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気軽に立ち寄れる! 使い勝手バツグンのイタリアン『エンリコ』
2019年12月、東京・渋谷にオープンしたイタリアン『エンリコ(ENRICO)』は、まさしくそうした使い勝手のよさが魅力。
「ふらっと来て料理をつまみながら一杯飲む地元の方も多いですよ」と料理人の藤森賢吾さんが教えてくれたが、藤森さん自身、気軽に使ってもらえる店にしたかったという。
藤森さんの料理歴は約20年。念願かなって、神泉『オルランド』の姉妹店としてオープンした『エンリコ』では、旬の食材を使ったイタリアの郷土料理とナチュラルワインを提供している。
ふらりと立ち寄っておいしい料理とワインを楽しめる店があれば、がんばった日の自分へのご褒美も、気持ちのリセットも思いのまま。もちろん、大切な人との密なコミュニケーションにもうってつけだ。
ローストによって存分に甘みが引き出された下仁田ネギとアンチョビは抜群の相性
ローストすることによって甘みを引きだした下仁田ネギは、アンチョビソースの塩気と相性ばっちりだ。
アンチョビの風味とうまみをまとった下仁田ネギは、やはり白ワインとのマリアージュだろう。同店には、白・赤あわせておよそ30種類のワインがオンリストされているが、白は基本、単一のブドウで造っているものをチョイス。
旬の野菜の力強い味わいを堪能したいなら、今の時期は「下仁田ネギのロースト アンチョビソース」(写真下)はいかが?
店内の黒板には、「スッキリサクサク系」「香り豊かできれいな味」「ハーブ系の味」「瑞々しく、うま味のある味」といった、分かりやすい説明がしたためられているので、料理との相性を想像しながらオーダーするのも楽しい。
タコから染み出したうまみがお皿いっぱいに広がる煮込みメニュー
時間をかけて柔らかく仕上げたら、白インゲンとトマトを入れてひと煮立ち。「タコからしっかりとだしが出ているのでトマトはアクセント程度」との藤森さんの言葉通り、スープはあっさりしているのにうまみたっぷり。
驚くべきはタコの柔らかさ。十分に時間をかけて煮込んでいるため、ナイフは軽く当てただけですーっと切れる。こちらも白ワインとのマリアージュにぴったり。スッキリとした味わいの一杯と合わせると、海の幸の魅力が際立ちそう。
手作りサルシッチャの濃厚な味わいとサクッと軽い食感のクロストーネが好相性
冬に旬を迎える海鮮を使ったメニューも紹介しよう。ぎゅっと身が締まり、うまみが凝縮した真ダコが主役の「三陸真ダコの煮込み」(写真下)は、2時間ほどかけて煮込んだ真ダコから染み出した塩味が絶妙な一品だ。
「クロストーネ」とは、大きめのバケットのようなもの。サクッと軽い食感のこのクロストーネに腸詰めしていないサルシッチャをのせ、チーズやトマトと一緒に焼き上げた一品だ。
手作りのサルシッチャは食感がよく、濃厚なうまみ。甘みが感じられるやさしい味付けにチーズのまろやかさが加わり、ワインが止まらなくなること必至である。
続いては、「肉料理が得意」という藤森さんの本領が発揮された「クロストーネ・サルシッチャ」(写真下)。
スライスしたチーズがたっぷり! やさしい味のスパゲッティーニ
穏やかな酸味と甘みが特徴の“ダッテリーノ”という品種のトマトで作ったポモドーロに、専用ナイフを使ってカツオ節のように薄くスライスしたロディジャーノをふんだんにトッピングした一品だ。
〆のお楽しみは、パルミジャーノ・レッジャーノの源といわれる「ロディジャーノ」チーズをたっぷりとまとった「スパゲッティ ポモドーロ ロディジャーノチーズ添え」(写真下)。
塩分少なめのロディジャーノが余熱でソースとスパゲッティーニになじむと、クリーミーさも加わりやさしい味わいに。残業で疲れた夜に、心身を癒して元気を取り戻したいときにもぴったりだ。
料理人との程よい距離感があってこそ、居心地のよさは保たれる
料理人を志した当初は、フランス料理のシェフのクールな雰囲気に強い憧れを抱いていたという藤森さん。しかし修業を続けるうち、日常に取り入れやすく、日本人になじむイタリアンに魅了されていったという。
「レシピはイタリアンでも、日本の食材、日本の水で作るから日本人の舌に合うんですよね」。そう話す藤森さんの、相手に敬意を払いつつも媚びることのない佇まいも、この店を居心地よくしている大きな要素の一つ。
人間誰しも、ひとりそっと内省したい夜もあれば誰かに話を聞いてほしい夜もある。そんな些細な願いを叶えてくれるこの店があれば、きっとどんな夜でも、あしたからの英気を養えるに違いない。
【メニュー】
下仁田ネギのロースト アンチョビソース 1.500円
三陸真ダコの煮込み 1,800円
クロストーネ・サルシッチャ 1,500円
スパゲッティ ポモドーロ ロディジャーノチーズ添え 1,600円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
撮影:佐々木雅久
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