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記事を書いたのは……
普段は会社員として働くかたわら、ライフワークとして「おいしい・楽しい食卓から、人生を発酵させるお手伝いをする」をテーマに発酵イベントやワークショップを主催。
2020年6月より、日本全国で発酵食品を作る人々の元をオンラインで訪れるイベント『発酵オンラインジャーニー』を開催。
これまでにビール、醤油、カカオ、魚醤、麦味噌の生産者を訪れ、現地の営みを多くの人に発信している。
発酵オンラインジャーニーとは?
新しい年になり約ひと月が経とうとしていますが、今年もどうぞよろしくおねがいいたします。
おかげさまで、この発酵オンラインジャーニーのレポートも第4弾となりました!
過去3回のレポートでも、ビールやお醤油、チョコレートなどを醸している方々を紹介させていただきましたのでぜひチェックして見てくださいね。
『発酵オンラインジャーニー』は、簡単に言うと、オンライン会議ツールのZoomを使って、日本全国の醸造家さんと参加者をリアルタイムで繋いで開催するイベントです。
このイベントを始めた経緯や、私のバックグラウンドについては、ぜひ初回の記事も読んでいただけると嬉しいです。
私は3年ほど前に旅行で訪れたのですが、豊かな自然とどこか懐かしい街並みが残っていて、初めて行ったのにホッとする空気が流れていたことが、強く記憶に残っています。
そんな小値賀島に移住し、ご自身で開発した魚醤づくりを営む吉岡さん。
今回は「どうして小値賀島に?」「なぜ魚醤を作り始めたの?」と、私もかねてから気になっていたことを、ひとつひとつ伺っていきたいと思います。
いよいよイベント当日!小値賀島へ。
今回は、参加者の皆さまからのリクエストをふまえて、初めて「選べる3つのコース」をご用意しました。
写真は一番豪華な”小値賀大満喫コース”のセット内容です。今回のメインである魚醤の3本セットと、魚醤入りの昆布ドレッシングと小値賀島の天然の乾燥あおさ、おまけの煎り落花生です。
そして、いよいよイベント当日。今回も沖縄、広島、京都、名古屋、東京等々全国各地から13名の皆さんにご参加いただきました。
人数がそろったところで、いよいよイベントがスタート!
毎度おなじみですが、肩の力を抜いてイベントを楽しんでもらいたいという思いから、好きなお酒、飲み物片手にご参加いただいています。
魚醤って、そもそもなに?
今回は"魚醤の発酵"についてお話しました。
魚醤と言えばタイの「ナンプラー」やベトナムの「ニョクマム」が有名ですが、日本にも「三大魚醤」と呼ばれるものが存在します。
<日本の三大魚醤>
・しょっつる(秋田県)
・いしる(石川県)
・いかなご醤油(香川県)
これらの魚醤は魚介類に塩を加えて漬け込んで作られていますが、吉岡さんの魚醤は魚介類と塩、に加えて"麦麹"が使われているのが特徴です。
小値賀島と海への思い
岡山出身で、社会人になってからは福岡で働かれていた吉岡さん。元々海が大好きで、暮らしの中に海があり、海に潜れる環境を求めて小値賀島に移住されたそうです。
長崎は獲れる魚の種類が日本一と言われていますが、種類が多いと同じ魚を箱詰めして売る際に一箱に足らず余ってしまい、売れ残って廃棄されてしまうものも多いそう。
そんな魚の有効な活用方法として魚醤を作ることを考え、さらに日本独自の発酵文化である"麹"を使うことに。
また、魚醤作り以外にも海士(あまし)として主に素潜りでの採貝漁にも従事されている吉岡さん。なんと、小値賀島で女性の海士は吉岡さんだけなんです!
お話を聞いているだけでも、吉岡さんが本当に小値賀島と海が好きなことが伝わってきました。さて、イベントの後半戦はお待ちかねの試食タイム。想いのこもった魚醤をみんなでいただきます。
試食は「魚醤のお湯割り」&「落花生ごはん」!
クセが少なくさまざまな料理に使いやすい「白身魚の魚醤」、アジなどの青魚を使用した香ばしい塩辛のような香りを持つ「青魚の魚醤」、素材を余すところなく使うべく、イカ墨もたっぷり使用した「イカの魚醤」。
いずれの魚醤も、発酵中は常温で保管して、1年ほどで完成するとのこと。麹を使わず塩のみの場合は2年以上かかるので、麹を使うことで生産サイクルのスピードが早いのも特徴です。
試食タイムにはそれぞれの魚醤をお湯割りでいただいたり、ゆで卵にかけていただいたり、思い思いに楽しみました。
吉岡さんの魚醤は麦麹を使用しているからか、ナンプラーほど匂いのキツさがなく、お湯割りで飲んでもおいしかったのは驚き!
また、おまけで同封された小値賀の落花生と魚醤で炊く"炊き込みごはん"のレシピを試してくださった方も多く、「落花生の風味と魚醤の味わいがよく合う!」と皆さん大絶賛でした。
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