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かつサンドの発祥店、上野「井泉 本店」
「かつサンド」の発祥店、井泉(いせん)本店が上野の地で創業したのは1930年。
創業当時、上野は多くの遊女屋や芸子屋が集まる花街(かがい/はなまち)として栄えていました。多くの芸者さんが訪れるなか、口元を汚さず、お座敷の合間にサッと食べられるように、と考案されたのが「かつサンド」だったのです。
創業当時、上野は多くの遊女屋や芸子屋が集まる花街(かがい/はなまち)として栄えていました。多くの芸者さんが訪れるなか、口元を汚さず、お座敷の合間にサッと食べられるように、と考案されたのが「かつサンド」だったのです。
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元祖「かつサンド」の魅力と、代々受け継がれる作り方
こちらが、発祥店の「かつサンド」。「サンドイッチでありながら、主役は豚かつ!」という元祖かつサンドの具材は、シンプルに揚げた豚かつのみ。
お肉はしっとりやわらかく、甘さ控えめのソースがほどよいコクを添えています。素朴な味わいの薄切り食パンと相性抜群で、いくらでも食べられそうな軽さです。
女性やお子さん、年配の方でも食べやすい小ぶりなサイズ感もうれしいポイント。
女性やお子さん、年配の方でも食べやすい小ぶりなサイズ感もうれしいポイント。
「井泉のかつの特徴は『お箸できれるやわらかいとんかつ』です。今では、やわらかくておいしいお肉は気軽に食べられますが、昭和の時代はそうではありませんでした。
そこで初代店主が試行錯誤を重ねて、お肉を叩いて繊維を壊してから成形するという方法を編み出したんです」
そこで初代店主が試行錯誤を重ねて、お肉を叩いて繊維を壊してから成形するという方法を編み出したんです」
「まずお肉をチョッパーで叩いて形を整えます。この下ごしらえで、お肉がやわらかくなるんです。そして、小麦粉、卵、生パン粉を付けて揚げる準備をします」
「揚げ油は、サラダ油2種とラードを混ぜ合わせたもの。必ず一日に2回、新しいものに交換しています。常に上質で新鮮な油で揚げているからこそ、年配の方でも召し上がっていただける軽さがあるんです。
豚かつは、約170℃の高温でサッと揚げます。揚げ時間は、切ったときに中のお肉が少し赤いくらいまでがベスト。その後、余熱でしっかり芯まで火が通っていきます」
豚かつは、約170℃の高温でサッと揚げます。揚げ時間は、切ったときに中のお肉が少し赤いくらいまでがベスト。その後、余熱でしっかり芯まで火が通っていきます」
揚げあがりのタイミングは長年の勘になってしまうのですが、衣の色ではなく、お箸で持ち上げたときの軽さで判断しています。ちょうどいい頃合いになると、パン粉や肉の水分が抜けて軽くなるんです」
「パンにはしっかりとバターを塗っておきます。当店のかつサンドは、バターの存在が重要。パンをバターでコーディングすることでソースが染み込みすぎなくなるので、時間が経ってもパンが潰れず、ほどよい食感をキープできるんです。
また、パンは豚かつと合わせたときにしつこくならないよう、シンプルで淡白な味のものを選んでいます」
また、パンは豚かつと合わせたときにしつこくならないよう、シンプルで淡白な味のものを選んでいます」
今日から実践!「元祖かつサンド」に近づく5つのコツ
1. お肉は叩いてやわらかくする
「下ごしらえの段階で、お肉を叩いてやわらかくしましょう。チョッパーがなければ、包丁の背を代用してもOK。肉の繊維がなくなるくらいまで叩き、広がったお肉をパンのサイズに合わせて整えましょう」
2. 油の温度はパン粉で判断
「油は高めの温度がいいので、温度設定ができるようであれば170℃に。もしわからない場合は、パン粉を少し丸めて油の中に落としてみましょう。沈んですぐに浮かんでくるようであれば、ベストな温度になっています」
3. 余熱も調理のうち!「少し早い?」くらいでOK
家庭で作る場合、揚げすぎてしまいがち。普段の90%ほど、「もう少しかな」というくらいで油からあげてしまいましょう。そのあとは余熱を利用して、中まで火を通します。これがお肉をやわらかく仕上げるコツですね」
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