ライター : よしみけ

保育園調理師/元パティシエ/薬膳コーディネーター

薬膳とは?

最近では家で過ごすことも多くなり、健康に気を使い、食事を見直す機会が増えた方も多いと思います。「薬膳」と聞けば、むずかしいイメージが強いですが、実は身近に存在しているのはご存じですか?

新生活はストレスや不安を抱え込みやすい時期です。薬膳を普段の生活に取り入れることで、ぐっと症状が和らぎますので、薬膳を身近に取り入れてみましょう。本記事では薬膳コーディネーターの筆者が解説します。(※1)

「肝」の不調がストレスの原因

薬膳の基本のひとつに、自然界を「春・梅雨・夏・秋・冬」の5つに分ける「五行(ごぎょう)」という考えがあります。そのなかに、臓器を「肝・心・胃・肺・腎」の5つに分けた「五臓(ごぞう)」があり、春は「肝」に大きな影響を与える季節です。

「肝」には、気や血をコントロールする働きがあるため、自律神経を整え、ストレスや不安などを解消するとされています。主な3つの特徴を見てみましょう。(※1.2)

疏泄(そせつ)を司る

「疏泄(そせつ)」とは、「疎=離れること」「泄=漏らす、外へ出す」という意味があり、体の中の気をコントロールすることです。疏泄作用によって、体の臓腑や器官など、体の隅々まで気を送っていると考えられています。

気が滞ってしまうと、イライラしたり不安になり、情緒不安定になりやすいです。体全体に気を巡らしていきましょう。(※2)

蔵血(ぞうけつ)を司る

「蔵血(ぞうけつ)」とは、血液を貯蔵したり、血量を調整したりする作用のことです。血液を貯蔵することで、肝が働き過ぎて、めまいや頭痛などの症状が出たり、目の出血や吐血・血便などの出血が出たりするのを予防します。

血量を調整することで、休息するときは肝に血を貯蔵し、体を動かすときは体中に血液を届けられます。各臓腑に血を届けられるようになると、目はよく見え、耳はよく聞こえ、筋肉や関節などもスムーズに動かすことができます。(※2)

筋(すじ)を司る

「筋(すじ)」とは、筋肉と骨をつなぐ器官のことです。筋に血を流すことで、関節の動きをスムーズにします。肝が不足すると、しびれやけいれんなど、筋肉が引きつる原因になります。(※2)

新生活の不安やストレスの原因は?

「気虚(ききょ)」が原因

「気虚(ききょ)」とは、元気の源である気が不足している状態を指します。気は生命エネルギーでもあり、精神を支える気持ちでもあり、体を動かすために必要不可欠なものです。

気が不足することで、疲れやすい、元気がない、風邪や病気になりやすい、やる気が出ない、などの症状が出てきます。気虚になると、特に胃腸の機能が低下するので、ゆっくり休んで体を整えましょう。(※3)
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