価格

山芋(自然薯)と長芋の価格には大きな差があります。 同じ重さで比較すると、山芋の値段は長芋の4倍から5倍ほど。天然物の自然薯は自生している場所を探すのが大変ですし、芋を傷つけず周囲の土を掘り出すのに技術と手間がかかります。 近年は栽培方法が改良されて、畑で効率よく栽培することができるようになってきましたが、大規模に栽培される長芋とは違います。今後徐々にですが、値段の差は縮まっていくものと期待されます。

ほかにも似ている「芋」がいろいろ!

自然薯(じねんじょ)

本州、四国、九州の山野に自生します。収穫までに3〜4年ほどかかり、長さも60cm~1mほど伸びますが、自然の野山ですから、土壌の栄養分にバラツキがあり、土も固いところや柔らかいところがありますので、真っ直ぐに育たず収穫に手間がかかります。さらに、たくさん収穫できないので、流通量も少なくなってしまいます。 クネクネした形状と色から「山うなぎ」といわれますが、滋養強壮にも効果があることが、古くから判っていました。そのため、食用だけでなく薬用としても珍重されていたようです。

里芋

里芋は生物学上はサトイモ科サトイモ属サトイモに分類され、山芋類とは別種の植物です。国内生産量は千葉県と宮崎県が1位を競っており、埼玉県、鹿児島県が続きます。インドシナ半島が原産で高温を好みますから、北海道や東北は栽培に向かないといわれています。 里芋は中心に親芋ができ、そのまわりに子芋、さらに孫芋、ひ孫芋と、ひとつの種芋からたくさんの芋ができます。販売されている芋は主に子芋と孫芋です。ふっくらと丸みがあって濃い茶色の年輪状の模様があり、薄く毛がはえたような外見をしています。 代表的な料理は煮っ転がしや山形の芋煮のような煮物です。若干の土臭さが残るかもしれませんが、その風味、歯ざわりとわずかなヌメリが特長です。

ほかにも種類いろいろ!

山芋とよばれる芋にはほかにも、栽培が難しい銀杏芋やつくね芋があります。銀杏芋は銀杏の葉のように扁平で扇形に広がった芋で、主に関東地方で栽培されます。関西では握りこぶしのような形でゴツゴツした丸いつくね芋が栽培されています。 どちらも長芋に近い外来種に分類されますが、自然薯と同様に粘り気が強くとろろに最適です。また、お好み焼きやつくねなどのつなぎとして使われています。

違いを理解して賢く使い分けよう!

山芋と長芋それぞれに特徴や、おすすめの食べ方が違うとわかっていただけたのではないかと思います。今後はぜひそれぞれの芋の特性を考えながら調理して、その風味をより深く楽しんでくださいね!
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