ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

そもそも「ホルモン」とはどんなもの?

ホルモンとは牛や豚など、食用に供される家畜の内臓肉を指す言葉で、一般的に鶏の内臓をホルモンとは呼びません。畜産業界では精肉となる枝肉以外の部位を、すべてホルモンとして取り扱うのが通例です。

戦前から戦後にかけて、体の中からホルモンが分泌されてスタミナがつくと、安価な内臓料理が流行ったことからその名がついたとされます。

ホルモンとモツは同じ意味?

モツとは臓物(ぞうもつ)から転じた言葉で、牛や豚、鶏などの食用動物の内臓全般を指す呼び名です。ホルモンと同じ意味の言葉ながら鶏はモツと呼ばれ、牛と豚はモツかホルモンのどちらでもよく、お店によって使い分けられています。

牛ホルモンの代表的な部位

牛のホルモンは全般的に、脂がのっている部位が多いのが一番の特徴です。そのため濃厚でしっかりした味わいが評判。食肉用家畜のなかでもっとも体が大きいことから、内臓が大きく量も多いため、焼肉用に広く流通しています。

タン

牛と豚ともに舌のことをタンと呼びます。特に牛タンはサクッとした歯ざわりとやわらかな食感、脂がのった濃厚なうま味が持ち味。薄切り肉を焼いて食べることが多く、しっかりした味わいであることから、タレ焼きよりも塩焼きが好まれます。洋食ではタンシチューが有名ですね♪

ハツ

心臓を指す別名で、ほかにハートやココロとも呼ばれる部位。弾力のある肉質ながら決して硬くはなく、サックりした歯ごたえとクセのない淡白な味わいで評判です。脂がついた部分はアブシンと呼ばれ、歯ざわりは同じながら、濃厚な脂のコクとうま味を楽しめると人気があります。

レバー

これは誰もが知っている部位名で、別名というより肝臓の英語名ですね。クセのある味わいと独特の食感で、人によって好き嫌いがあります。鉄分やビタミンが豊富なホルモンですが、リスクがありますので生食だけは絶対に避けてください。
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