ライター : 堀田 らいむ

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日本初の白桃「水蜜桃(すいみつとう)」とは?

日本の夏に欠かせない果物ともいえる、桃。桃にはいろいろな種類や呼び方がありますが、そのひとつが「水蜜桃(すいみつとう)」です。

水蜜桃は、特定の品種を指すものではなく、白桃全般を意味するのが一般的です。とろけるようなやわらかさと蜜を思わせるみずみずしさが特徴。数ある桃のなかでも歴史があるんですよ。まずは、日本に水蜜桃が伝わった歴史から振り返ってみましょう。

「水蜜桃」の原産と歴史

桃の原産地は、黄河上流の高山地帯とされています。日本では縄文時代の遺跡から種が発掘され、古くから食用とされていたことがわかっています。ただし、当時の桃はあまり甘くなく、小ぶりだったと考えられていて、今のように甘く大きな桃が伝来したのは明治時代初期という説が有力。

中国から伝来した「上海水蜜桃」や「天津水蜜桃」は、味も見た目も良いことからこれらを元に日本で品種改良が盛んになったといわれています。

白桃種の原種

明治時代に中国から伝来した水蜜桃は、その後日本で品種改良が重ねられました。より甘く、やわらかな果肉になるよう改良が続けられ、さまざまな品種の白桃が誕生しました。

現在日本で流通している白桃の多くが、水蜜桃系の桃を原種としているんですよ。なかにはブランド化されて高級ギフトとして販売されているものもあります。

「水蜜桃」の産地と旬の時期

前述の通り水蜜桃は白桃全般を指すため、産地や旬の時期はそれぞれの品種によって異なります。日本を代表する白桃「白鳳(はくほう)」は、山梨県や岡山県、和歌山県が主な産地で旬は8月上旬。やわらかな果肉が特徴の「清水白桃(しみずはくとう)」は8月中旬から下旬にかけて、主に岡山県や和歌山県で収穫されます。

「水蜜桃」の呼び名にはいろいろな意味がある

みずみずしく甘みの強い水蜜桃。夏に旬を迎えますが、俳句では桃の実を秋の季語としているんですよ。ここでは、水蜜桃の呼び名にこめられたさまざまな意味を解説します。

高級な白桃を意味する「水蜜桃」

店舗や農園によっては、白桃を「水蜜桃」と呼ぶことがあります。特に品種の決まりはなく、白鳳や川中島白桃などさまざま。蜜がしたたるほどみずみずしい、という漢字のイメージから、高級桃の名称として用いられることもありますよ。
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