
ライター : きく
ここ数年、海外を転々、旅暮らし中のフリーライター。 30代女性向けメディアを中心に活動中。
春の七草とは
人日の節句に食べる七草粥の材料
もともとは旧暦の1月7日(現在の2月頃)、人日(じんじつ)の節句に食べられていた「七草粥」。唐の時代に食べられた「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」と、万葉集でも詠まれた「若菜摘み」とが合わさってできた風習だと言われています。
七草粥を食べる理由については諸説ありますが、もともとは邪気払いや無病息災、五穀豊穣の祈りを捧げる意味がありました。最近では、お正月のおせち料理に疲れた胃を休めるために食べるという人もいます。
七草粥を食べる理由については諸説ありますが、もともとは邪気払いや無病息災、五穀豊穣の祈りを捧げる意味がありました。最近では、お正月のおせち料理に疲れた胃を休めるために食べるという人もいます。
春の七草の名前と特徴
芹(せり)
爽やかで独特な香りが食欲を刺激する「芹(せり)」。芹という和名は、芹の若葉が競り合うように生えていることからついた名前で、「競り勝つ」という意味が込められた縁起物なんです。
和食のアクセントとして欠かせない食材ですが、葉も茎も食べられるので、和え物やおひたしなど、メインの食材としてもおいしくいただくことができます。
和食のアクセントとして欠かせない食材ですが、葉も茎も食べられるので、和え物やおひたしなど、メインの食材としてもおいしくいただくことができます。
薺(なずな)
「ぺんぺん草」とも呼ばれる「薺(なずな)」。「撫でて汚れを払う」という意味があります。花の下の果物の部分が、三味線のバチのような形になっているのが印象的な、アブラナ科の植物です。
文字で記録を始める以前の時代に、ムギとともに日本に渡来したと考えられています。普段公園や道端で見かけていたぺんぺん草が、日本のハーブだなんて驚きですよね!
文字で記録を始める以前の時代に、ムギとともに日本に渡来したと考えられています。普段公園や道端で見かけていたぺんぺん草が、日本のハーブだなんて驚きですよね!
御形(ごぎょう)
別名「母子草(ははこぐさ)」と呼ばれるキク科の植物で、葉も茎も白い綿毛で覆われ、春には黄色の小花をたくさんつけます。現在はよもぎを使って作る草餅ですが、昔は「御形(ごぎょう)」を使って作られていました。七草粥以外にも、お茶にしたり、天ぷらにしていただくことができます。
繁縷(はこべら)
日本最古の本草書「本草和名」に出てくる波久部良(はくべら)が転じ、繁縷(はこべら)という名前がついたそうです。ハコベとも呼ばれるナデシコ科の植物で、「繁栄がはびこる」という意味があります。
七草粥以外にも、おひたしやゴマ和えとして味わえるほか、野原によく生えていることから鳥の餌としても食べられています。
七草粥以外にも、おひたしやゴマ和えとして味わえるほか、野原によく生えていることから鳥の餌としても食べられています。
仏の座(ほとけのざ)
「仏の座(ほとけのざ)」には2種類あって、道端に咲いている紫の花をつけたものは食用ではありません。食用の「仏の座」は、「コオニタビラコ」というキク科の植物です。
この名前は、放射線状に広がる葉の様子が仏様の座る台座に似ていることからつきました。まだ若い葉は、炒め物や天ぷら、佃煮としてもいただくことができます。
この名前は、放射線状に広がる葉の様子が仏様の座る台座に似ていることからつきました。まだ若い葉は、炒め物や天ぷら、佃煮としてもいただくことができます。
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