ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

「据え膳食わぬは男の恥」の意味は?

※画像はイメージです

「据え膳食わぬは男の恥」とは、女性から言い寄ってくるのを受けないのは男性の恥である、という意味のことわざ。「据え膳」にはすぐに食べられるように用意された食事や、物事の準備を整えて待つという意味があるため、ここから転じて生まれたとされています。

「据え膳食わぬは男の恥」の由来

「据え膳食わぬは男の恥」ということわざは、人形浄瑠璃や歌舞伎狂言の『夏祭浪花鑑(なつまつり なにわ かがみ)』が由来という説があります。

夏祭浪花鑑は、魚屋の団七という男が、恩人の息子を助けるためにまわりの人たちと協力していくが、誤って育ての親を殺してしまい牢獄に入れられてしまうという話。

この物語の一節に、「据え膳と河豚(ふぐ)汁を食わぬは男の内ではない」という台詞があります。積極的な女性の誘いだけでなく、毒にもおびえてふぐを食べない男は意気地がない、というニュアンスが込められているとされています。

現代よりも、より「男らしさ」「女らしさ」が重要視された時代だからこそ生まれた言葉かもしれませんね。

海外にも似たような意味のことわざはある?

英語にすると……

「据え膳食わぬは男の恥」は日本独自の感覚ともいわれているため、ぴったりと当てはまる英語はないようです。しいていえば、「A gentleman must not embarras a lady(女性に恥をかかせるべきではない)」が近いニュアンスかもしれませんね。

英語のことわざで似たようなものも

似たような英語のことわざに「It is time to set in when the oven comes to the dough」というものがあります。直訳すると「かまどのほうがパン生地のところへやってきたら、パン生地をかまどへ入れてやるべきだ」というもので、意味は「据え膳食わぬは男の恥」とほぼ同じです。

「据え膳食わぬは男の恥」に似たことわざ

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