ライター : 堀田 らいむ

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「卓袱(しっぽく)料理」って何だろう?

日本ではもともと、膳にひとりずつ食事が用意されるスタイルが一般的でした。卓袱(しっぽく)料理は、テーブルの上に運ばれてくる主に大皿に盛られたコース料理を囲んで自由に食べるという、洋式スタイルが取り入れられた食事方法です。当時の日本においては、とても珍しい食事方法だったんだそう。 卓袱料理の起源は、はっきりとはしていません。1689年に鎖国政策によって居住区を整備されるまでは、中国人と日本人は互いに招きあって食事をするなどして、盛んに交流が行われていました。 また、ポルトガルやオランダとも貿易を通じて食材や料理の影響を受けていたため、異文化の交流が盛んだった長崎ならではの食文化として卓袱料理は、徐々に世の中に浸透していきました。

卓袱(しっぽく)料理の意味とは?

読み方が難しい「卓袱(しっぽく)料理」。はっきりとした語源は不明ですが、一説による中国後で「卓」はテーブル、「袱」はクロスを意味することから、呼び名が付いたとも言われているようです。 大正時代頃から、家庭で一般的に使われていた”ちゃぶ台”の語源は卓袱台とも言われ、日本中に広まりを見せる食事スタイルのきっかけとなりました。

卓袱料理の作法と内容を知ろう!

現在では、料亭や割烹などのお店で卓袱(しっぽく)料理を食べるのが主流となっています。結婚式や冠婚葬祭など、特別な日に食べる料理として定着しているようです。 卓袱料理は洋文化のコース料理風に提供され、食事作法としては順に食べていくのがルール。ビジュアルや味付けなど、お店ごとの違った特徴や雰囲気を楽しめるのも人気のひとつなようです。それでは、ポピュラーな卓袱料理の内容を順にご紹介していきますね。

1. お鰭(おひれ)

食前酒をいただいたあとに鯛の身と鰭が入った吸い物が配られ、女将の「お鰭をどうぞ」の言葉で食事が始まります。

2.小菜

刺し身や十六寸豆(黒豆)、海里山の盛り合わせ、アラの湯引き、甘鯛の長崎天ぷらなどが盛り付けられた皿が、テーブルに運ばれます。ひとりずつ直箸で取り分けていただきます。

3.中鉢

豚の角煮や、ハトシと呼ばれるパンにエビのすり身などを挟んで揚げものがテーブルを彩ります。白米や吸い物、香の物などが出てくるお店もあるようです。
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