、3位は日本海西区の1.000トンでシェアは約16%です。

気温が下がり鍋料理が恋しくなる、11月下旬から本格的に出回りはじめます。(※1)

養殖フグの漁獲高上位県と収穫量など

2021年に生産された養殖フグは計2.900トンで、そのなかの1位は長崎県の1,100トン、シェアは約38%。2位は熊本県の500トンでシェアは約17%、3位には300トンでシェアが約10%強の大分県が続きます。

いまは上記の国産養殖フグより、安価な中国や韓国産の輸入フグの流通量が多いようです。そのため採算がとれず、国内の養殖業者が減少していて、生産高も年々減っているとのこと。

養殖されている魚種はほとんどがトラフグで、出荷時期は季節を問わず一年中です。(※1)

新鮮なフグを切り身で見分ける方法

フグは、肝や卵巣など毒のある部位を取り除き、3枚おろしや切り身にして、パック詰めで販売されることが大半です。そのため、切り身の状態を見て鮮度を判断します。

身の色が透明感のある白色で、指で身を押してみて弾力があるものが新鮮。フグの身は脂肪をほとんど含まないので、そんなに傷みやすい魚ではありません。それでも身の表面が乾いていたり、変色したりしているものは避けるほうが無難です。

フグ刺しの場合は、薄造りした身の表面がみずみずしいものを選んでください。皮の湯引きがついているときも、皮が乾燥していないかどうかよく見極めましょう。

おいしさを保つフグの上手な保存方法

さばきたての活けフグは、1~2日ほどならラップして冷蔵室で保存できます。とくに刺身にするための身は、熟成させるほうがやわらかくて旨味が増すので、料理店ではひと晩以上寝かせることが多いです。

身が重ならないようにラップし、密閉できる保存袋に入れると、冷凍室で2週間ほどなら長期保存可能。解凍するときは、袋ごとの氷水解凍がおすすめです。
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