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房総の小江戸。千葉県の大多喜がいま、きている…!
千葉県のほぼ中央に位置する、大多喜町。里山の風景が広がるこの町は、かつて徳川四天王のひとり・本多忠勝が治めた城下町として栄え、「房総の小江戸」とも呼ばれてきました。
実は筆者にとって、この土地は少し特別な場所。親戚が住んでおり、幼い頃から何度も訪れてきた、第二のふるさとのような存在です。
実は筆者にとって、この土地は少し特別な場所。親戚が住んでおり、幼い頃から何度も訪れてきた、第二のふるさとのような存在です。
macaroni 編集部
倉持
編集部きっての食いしん坊。生まれも育ちも千葉の生粋の県民で、派手さはないけれど、各地にちゃんとおいしいものがあって、“ちょうどいい” ところが気に入っている。
そんな大多喜を久しぶりに訪れて、はっきりと感じたことがあります——この町、確実に変わってきている。
その変化の兆しとなったのが、無印良品が手がける滞在拠点「MUJI BASE OIKAWA」や、新たに誕生した宿泊施設、グランピングの存在。最近では、地域の植物資源に触れられる「大多喜有用植物苑」がオープンし、土地の魅力をより深く体験できる場が整ってきました。
その変化の兆しとなったのが、無印良品が手がける滞在拠点「MUJI BASE OIKAWA」や、新たに誕生した宿泊施設、グランピングの存在。最近では、地域の植物資源に触れられる「大多喜有用植物苑」がオープンし、土地の魅力をより深く体験できる場が整ってきました。
そして、アートと自然が融合した話題のスポット『チームラボ 養老渓谷』の登場へ。渓谷の自然が自然のままアート作品となっており、これまでとは違うかたちで人を呼び込んでいます。
自然との距離の近さはそのままに、体験の幅はぐっと豊かに。かつての静かな里山の魅力に、いまの感性にフィットする新しい要素が重なり始めています。
自然との距離の近さはそのままに、体験の幅はぐっと豊かに。かつての静かな里山の魅力に、いまの感性にフィットする新しい要素が重なり始めています。
東京駅からバスで約90分。大多喜を訪れたらしたいこと
大多喜へは東京駅からバスで約90分。都心の近さが嘘のように、豊かな自然が広がる場所です。
温泉に浸かり、土地の味を楽しみ、町を歩く。いまの大多喜の魅力に触れられる、訪れたらしたいこと・立ち寄りたいスポットをご紹介します。
温泉に浸かり、土地の味を楽しみ、町を歩く。いまの大多喜の魅力に触れられる、訪れたらしたいこと・立ち寄りたいスポットをご紹介します。
1. 江戸情緒が残る城下町を歩く
大多喜の城下町を散策へ。人数がそろえば、城下町案内人による散策ツアーに参加するのもおすすめです。
古い商家や旅籠が残る通りには、どこか時間がゆっくり流れているような空気が漂います。国の重要文化財に指定されている「渡辺家住宅」や江戸時代から続く酒蔵を巡るうちに、この町が長い歴史を持つ城下町であることを実感できます。
古い商家や旅籠が残る通りには、どこか時間がゆっくり流れているような空気が漂います。国の重要文化財に指定されている「渡辺家住宅」や江戸時代から続く酒蔵を巡るうちに、この町が長い歴史を持つ城下町であることを実感できます。
小さいころは気づきませんでしたが、こうして歴史的な町並みが残っているのは貴重なこと。観光地として整備されながらも、どこか生活の気配が残っているのが大多喜らしいところです。
城下町通りの一軒に目をやると、「丁髷屋(ちょんまげや)」の文字がふと目に留まります。いまは別の店舗でありながらも、当時の面影をそっと残しているのが印象的。
2. 城下町に誕生した新スポット「小江戸とりっぷ館」
