ライター : 大山 磨紗美

発酵食健康アドバイザー / 発酵文化人

カツオってどんな魚?

カツオは世界中の温暖な海域に生息しており、頭と尾の部分が細く腹の部分は太い紡錘形の回遊魚。背側は濃い藍色、腹側は銀色です。日本で獲れる魚の旬が1回なのに対しカツオの旬は年に2回、とても珍しい種類の魚といえます。

日本の太平洋沿岸に生息するカツオは、季節によって太平洋沿岸を回遊します。日本では通年入手できる魚ですが、北上と南下のタイミングで沿岸の漁港で水揚げされるため、旬は初夏と秋の2回なのです。

主な産地

カツオと言えば高知県のイメージがありますが、日本国内の水揚げ量トップ3は、以下の都県です。

1. 静岡県……81,042トン
2. 宮城県……31,291トン
3. 東京都……29,288トン


実は高知県は第4位で17,926トン、次いで宮崎県、三重県、新潟県が続きます。いずれにしても、太平洋沿岸で水揚げされていることがよくわかる結果ですね。(※1)

※1……参考文献の数値より、ソウダガツオを除いた漁獲量

世界一硬い発酵食「鰹節」

日本の食文化になくてはいけないのが鰹節。実は世界一硬い発酵食品なんです。

鰹節の生産量は年間で29,240トンにものぼります。(※2)市場に出回っている鰹節には、2種類あり「荒節」と「本枯節(ほんかれぶし)」が流通しています。荒節はゆでたカツオを燻製にしたもの、本枯節は荒節にコウジカビを増殖・熟成乾燥させる作業を何度か繰り返して完成したものです。

原材料ラベルをみると荒節には原材料「かつおのふし」と書かれており、本枯節は「かつおのかれぶし」と書かれています。

カツオの栄養素

カツオは、水揚げ時期によってカロリーが異なります。100gあたりのカロリーは、春穫りで114kcal、秋獲りでは165kcalです。秋に獲れるカツオはしっかりと餌を食べた個体が水揚げされるために、カロリーに違いが出るのです。

また、カツオは魚類のなかでも高タンパクな魚です。例えば可食部100gあたりのタンパク質の含有量を、春獲りのカツオと同じ時期に旬を迎えるマアジで比較してみると、カツオ25.8g、マアジ19.7gとなっています。(※3,4,5)

カツオの旬は2回

冒頭でも紹介しましたが、カツオは、3月頃に九州の南の方から餌の小魚を求めて、黒潮に沿って太平洋を三陸海岸沖まで北上。その後、今度は産卵に備えて九州方面に南下します。沿岸の漁港ではこの2つの時期にカツオが獲れるため、旬が2回あるのです。

初夏の「初ガツオ」

4月ごろから6月にかけて水揚げされるものを「初ガツオ」といいます。えさの小魚などを求めて北上の途中ですので、脂身が少なくさっぱりとした味が特徴です。魚肉も脂肪がつく前なので鮮やかな赤色をしており、締まっていて弾力のある食感です。
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