ライター : macaroni 編集部

家族と暮らす、開放感のある独立キッチン

Photo by kazuhiro gohda

今回ご紹介するのは、ワーキングマザー chizuさんのキッチン。2019年に中古マンションを購入し、フルリノベーションしたそうです。

黒とウッドを基調としたデザインは、インテリア好きのご主人が “落ち着いた雰囲気のくつろげるカフェ” をイメージしてオーダー。黒いタイルが全体を引き締めつつも、木や植物の温かみを感じられるキッチンに仕上がっています。

Photo by kazuhiro gohda

chizuさんは4人暮らし。フルタイムで働く傍ら、ご主人と協力し合いながら6歳の娘さんと1歳になる息子さんを育てています。効率の良さを重視しつつ、家族も自分自身も大切にする暮らしを心掛けているそうです。そんなchizuさんのキッチンには、デザイン性だけでなく、家事を “時短” “ラク” にするこだわりがたくさん詰まっていました。

動線を考えて調理や掃除がラクになる配置にする

Photo by kazuhiro gohda

『LAアーキテクツ』のステンレスキッチン
注目すべきは、ステンレス製の独立キッチン。シンプルなデザインが空間を引き締めています。

chizuさん:
「独立キッチンは、リノベーションする際にこだわった場所のひとつです。フルオープンのアイランドキッチンを探していたのですが、なかなかイメージに合うものに出会えず……。やっと見つけたのが『LAアーキテクツ』のステンレスキッチンです。色味とシンプルなデザイン性が理想通りでした。

オールステンレスだとお手入れが大変そうかなと思い、天板は黒素材に。これが大正解でした!キズや汚れがつきにくいので、時折拭き掃除をするだけ。夫婦そろって掃除が苦手なので助かっています(笑)」

Photo by kazuhiro gohda

ほかにもchizuさんのキッチンには、使い勝手を重視したこだわりポイントがたくさんあるんです。キッチンの設計をする際、専門家に相談をしたのだとか。

chizuさん:

「収納コンサルタント/ライフオーガナイザーの宇高有香さんに相談をしました。その際に動線が大事というアドバイスをいただいたんです。なので、キッチンのすぐ横にダイニングテーブル設置し、動く距離を最小限に。動きやすい動線にすることで時短につながりました。

調理中も家族との距離が近く感じられるので、このレイアウトにして本当に良かったです!」

家を建てたりリノベーションしたりするときは、なかなか決めかねることもきっとあるはず。家族と意見が合わないこともあると思うので、専門家に相談するのはひとつの良い手段ですね。

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『WOODONE(ウッドワン)』のキッチン棚
よく使う器やお皿、お箸などは家族も取りやすいようにダイニングテーブルから一番近い位置に収納してあります。背面収納は、木質総合建材メーカー『WOODONE(ウッドワン)』でオーダーしたもの。フルオープン可能な引き出しは、奥側の食器も取り出しやすい仕様になっています。

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chizuさん:
「回遊できる動線にもこだわりました。“テーブルがこっちにあるから食器はここが取り出しやすいかな” “この調理道具はこっちかな” というように、時短をテーマに流れを考えて設置場所や収納位置を決めています。お箸やカトラリーは、どこに何が入っているのか分かるように仕切りで分類。そうすることで家族みんなが使いやすく、出し入れの際に散らかりにくくなるんです。

毎日の献立も1回で2日分くらいつくったり、生協の宅配『パルシステム』を活用して週1でつくり置きをしたりなど、効率の良さを重視しています」

Photo by kazuhiro gohda

キッチンをきれいに保つには、見せるものと隠すもののバランスも大切な要素だそうです。生活感が出やすいゴミ箱がなんと引き出しの中に……!

chizuさん:
「ゴミ箱は生活感が出るので隠したいなと思い、約60cmの引き出しをゴミ箱用スペースとして活用していますよ。燃えるゴミ、プラスチック、ビン・カンなどをここで捨てます。ゴミ箱用の引き出し自体は棚とくっついておらず、ローラー付きで独立できるよう設計しているのもポイント。シンク近くに移動できたり、ゴミ袋を取り替えやすかったりするので便利です」