2025年にオープンした観光拠点「小江戸とりっぷ館」では、伝統工芸を体験できます。江戸時代の商家を改装した施設で、館内では町の歴史を紹介する展示や、竹灯籠づくり、ちぎり絵などの体験プランが用意されています。
伝統工芸を手軽に体験
体験プランの料金は800円〜1,500円と手頃で、気軽に参加できます。短時間で楽しめる内容が多く、町歩きの合間に取り入れやすいのもうれしいポイント。
ちりめん生地で花のモチーフをかたどる体験も。やわらかな風合いと色合いに触れながら、手のひらサイズの愛らしい作品が完成します。旅の記念として持ち帰れます。
地元の和菓子やお茶を提供する「きんぎょ茶や」
館内に併設された「きんぎょ茶や」では、地元の和菓子やお茶が楽しめます。町歩きの途中にふらりと立ち寄り、ほっとひと息つくのにちょうどいい場所。
地域の食材を使って、地元のお母さんが手作りしたお菓子、「豊乃鶴酒造」の日本酒、「久保田園」のお茶、「大多喜麦酒」のクラフトビールなど、この土地ならではの味わいがそろいます。
地域の食材を使って、地元のお母さんが手作りしたお菓子、「豊乃鶴酒造」の日本酒、「久保田園」のお茶、「大多喜麦酒」のクラフトビールなど、この土地ならではの味わいがそろいます。
3. 大多喜の歴史を感じる「夷隅神社」
城下町の散策の途中で、夷隅神社へ。須佐之男命を祀るこの神社は、長い歴史を重ねながら、歴代の大多喜城主にも篤く崇敬されてきました。
現在の社殿は江戸時代末期に建てられたものとされ、落ち着いた佇まいの中に時の積み重なりを感じます。境内には、西南戦争や日清戦争で戦死した人々の表忠碑や、コレラ撲滅に尽力した警察官の招魂碑なども残されており、この土地の歩んできた歴史の一端に触れることができます。
現在の社殿は江戸時代末期に建てられたものとされ、落ち着いた佇まいの中に時の積み重なりを感じます。境内には、西南戦争や日清戦争で戦死した人々の表忠碑や、コレラ撲滅に尽力した警察官の招魂碑なども残されており、この土地の歩んできた歴史の一端に触れることができます。
4. 泊まれるビストロ「宿と食事 ローブン大多喜町」でランチ
ランチにおすすめなのが、2024年に誕生した「宿と食事 ローブン大多喜町」。大正時代の古民家をリノベーションした宿で、“泊まれるビストロ” というコンセプトを掲げています。
蔵を改装した客室や、田園風景を望む客室など、一棟貸し切りの専用庭付き。歴史ある建物の趣を残しながら、モダンな快適さが心地よくなじむ空間が広がります。
「ビストロローブン」は、2013年に東京都内で創業した洋食ワインビストロ。フォンドヴォーから手作りするデミグラスソースと、オーブンで仕上げるロールキャベツは、長年愛され続ける看板メニューです。
大多喜町の店舗では、とれたての地元食材を取り入れているそう。
大多喜町の店舗では、とれたての地元食材を取り入れているそう。
鉄鍋ロールキャベツセット(自家製パン付き)
| 税込価格 | 1,600円 |
|---|
ソースは、デミグラスソース・トマトソース・ホワイトソースから選べます。
なかでもデミグラスソースは、牛すじと牛骨、香味野菜からとったフォンドヴォーを長時間かけて煮込み、化学調味料はもちろん、小麦粉も混ぜない徹底ぶり。濃厚でありながら重たすぎず、素材の旨みがぎゅっと凝縮された味わいです。
なかでもデミグラスソースは、牛すじと牛骨、香味野菜からとったフォンドヴォーを長時間かけて煮込み、化学調味料はもちろん、小麦粉も混ぜない徹底ぶり。濃厚でありながら重たすぎず、素材の旨みがぎゅっと凝縮された味わいです。
