甘いパン「ヴィエノワズリー」のひとつ

ちなみにプロバンス地方では、キリストが世に認められたことをお祝いする「公現祭」にブリオッシュ・デ・ロワ(ガトー・デ・ロワ)というお菓子があります。ブリオッシュ・デ・ロワとは、ブリオッシュ生地を大冠型にし、その上に砂糖漬けの果実を飾り付けたお菓子のことをいいます。ひと口にブリオッシュと言っても、形や大きさもさまざまです。本場フランスのブリオッシュはお菓子やケーキと言った位置づけなんですね。 また本場フランスでのブリオッシュは「ヴィエノワズリー」の一つでもあります。イーストを発酵させたパン生地や、ペストリー生地に様々な具材をのせた菓子パンの総称を「ヴィエノワズリー」と呼び、日本のパン屋さんでもよく目にするクロワッサンやデニッシュ、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザンがそれに該当します。

クロワッサンとの違いは?

ブリオッシュ、クロワッサン、デニッシュ。この3つのパンはいづれも「ヴィエノワズリー」と呼ばれる菓子パンの一種ですが、実は材料も発祥地も異なります。 その違いについて、ご紹介したいと思います。

クロワッサンとは

日本でもなじみのあるクロワッサンは、フランス発祥の三日月の形のパン。パン生地にバターを折り込み、何重にも重ねられた層が、オーブンで焼くことでクロワッサンの独特のサクサクとした食感を生み出しています。バターの香りがふんわりとかおり、ほんのり甘いのが特徴です。 ブリオッシュとの違いは作る工程です。しっかりとミキシングをし、発酵にも時間をかけて作るブリオッシュに対して、クロワッサンは生地をしっかりと冷やしながら低速でミキシングします。グルテンが繋がっていないところでミキシングを止めることで、クロワッサン独特のサクサク食感に仕上がるのが特徴です。 同じ菓子パンの部類であるブリオッシュとデニッシュですが作り方は、まったく対照的なのです。

デニッシュとも違う?

デンマークやその周辺のスカンジナビア半島が発祥のデニッシュ。デニッシュとは「デンマークの」という言葉から由来しています。世界各国で親しまれている菓子パンで「デニッシュ・ペストリー」という呼び方をされることもあります。 作り方はクロワッサンとよく似ていて、薄くのばしたパン生地にバターを塗り何重に重ねるサクサクの食感のパンです。 ただしクロワッサンのように三日月型ではなく、チョコをデニッシュ生地で巻いて焼き上げたパン・オ・ショコラや、ピザカッターなどで切り込みを入れて形成し、焼いてフルーツをのせたフルーツ・デニッシュなどが代表的なデニッシュです。
▼あれ……そういえば食パンってなんだっけ?

ちなみに……サバランとは

ブリオッシュの頭の部分をカットし、紅茶とグラニュー糖で作ったシロップをブリオッシュにしみ込ませたお菓子がサバランです。 冷蔵庫で一度冷やしてから、表面にあんずジャムや、ラム酒、キルシュなどをかけ、生クリームや果物を飾りつけます。日本では、ケーキ屋さんで売られていることが多いですね。 ほかにも、大きめのドーナッツ状に焼き上げたブリオッシュにシロップを染み込ませ、あんずジャムを塗ります。果物やハーブを砂糖で漬けたマラスキーノ・チェリー、アンゼリカや、イチゴやラズベリーで飾った形状のものもあります。

ブリオッシュの作り方

フランスのパンのひとつであるかわいらしいコロンとしただるま型に仕上のブリオッシュ。バターたっぷりで、口溶けの良いところが特徴ですよ。 紅茶の葉を入れるとさらに芳醇な香りに仕上がりますのでお好みでアレンジしてみてくださいね。紅茶、コーヒーどちらにもピッタリ合いますので、朝食やおやつにおすすめです。
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