サイコロステーキがステーキじゃない!?「成型肉」の知られざる現状

成型肉という言葉を聞いたことがありますか?文字通り”成型”した”お肉のことですが、実はみなさんも知らないうちに口にしているかもしれないんです。そこで今回は、成型肉の知られざる現状や見分け方をご紹介します。

みんな知ってる?成型肉

お肉が好きなひとならば、絶対に外せないメニューがステーキですね。なかでも手軽に食べられることで、人気があるのが”サイコロステーキ”です。比較的安価でスーパーなどでも手に入ることから、お弁当のおかずとしても人気があります。ところが、このサイコロステーキ、普通の牛肉をカットしたものではなく、成型肉だということをご存じですか?
“成型肉”とは聞きなれないことばですが、実は、外食チェーン店などの焼肉バイキングや格安ステーキなどで口にする機会は多い食品なのです。
スーパーの精肉コーナーで、ステーキ用の牛肉を買おうとすると100gあたりどんなに安くても150円は下回りません。これは輸入牛肉、しかも安価な肩ロースの相場なので、サーロインなどの部位になると輸入肉でもこの3~5倍くらいが相場です。しかし、お得なランチなどでステーキ定食を1000円以下で食べることができるお店もあります。不思議に思ったことはありませんか?

成型肉とは?

この価格のからくりは成型肉にあるのです。成型肉とはその名の通り、”成型”した”お肉”です。そのままでは商品価値がないとされる、骨の周りから削り取った端肉や内臓肉を軟化剤で柔らかくし、さらに結着剤で固めて形を作ったお肉のことです。サイコロステーキのように、端肉などを結着剤で固めたお肉を成型肉のなかでもとくに”結着肉”といいます。

インジェクション加工

また、成型肉には”インジェクション加工”と呼ばれる技術で作り出される霜降り牛なども含まれます。インジェクション加工とは、赤身のお肉に大量の脂を注入することで、柔らかい霜降り肉を作り出す加工技術のことを指します。固い赤身のお肉に、注射針がたくさんついた巨大な機械で牛脂などを注入することで、焼いても縮まず、柔らかい人口霜降り肉を作り出すことができるのです。
さらに”やわらか加工”を施したお肉もまた、成型肉に含まれます。やわらか加工とは、お肉の筋や繊維を細かく切断し、酵素などを加えて食感を柔らかく仕立てたものをいいます。焼肉のハラミなどによく利用されているそうです。

お肉を身近なものにするため?

そもそも成型肉がこれほどまでに流通するようになったのには、牛肉の流通不足を補うという意味がありました。約40年まえに、高級食材である牛肉をもっと庶民にも手の届く存在にしたい、という意図から技術開発がなされるようになったのです。加工技術の進化はめざましく、近年では牛肉のみならず、豚肉や鶏肉にも用いられています。また、市場規模も拡大し、流通している加工肉の約3%が成型肉だということです。

サイコロステーキはすべて成型肉?

サイコロステーキのすべてが成型肉か?というとそうではありません。なかには普通の牛肉をサイコロ型にカットしてものを提供しているお店もあります。しかし、そのような商品は手が出しやすい値段とは言い難いのです。
また、現在では霜降り肉などにも加工技術が使用されているため、サイコロステーキのみならず焼肉や分厚いステーキにも成型肉が使用されているケースがあります。さらに、牛肉だけでなく、とんかつやチキンナゲット、唐揚げなどにも成型肉が使用されており、サイコロ肉だから成型肉、とはいえないのが実情です。

日本人好みの肉作り

成型肉は日本人の食べ物の好みを優先させた結果、生み出された食肉とも言われています。日本人はやわらかくてジューシーな食品を好む傾向があります。おいしいものを表現するときにも、くちどけを重視した表現をしますね。成型肉は小間切れの肉を使い、固い肉塊に無数の穴を開けます。そのため、日本人好みの嗜好を再現するのにぴったりだったのです。
自分の今、食べているお肉が成型肉なのか、そうでないのか、調べる方法はあるのでしょうか?成型肉は見た目にも普通のお肉と遜色がないと言われています。食肉加工業界では、ある程度オーダー通りの柔らかさ、大きさ、見た目に加工することが可能だ、といわれているそうです。

成型肉の見分け方

実際に自分が食べているお肉が成型肉なのかそうではないのか、見分ける方法は意外に簡単です。調理されたお肉をカットして、その断面を観察してみましょう。お肉には繊維がありますね。皆さんもステーキやとんかつの下処理で、”筋切り”をしたことがあるのではないでしょうか。

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