ナイフとフォークを入れると、ふわっとほどけるようなやわらかさ。ふくよかな食感の中から肉の旨みが広がり、あふれる肉汁とデミグラスソースが溶け合っていきます。鉄鍋の上で、味がさらにまとまっていく感覚。
房総の野菜を使った前菜やスープとともに、里山ならではの豊かな食材を堪能できます。
房総の野菜を使った前菜やスープとともに、里山ならではの豊かな食材を堪能できます。
5. 房総随一の名瀑「粟又の滝」
大多喜といえば、養老渓谷。養老渓谷といえば、やはり外せないのが粟又の滝。渓谷を象徴する存在ともいえる滝で、落差約30m、長さ約100mにわたって岩肌をなめるように水が広がり落ちていきます。
いわゆる “滝” の力強さとは少し異なり、面で流れるその景観はどこかやわらかく、それでいて迫力も十分。養老渓谷を訪れたなら、一度はその流れを間近で感じておきたい場所です。
いわゆる “滝” の力強さとは少し異なり、面で流れるその景観はどこかやわらかく、それでいて迫力も十分。養老渓谷を訪れたなら、一度はその流れを間近で感じておきたい場所です。
6. 野菜ソムリエが手がける「山里のジェラテリア山猫」
粟又の滝の近くにあるのが「山里のジェラテリア山猫」。千葉県産の野菜や果実を使ったジェラートを楽しめる一軒です。
ショーケースに並ぶジェラートは、その時々の旬の素材を生かしたものばかり。農家の畑で収穫されたばかりの野菜や果実を使うため、訪れるたびにラインナップが変わります。
素材の持ち味を引き出すことを大切にしており、ひと口ごとにその季節の風景がふっと広がります。
素材の持ち味を引き出すことを大切にしており、ひと口ごとにその季節の風景がふっと広がります。
本場イタリア仕込みのジェラート
オーナーは、野菜ソムリエの資格を持つ富澤奈美さん。本場イタリアで学んだ理論を礎にしながら、水分や糖分、脂質のバランスを丁寧に見極め、素材の持ち味を最大限に引き出すことを大切にしています。
農家の畑に足を運び、旬の食材と向き合う、誠実なものづくりの姿勢がにじみます。
農家の畑に足を運び、旬の食材と向き合う、誠実なものづくりの姿勢がにじみます。
大多喜町の名産。食香バラやローゼルを使用
大多喜町の名産である食香バラやローゼルを使ったジェラートは、世界のコンテストで評価されるなど、その実力は折り紙付き。華やかな香りがたまりません。
ふた付きのショーケース「ポゼッティ」で管理されているため、口に運んだときのなめらかさも印象的。土地の恵みと向き合いながら生まれるジェラートは、ここでしか味わえない特別な存在です。
ふた付きのショーケース「ポゼッティ」で管理されているため、口に運んだときのなめらかさも印象的。土地の恵みと向き合いながら生まれるジェラートは、ここでしか味わえない特別な存在です。
イートインスペースには、カウンターとテーブル席が配置されており、大きな窓からは養老渓谷の緑が広がります。季節ごとに表情を変える景色を眺めながら、ゆっくりと味わう時間もこの場所ならでは。
7. 黒湯の足湯が併設された「養老渓谷駅」
養老渓谷駅は、養老渓谷や養老温泉郷の玄関口となる駅。かつては朝生原駅として開業し、昭和29年に現在の名称へと改められました。
小湊鐵道のローカル線の風景と、里山のやわらかな空気が重なり、どこか懐かしい雰囲気。ここから先には、梅ヶ瀬渓谷や養老温泉、観音橋、出世観音、水月寺、粟又の滝など、四季折々の表情を見せる名所が点在しています。
小湊鐵道のローカル線の風景と、里山のやわらかな空気が重なり、どこか懐かしい雰囲気。ここから先には、梅ヶ瀬渓谷や養老温泉、観音橋、出世観音、水月寺、粟又の滝など、四季折々の表情を見せる名所が点在しています。
駅には黒湯の足湯が併設されており、列車を眺めながら温泉を楽しめる観光スポットのひとつ。
