ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

ローストビーフにはどんな栄養が含まれる?

ローストビーフは一般的に脂身の少ない赤身肉である牛もも肉を使って作られることが多い料理です。脂質が少なくカロリーも抑えられるうえに、糖質もほとんどなく、たんぱく質が豊富に含まれます。

それ以外にも鉄やビタミン類なども豊富なため、栄養素を摂取する面からもおすすめな料理のひとつです。(※1,2)

ローストビーフに含まれる栄養とそのはたらき

栄養素とそのはたらき

  1. 体の構成成分の「たんぱく質」
  2. 味覚を正常に保つ「亜鉛」
  3. 整腸効果のある「ビタミンB12」と「鉄」
  4. 脂肪の燃焼に「L-カルニチン」

体の構成成分の「たんぱく質」

筋肉や皮膚をはじめとした人の体を作る成分として欠かせない栄養素がたんぱく質です。目に見える臓器以外にもホルモンや酵素、抗体として体の機能の調節に関わっています。不足すると成長障害や体力・免疫力の低下が起こるため、注意しましょう。

ローストビーフには食品のたんぱく質のなかでも体の中での利用率が高い良質なたんぱく質が多く含まれているため、たんぱく質が不足しがちな高齢者にもおすすめです。(※3)

味覚を正常に保つ「亜鉛」

牛肉には亜鉛も豊富に含まれます。亜鉛は微量ミネラルの一種で、たんぱく質の再合成やDNAの合成などに関わります。主に新しい細胞が作られる組織や器官で欠かせないミネラルです。不足すると成長障害や味覚障害になるおそれがあります。

ほかにも貧血、食欲不振、皮膚の炎症などさまざまな不調が起こるため、不足しないように意識して摂取することが大切です。(※4)

貧血対策になる「ビタミンB12」と「鉄」

ビタミンB12は赤血球を作る際にはたらくことから「造血のビタミン」とも呼ばれる栄養素です。鉄は赤血球の中に含まれるヘモグロビンを構成する成分で、酸素を体中に運ぶ役割を担っています。

どちらも不足すると貧血の原因となるとされ、特に鉄は不足しやすい栄養素のひとつのため、普段から意識して摂取することが大切です。

ローストビーフに含まれる鉄はヘム鉄と言い、吸収されやすい性質があるため、積極的に摂るとよいでしょう。(※5,6)

脂肪の燃焼に「L-カルニチン」

ローストビーフのような赤身肉には、L-カルニチンと呼ばれるアミノ酸が多く含まれます。L-カルニチンは脂肪をエネルギーとして効率よく使うのを助け、脂肪が燃焼しやすく、太りにくい身体を作るのに役立ちます。

また、筋肉が動くためのエネルギーを作るうえでも必要なことから、L-カルニチンを補給して、適度な運動を取り入れると脂肪を燃焼させるのにより効率的です。(※7)
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