ライター : uni0426

何でできてる?くずきりとは

きな粉と黒蜜をかけて甘味として食べるとおいしいくずきり。ツルツルとした食感は子供も大人も大好きですよね。くずきりとは一体何からできているか、どんな風にして作られるか知っていますか? くずきりと見た目がとても似ている、ところてんや寒天はくずきりとどう違うんでしょうね?さて、くずきりの正体とは?

くずきりの作り方

くずきりの原料

くずきりのは、くず粉からできています。くず粉は葛という植物の根を砕き、水で洗ってでんぷん質を沈殿させます。水とでんぷん質が別れたら、水を捨ててでんぷん質を乾燥させれば葛粉のできあがり。植物の根がくずきりの原料なのですね。

葛粉はくずきりのほか、水まんじゅうなどにも使われ、料理ではとろみをつける片栗粉と同じような役割としても使用されます。ごま豆腐を固めるのにも葛粉が使用されます。

くずきりの作り方は、葛粉を水に溶き型に流し、加熱して固めます。板状に固まったくずきりを細く切れば、ご存知くずきりのでき上がり。あのもちもち、ツルンとした食感は、でんぷん質の力だったのですね。

スーパーなどでは、水煮のものがパック入りで売られている場合と、乾燥で売られている場合があります。水煮のパックはこんにゃくなどが置いてある売り場に、乾燥の物は乾物コーナーに置かれていることが多いです。

京都で発祥した甘味

くずきりは、京都・祇園の「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」というお店が発祥のよう。300年ほど続く、老舗和菓子店です。戦後、食後のデザートとして近隣の料理店にお菓子を配達していましたが、それが評判を呼び鍵善良房のお店でもくずきりを提供するようになりました。

ツルンとした食感と上品な甘さが人気となり、現在までそのおいしさは老若男女から愛されています。今では京都の甘味屋さんなら大抵の場所では食べられ、夏の涼を感じる風物詩にもなっているくずきり。また、夏の進物としても非常に人気があります。

漆器に入ったくずきりに黒蜜をかけていただくのがオーソドックスな食べ方。細長い形状なので、まるで麺類かのようにツルッと口の中に入ります。コクのある黒蜜の風味や喉ごしの良さも魅力です。

近年は、フルーツ味や黒ごま味、京都らしい抹茶味など、新しい食べ方も増えていますね。

ところてん・寒天との違い

ところてんとは

ところてんは天草と呼ばれる海藻が原料です。天草を水で煮た汁を冷やし固め、「つき」と呼ばれる押し出し型に入れて突くと、細長い形状のところてんがにゅるっと出てくるところをテレビなどで見たこともあるのではないでしょうか?

くずきりと同じように黒蜜をかけて食べたり、三杯酢でさっぱりといただくほか、地方によっては鰹出汁をかけたりと、色んな味で楽しまれています。ツルツルっとした喉ごしと、歯切れの良い食感が特徴です。

寒天とは

寒天もところてんと同じく天草からできています。突く前のところてんを凍らせ、水分が抜けたものが寒天です。棒寒天を水で煮てから濾し、型に流し入れて冷やし固めます。包丁で適当な大きさに切れば、寒天のできあがり。

あんみつなどに入れたり、牛乳寒天やフルーツ寒天など、混ぜる液体や具材によってバリエーションは豊富です。また、寒天そのものは0カロリー。それなのに腹持ちがいいので、ダイエット中のおやつにもピッタリです。
▼そういえば、心太の漢字って不思議じゃない?

春雨やマロニーとも違う?

春雨とは

春雨は緑豆のでんぷんが原料。緑豆春雨のほか、ジャガイモやサツマイモのでんぷんから作られるものもあります。乾燥状態で売られていて、お湯に浸したりゆでたりして使います。緑豆春雨は中国原産で、炒め物やスープなどに入れて食べられます。くずきりに比べてプツンとした歯ごたえが特徴。スープに長時間入れていたりすると伸びて切れやすくなります。

日本の春雨はジャガイモが原料。サツマイモでんぷんから作られるものは韓国春雨とも言われ、チャプチェに使われます。この2種類は、緑豆春雨に比べるとモチッとした食感で溶けにくいのが特徴です。
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