普段使いのお気に入りをディスプレイする

Photo by kazuhiro gohda

壁一面には、chizuさんのお気に入りアイテムがずらり。おしゃれなディスプレイは、まるでインテリア雑貨店のようです。どのような基準でアイテムを集めているのでしょうか。

Photo by kazuhiro gohda

『BIRDS'WORDS(バーズワーズ)』のマグ
chizuさん:
「カップボードの飾りとしてだけでなく、普段使いできる実用性のあるものを厳選して置いていますよ。食器や雑貨は、長く使えるものを大切に使うよう心掛けています。『BIRDS'WORDS(バーズワーズ)』のマグは、手にすっぽり収まる感じや、少しボコッとした質感がお気に入りポイント。

じつは元々、ナチュラルなテイストが好きだったんです。でも今は黒も好きなので『北欧 暮らしの道具店』や『IDEE(イデー)』などで自分好みのものを見つつ、キッチンのテイストに合うものを探したりします」

Photo by kazuhiro gohda

左から『chemex(ケメックス)』のコーヒーメーカー、『niguramu(ニグラム)』のtsubameキャニスター、GSPコーヒーポット
chizuさん:
「コーヒーが好きなので、よく使うコーヒーグッズを飾っています。『niguramu(ニグラム)』のtsubameキャニスターは、金属加工で有名な新潟県燕市で製作されたステンレス製のキャニスターで質感もいい感じ。どれもデザイン性と実用性を兼ね備えていて、とってもお気に入りなんです」

Photo by kazuhiro gohda

chizuさん:
「ガラス瓶にはよく使うパスタや紅茶、お茶セットなどをまとめています。ガラス瓶にすることで減りが一目で分かって便利なんです。『無印良品』で購入したものが多いですね。しっかり密閉できて使いやすいのでおすすめですよ」

Photo by kazuhiro gohda

chizuさん:
「よく使う大きめのキッチン家電はシンプルなデザインのもので統一。生活感が見えやすい部分なので、機能面も大切ですがデザイン性も気になりますね。炊飯器の手前にあるロゴを黒いシールで隠しています(笑)

奥にあるハンドブレンダーは、普段の料理だけでなく息子の離乳食づくりに活躍していますよ。トースターはないのですが、トーストは魚焼きグリルでつくれちゃうので問題ないです!」

季節感のあるアイテムを取り入れる

Photo by kazuhiro gohda

chizuさんのおうちは植物がたくさんあって、とても居心地が良いです。とくにキッチンにある花瓶が印象的でした。

chizuさん:

「リノベーションをしてからキッチンにどんなお花や枝物を飾るか考えるのがすごく楽しいんです!今は秋や冬にぴったりな野ばらの実を飾っています。この個性的な出で立ちも好みです。季節感のあるものをキッチンに置くだけで気分が変わるので、意識して飾るようにしていますよ」

Photo by kazuhiro gohda

chizuさん:
「アイアンバーにはスワッグを飾っています。小物をさりげなくプラスするのも好きなんです。ところどころにお気に入りの小物を置いて楽しんでいます」

スタイリッシュな印象だけでなく温かみを感じるのは、きめ細かいこだわりがあるからなのですね!

愛情たっぷりのキッチンで暮らしを楽しむ

Photo by kazuhiro gohda

忙しいなかでも工夫と暮らしを楽しむchizuさんのキッチンからは、家族への思いと、使う物への愛情が感じられました。小さいお子さんがいながらも、きれいで心地良いキッチンが保てるのは、人も物も大切にされているからかもしれません。

休日は家族と一緒に家でゆっくり過ごすことが多いと話してくれたchizuさん。しっかり者の娘さんは家事を率先してお手伝いしてくれることが多いそう。家族みんなで暮らしを楽しんでいる姿がとても微笑ましかったです。

次回は、おもてなし上手なニットデザイナーのキッチンを紹介します。お楽しみに。
取材・文/内山 栞(macaroni編集部)
写真/合田和弘
※本記事の取材および撮影は2020年11月15日におこないました。撮影時のみ一時的にマスクを外していただきましたが、スタッフ一同、コロナウイルス感染予防の対策を十分に講じたうえで撮影に臨んでおります。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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