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アブラボウズの刺身っておいしいの?
皆さんは「アブラボウズ」って知っていますか?初めて聞いた方は『アブラ…?ボウズ……?何のことだろう?』と、食べ物とは結びつかないかも。アブラボウズは魚の名前で、しかも、刺身にするとおいしいと言われているのですよ。
何とも不思議で、珍しい名前のアブラボウズ、一体どんな魚なのでしょうか?おいしいと言われているけれど、どんな味?気になると放ってはおけません。そのいわれから食べ方まで、詳しく調べてみました。
そもそもアブラボウズって?
「アブラボウズ」は、市場でもなかなかお目にかかれないという、実は高級魚です。 漢字で書くと「油坊主」「脂坊主」。名前のいわれは、字のごとく多くの油(脂)を含んでいることから来ています。
生息域は、和歌山県から三重県にかかる熊野灘から、北の太平洋側、オホーツク海、オホーツク海東部、カムチャツカ半島東岸、アリューシャン列島、アラスカ湾〜モントレー湾、天皇海山、やや深場の岩礁域になります。
全長は、最大で1.8メートル、体重も100キロ近くある最大級の深海魚。日本では伊豆大島の深海で獲れるギンダラの仲間だそう。水深約1000mの場所にも生息するとされ、海の深い場所に生きるために体の約40%が脂肪分であると言われています。
アブラボウズの味
では、「アブラボウズ」はどのような味なのでしょうか?脂の多い魚の「アブラボウズ」。名前からはおいしいと感じるのはなかなかできないのではないでしょうか?しかし、食べた人からは身はふっくらとしていてとろけるような味わいで、煮付けにしたアブラボウズは多く含んだ脂によって濃厚で甘い味わいがするそうです。
小田原港には昔からアブラボウズは水揚げされ、近くの魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーで切り身、味噌漬け、刺身などで売られているそう。大晦日、正月の膳に、アブラボウズの煮つけを食べるご家庭も多いみたいですよ。濃厚でおいしい高級魚、普段よりもよい料理が出る時に食べられるおいしいものだったんですね。
高級魚クエとの違い
さて、同じ深海魚の仲間で超高級魚のクエはご存知ですか?クエは、アブラボウズと見た目が似ています。そのため過去には、クエの代用としてアブラボウズが使われたこともあるのだそう。アブラボウズの3倍から7倍ほどの価格で取引されるクエ。見た目が似ているため偽装事件もあったんですね。
しかし、クエの味はアブラボウズに比べて淡白で上品な味わいの白身魚です。アブラボウズは脂がいっぱいなので代用してもすぐにわかりそうなものですが、きっとおいしいからそのまま食べた人も、いるのかもしれませんね……。
刺身がおいしい!? アブラボウズ
白身魚のトロと言われる
アブラボウズは刺身でも食べることができ「白身のトロ」と呼ばれるほどで、多くの脂分が感じられます。舌触りはトロリとしていますが、繊維質がしっかりあるので、マグロのトロと言うよりもブリのカマトロの部分の食感に近いようです。
脂がこってりとしていてもおいしい甘みがあるため、ペロッと一気に食べてしまう人も。特に、秋から冬のアブラボウズは、特に脂がのっていておいしいといいます。ギンダラにも近い味なのだとか。
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