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ポーポーって知ってる?
ポーポーとは、温帯で生育する数少ないバンレイシ科の樹木のことで、果実は食用とされています。一般的にはポポーと呼ばれることが多いようですが、標準和名はポーポー。原産地はフロリダやテキサスなどアメリカ中南部で、高さ10m以上に育つものもあるのですよ。
日本では明治時代にはすでに入ってきていたようです。戦後になって、病害虫に強く、無農薬で栽培できるということで広く普及したとのこと。しかし、熟すのが早く収穫時期も限られているため市場にあまり出回らず、今では「幻の果物」とも言われているのですよ。
ポーポーは、春に腐肉臭のする紫色の花をつけ、秋になると黄緑色の薄い外果皮をもつ果実をつけます。果実の見た目は、アケビによく似た円筒形をしているのですよ。外観がアケビに似ていて、果肉や種の様子が柿に似ていることからアケビガキとも呼ばれることもあるそうです。
ポーポーは、9月から10月頃に旬をむかえます。果実は完熟すると木から自然に落下しますが、落下してすぐよりも落下から数日後、香りが強くなってきた頃が一番の食べごろなのですよ。
実は沖縄にも同じ料理がある!
沖縄には「ポーポー」と呼ばれる伝統的なお菓子があります。同じ呼び名でも果実のポーポーとは全く別物なのですよ。
小麦粉を水で溶いて薄く焼き、味噌などを入れてクルクル巻いた沖縄のポーポーは、いわば沖縄版クレープです。シンプルな甘みの生地に味噌のコクが絶妙にマッチし、クセになるおいしさですよ。小麦粉と甘味噌の素朴な味わいに、心がほっとなごみますね。
ちんすこうやサーターアンダーギーなど、沖縄には伝統的お菓子がたくさんありますが、もっとも万人受けするのはこのポーポーかもしれませんね。
ポーポーってどんな味がするの?
マンゴーのようなオレンジ色をした果肉は、南国フルーツ特有の濃厚でトロピカルな香りがします。この強い香りが苦手という方も多く見受けられるので、香りで好き嫌いがわかれるかもしれないですね。
香りは濃厚なものの、実際に食べてみるとべったりした甘さではなく、マンゴーとバナナとパイナップルを足して割ったような味をしています。とはいっても、やはり甘味が強く、酸味は甘さに隠れてほとんど感じられないほど。
食感も特徴的で「森のカスタードクリーム」との別名があるほど濃厚な歯触りをしています。アメリカでは「カスタード・アップル」と呼ばれているそうですよ。ねっとりしているようでシャリっとした感じを併せもつ柿に近い不思議な食感です。
香り、味わい、食感に特徴のあるポーポーは、シンプルにナイフで皮と実を切って食べるのが一番おすすめの食べ方ですよ。切り方はとっても簡単。薄皮をむくとオレンジ色のおいしそうな果肉が出てきます。あとは、キウイのように輪切りにすれば食べやすくなりますよ。硬い種があるので、種を避けるようにして包丁を入れるようにしましょう。果肉がやわらかいので、皮付きの実をスプーンですくって食べることもできますよ。
生で食べるほか、軽く冷凍してフルーツシャーベットとして食べるのもオススメです。最近では、町おこしの一貫としてポーポーを加工し名産品と販売している地域もあるのですよ。香りと味のよさから、ワインやソフトクリーム、ジェラート、ムース、プリンなどに利用されています。
ポーポーの育て方
ポーポーは収穫後の熟変が早いので、流通には不向きですが、病気や害虫に強く、ほとんど手をかけずに育てることができるので、はじめて果樹を育てたい方にはとってもおすすめなのですよ。ホームセンターやネットでも家庭向けの苗木が販売されており、品種もいろいろ。すぐにでも始めることができますね。
ポーポーの栽培のポイントは2本以上の株を育てることです。1株では受粉しにくく、実がつきづらくなってしまうのですよ。
種まきの適期は十分あたたかくなった5~7月ごろです。種まき用の土を育苗ポットに入れ、1粒ずつ種をまきましょう。土が乾かないように水やりを続けると、2~8週間ほどで発芽します。樹高が10~15cmほどになったら鉢や地面に苗を植え替えましょう。根の周りについた土は落とさないようにして、日当たりのよい場所に株同士の間隔を2~5mほど離して植えつけます。
地植えの場合は特に水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにしましょう。2~4月と8~10月に1回ずつ骨粉入り油かすなどの有機質肥料か、速効性の化成肥料を与えます。鉢植えの場合は、5~6月にも肥料を与えるようにしましょう。
葉っぱが落ちた12~1月には剪定をおこないます。伸びすぎた枝や混み合っている部分の枝を切り落とし、幹まで日の光が当たるようにします。花が開いて3~5日後、花色が濃い紫色に変化したら受粉のタイミングですよ。雄しべの花粉を綿棒や筆で採取し、もう一方の木の雌しべにつけましょう。
実が育ってきたら、摘果をおこないおいしい実を育てます。1箇所につき、2個ほど果実が残るように、若い実をもぎ取っていきましょう。実が熟したら木から自然に落下するので、その後涼しい場所で2~3日追熟し、香りが強くなったらおいしく食べることができますよ。
魅惑の果実にあなたもハマってしまうかも!?
いかがでしたか。
ポーポーを今までご存知なかった方も、興味がわいてきたのではないでしょうか。新しい果実との出会いってなんだかワクワクしますよね。そのままでももちろん、シャーベットやスムージーなど楽しみ方もいろいろなので、自分に合った食べ方を選べるのもうれしいポイント♪
自分で育てるとおいしさもひとしおです。ポーポーは初心者でも簡単に育てられるので、家庭菜園を始めたいなと思っている方にもおすすめですよ。ポーポーが家庭菜園にハマるきっかけになるかもしれないですね。
▼家庭菜園に挑戦したい方はここもチェック♪
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