へぎそば

新潟県の名物である「へぎそば」。四角い形の「へぎ」という器に盛り付けることから、へぎそばと呼ばれるようになりました。また、そばを一口ほどの大きさに丸めるという特徴があります。
また味も一風変わっています。つなぎには小麦粉ではなく布海苔を使い、かすかに磯の香りが感じられるしょう。そばは一般的にはわさびで食べる場合が多いですが、へぎそばはからしを使うのが定番。その昔、新潟県ではわさびが簡単に手に入らなかったため、代わりにからしを使ったのが由来だと言われています。

韃靼(だったん)そば

食用とされるそばには2種類あります。今までご紹介したのは、「甘そば」といわれるそばの粉を使ったものです。もうひとつの種類は「韃靼(だったん)そば」で、その苦味から「苦そば」ともいわれています。
この韃靼そばは主に中国の雲南省や四川省、チベット自治区などで食べられています。「ルチン」というポリフェノールの一種が豊富に含まれていて、中国では古くから漢方薬としても使われていたそうです。近年では日本のテレビでも取り上げられ、ますます注目を集めています。

二八(にはち)そば

二八そばの「二八」とはそば粉とつなぎの割合です。そば粉が8に対してつなぎ(小麦粉)2の割合で含まれる二八そばは、最もメジャーなそばといえます。十割そばと比べて、提供しているお店も多いんですよ。
そばの風味を保ちつつ、つなぎが入ることでツルツルと食べられる二八そばは味わいと食感のバランス抜群です。また作る側としては、つなぎが約2割入ることでそばが打ちやすくなるといいます。

藪系・更科系・砂場系

そばは「藪系・更科系・砂場系」に分類されると聞いたことはありますか?これらはこれまで紹介してきたように材料ではなく、そば屋の系統による分け方です。蕎麦御三家といわれる三つのお店は、それぞれ特徴があります。

藪系

「薮そば」の歴史は比較的新しく、江戸末期から明治初期といわれています。当時の根津にあったそば屋「蔦屋」の周囲に薮が多いことから名づけられました。
特徴は、なんといっても塩辛いつゆにあります。そばの端に少しつけるだけで十分においしくいただけます。そのため、そば本来の味わいとつゆのおいしさの両方が味わえるでしょう。

更科系

200年を超える歴史がある「更科そば」。3つのなかでは知名度もありますが、広まったのは明治時代に入ってからだといいます。
色白美人の更科そばは、見た目通り上品でやさしい甘みがあります。薮そばに比べつゆの塩辛さは抑えられてあり、浸してもおいしく食べられます。
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