ライター : ☆ゴン

ニッキとシナモンの違いはなんだろう?

料理に香りや風味をつけたり、旨みを引き出したりするのに使う、いろんな種類のスパイス。絶対に必要というわけではないものの、加えるとおいしさがアップする調味料でもあります。なかでもケーキやアイス、紅茶などに使われるシナモンは、甘くてスパイシーな香りで女性を中心に人気です。

シナモンは、独特の香りですぐにわかりますが、京銘菓の八つ橋の香りと風味はなんだと思いますか?そう、ニッキなのです。ニッキとシナモン、香りのそっくりなこのふたつのスパイスは、なにがどう違うのでしょうか。この記事では、そんなニッキとシナモンの違いについて検証します。

そもそもニッキとは?

ニッキは、肉桂や桂皮と呼ばれるクスノキ科の常緑樹を原料とします。肉桂や桂皮の木といえば、外国ではシナモンの木のこと。するとニッキとシナモンは同じかというと、そうではありません。ことはそう単純ではないのです。

八つ橋にはニッキ

ニッキを使う食べ物といえば、京都の八つ橋がとくに有名。いまでこそチョコや栗、桃、桜などのいろんな風味がありますが、本来はニッキ味が定番中の定番でした。そのため八つ橋というと、ニッキの風味を思い浮かべる人が多く、現在でも代表的なフレーバーだとされます。

ニッキとシナモンなにが違う?

食べ物の種類によっては、使われているのがシナモンなのか、ニッキなのかわからないことが多いはず。しかし、じつははっきりと異なる点があるのです。その違いを順番に見ていきましょう。

原材料や原産地の違い(スリランカ、日本)

まずは、原産地と原材料の違いから解説。肉桂と呼ばれるシナモンの木には、いろんな品種があります。シナモンスパイスに使われるのは、おもにスリランカ産のセイロン肉桂と、中国やインドシナ産のシナ肉桂。シナ肉桂はカシアとも呼ばれています。

これらの肉桂の樹皮を乾燥させて、作られるスパイスがシナモンです。日本で古くから使われてきたニッキは、近縁種の日本産肉桂の根から作るのが、大きく異なるところ。

日本産肉桂の歴史は古く、奈良時代に日本に伝わり、栽培されるようになったのは江戸時代だとされます。いまでも生産量が少なく希少な樹木。そのためニッキの価格はシナモンよりも高価です。

香りと風味

原産地と原料の違いについて説明しましたが、じつは香りや風味も微妙に異なります。実際に食べ比べてみたり、香りをかいだりしても、なかなかその違いはわからないかもしれません。

一般的には、ニッキよりもシナモンのほうが、香りが甘いという意見が多いです。シナモンティーを飲んだときや、シナモンロールを食べたときの、あの濃厚で甘い香り。これは、セイロン肉桂しか含まれていないオイゲールという成分によるもので、防腐効果もあるのだそうです。

シナモンは世界最古のスパイスとして知られており、紀元前3000年ごろの古代エジプト時代にはすでにあったのだとか。当時はミイラの防腐剤として使用し、正式な儀式の場でも使われていたとされます。
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