黒湯はコーヒーのような色合いが特徴の温泉で、肌に触れると驚くほどなめらかな感触。「美人の湯」としても知られています。
黒湯はコーヒーのような色合いが特徴の温泉で、肌に触れると驚くほどなめらかな感触。「美人の湯」としても知られています。
レトロ風のお土産がおすすめ
駅舎内には、小湊鐵道をモチーフにしたお土産が並びます。レトロな缶の飴や、車両デザインをあしらったグッズなど、列車好きならずとも心くすぐられるものばかり。
旅の余韻を持ち帰るのに、つい手に取りたくなります。といいつつ、オンラインショップでも購入できるので、あとからゆっくり選ぶのもひとつの楽しみです。
旅の余韻を持ち帰るのに、つい手に取りたくなります。といいつつ、オンラインショップでも購入できるので、あとからゆっくり選ぶのもひとつの楽しみです。
8. 渓谷の絶景に包まれる温泉リゾート「SHINRA YORO VALLEY」
2025年にオープンした温泉リゾート「SHINRA YORO VALLEY」。
養老川の渓谷を望むロケーションに建つラグジュアリーな宿で、全客室に露天風呂を完備。養老渓谷の名物である黒湯の温泉を楽しめます。
養老川の渓谷を望むロケーションに建つラグジュアリーな宿で、全客室に露天風呂を完備。養老渓谷の名物である黒湯の温泉を楽しめます。
せせらぎに耳を傾けながら湯に身をゆだねる時間は、どこか現実から切り離されたよう。渓谷の景色と温泉、そして静けさが重なり、ここが都心から約90分の距離にあるとはにわかに信じられません。
客室は、露天風呂付きのプライベート感あふれるタイプから、日本旅館の趣を感じるスタンダードな客室まで全8タイプ。旅のスタイルに合わせて選べるのも魅力です。
客室は、露天風呂付きのプライベート感あふれるタイプから、日本旅館の趣を感じるスタンダードな客室まで全8タイプ。旅のスタイルに合わせて選べるのも魅力です。
房総半島の恵みを活かした日本料理
ダイニングでは、房総半島の恵みを生かした日本料理を味わえます。海と山、両方の滋味に向き合いながら、素材本来の味わいを引き出したひと皿が並びます。
陶芸家に依頼して制作された器や、周辺の山から採取した花木のあしらいなど、細部にまで宿の美意識が息づいています。
全個室。ダイニングは渓谷や断層をイメージした空間
メインダイニングは、渓谷を形づくる岩や断層、樹木のぬくもりをイメージした空間。エントランスでは炎が揺れる暖炉が迎え入れてくれます。
席はすべて個室のテーブル席で、周囲を気にせずゆっくりと食事に向き合えるのも魅力です。厳選された日本酒とともに、静かに流れる時間を楽しめます。
懐かしくて新しい。いまの大多喜へ
幼い頃から訪れてきた大多喜ですが、改めて感じたのは、この町の持つ可能性でした。歴史ある城下町の風景、渓谷の豊かな自然、そして地元食材を生かした美食。
都心からわずか90分の距離に、これほど豊かな体験が広がっていることは、まだあまり知られていないのかもしれません。懐かしさと新しさが同居する大多喜。養老渓谷の里山は、訪れるたびに新しい表情を見せてくれる場所です。
都心からわずか90分の距離に、これほど豊かな体験が広がっていることは、まだあまり知られていないのかもしれません。懐かしさと新しさが同居する大多喜。養老渓谷の里山は、訪れるたびに新しい表情を見せてくれる場所です。
取材・文/倉持美香(macaroni 編集部)
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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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