ライター : dressing

この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。

雷門のご近所に、日本の発酵文化を伝えるみそ汁専門店がオープン

浅草・雷門のすぐ近く、国内外からの観光客が多い雷門通りを1本入った路地裏に、モダンでスタイリッシュな佇まいの建物がある。 カフェかと思わずのぞいてみると、お椀を摸した『MISOJYU』のかわいらしいロゴマークと、店内に並ぶおにぎりが見える。
こちらは、書道家・武田双雲さんが率いるクリエイティブチーム「TEAM地球」が開店したみそ汁の専門店だ。 ブランドディレクションや料理開発は、写真家であり料理人でもあるエドワードヘイムスさん。
「TEAM地球」は、“地球の恵みに感謝し、オーガニック素材との出会いを通じて、楽しい食事の場をシェアしていく”をミッションとするプロジェクトを動かすチームだ。 プロジェクト第一弾として、オーガニックカフェギャラリー『CHIKYU』を2016年オープン。軌道に乗った後、武田さんとエドワードさんが目をつけたのは、日本の素晴らしい発酵食品だった。
日本にある様々な発酵食品の素晴らしさを再認識した彼らは、日本の食文化を世界へアピールするための大きな一歩となるのではと考えたのだ。 そんなとき、新たにチームに加わった佐々木威人さん(現在、経営元である『earth grace株式会社』の代表に就任)が持ってきたのは、「みそ汁専門店」というアイデア。この時点から実に3カ月弱で、開店までこぎつけた。
店舗の場所に選んだのは浅草。 東京の文化的かつ歴史的スポットであり、また外国人観光客が多いため、みそ汁のアピールをするのにふさわしいと考えた。
雷門のすぐ近くで、以前コーヒー店だった建物を即決で一棟契約。和室だった二階をそのテイストを損なわないようリノベーションをして、武田双雲さんの書に囲まれたモダンレトロな空間に仕上げた。

奥島根の秘境で作られる絶品味噌との出会い。食材の力を引き出すメニューを開発

次に、食材探しが始まった。もともと鵠沼(くげぬま)のカフェ『CHIKYU』で取り扱っているような有機野菜を使用することは決まっていたが、肝心な味噌については、日本各地の味噌を食べ歩いて“究極の味噌”にたどり着いたという。 「僕たちが見つけたのは、島根県で作られている『やさか味噌』でした。弥栄(やさか)は山合いの小さな町で、”奥島根の秘境”と呼ばれる場所。 ここの綺麗な水や厳しい寒さが、素晴らしい味噌を作り出します。なんと、やさか味噌の味噌蔵には自然の酵母が住みついており、それが、味噌を上手に発酵させてくれるんです。」とエドワードさん。
この味噌や野菜を使い、シンプルで飽きのこないみそ汁のほか、海外からのお客にも受け入れられやすいよう、海外のスープと日本のみそ汁とを合わせた「コラボみそ汁」も作り出した。 “主役として食べるみそ汁”は、どれも食べごたえ満点だ。

ダイナミックな食材を上手に包み込む味噌の偉大さ

大きな絹ごし豆腐が鎮座する「いつもと違ういつもの豆腐のおみそ汁」(写真上)は、味噌とだしのおいしさを十二分に味わえる一品。 鹿児島産あおさ海苔が味噌の風味を、豆腐に載った梅干しがなめらかな豆腐に凝縮された大豆の力を引き出し、なんとも充実感の漂う”豆腐のおみそ汁”。
分厚い角煮に目が釘付けになる、「ごろごろ野菜と角煮のすんごいとん汁」(写真上)。なんとこの角煮は、ドライフルーツや赤ワインで煮込まれており、豚肉の脂の甘さ、果実の香りと八角のアクセントがバランス良好。
中のゴボウやニンジンといった根菜類は、土のパワーを感じる力強さ。それらがすべて一つにまとまり、だしと味噌の懐の深さを感じさせる。
贅沢にホタテがトッピングされた「豆乳とホタテのとろーり みそポタージュ」(写真上)は、白味噌、豆乳、生クリームを使用しさらっと仕上げた軽いポタージュ風。魚介のうまみを吸った白菜が味わい深い。
ダイナミックにトマト丸ごとを使った「まるごとトマトとほろほろ牛スネの みそポトフ」(写真上)は、時間をかけトロトロに煮込まれた牛スネとトマトの相性がパーフェクト。 ポトフだがやはり味噌も効いており、それでいて全く違和感がないのが不思議だ。
みそ汁に合わせるおにぎりから、「しお」(写真上)。 こちら、表面にまぶしてあるのは“てん茶”の葉。これは中国の甜茶とは異なり、抹茶に挽く前の乾燥させた茶葉のこと。青海苔のような独特の香りがあり、クセになるおいしさだ。
他にも、「しゃけ」や「スパイシーツナ」など、数種のなかからおにぎりを選ぶことができる。 「TEAM地球」は現在、この『MISOJYU』で使用するためのオリジナル味噌を開発中とのこと。また、今後も浅草のお祭りやイベントに合わせたスペシャルなみそ汁も提供予定だ。
海外展開を見据えたこのプロジェクトだが、『MISOJYU』の発想の自由さに、日本人でも大きく驚かされる。 みそ汁は構成がシンプルだからこそ、食材の良さが際立つ料理。味噌のパワーや可能性を感じに、ぜひ浅草へ。 【メニュー】 みそ汁 ・REGULAR いつもと違ういつもの豆腐のおみそ汁 780円 森のいろいろきのこのおみそ汁 780円 ・SPECIAL ごろごろ野菜と角煮のすんごいとん汁 880円 豆乳とホタテのとろーり みそポタージュ 880円 まるごとトマトとほろほろ牛スネの みそポトフ 880円 ・MORNING 朝味噌汁 400円 他 おにぎり しお、うめ、しゃけ、玄米、スパイシーツナ他 220円 MISOJYU SET ・MISOJYUレギュラーセット 1,280円  (レギュラー味噌汁+おにぎり+煮卵ハーフ+お新香+サイドメニュー2品) ・MISOJYUスペシャルセット 1,380円  (スペシャル味噌汁+おにぎり+煮卵ハーフ+お新香+サイドメニュー2品)

MISOJYU(ミソジュウ)

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。
提供元:
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