ライター : Terry Naniwa

編集・企画・ライター

街のうつわ屋さん「うつわ ものつき」

Photo by 西村仁見

「うつわ ものつき」ご主人・井原渉さん
和食文化の中心、京都。その五条で作家ものの器を扱う「うつわ ものつき」。京で、和食器で、作家ものとなれば、気軽に立ち寄るには敷居が高すぎると敬遠したくなりますが、このお店にはそんな心配はご無用です。

ご主人の井原渉(いはら しょう)さんのポリシーは、あくまで街のうつわ屋であること。普段使いできる器を品ぞろえの基本とし、自身が気に入った作家の作品を吟味。品は上質でも値付けは庶民感覚という嬉しい設定。

古都らしい佇まいの雑居ビル4階にあるお店に伺えば、約30人の作家の器たちが出迎えてくれます。

料理を盛り付けてはじめて器が生きる

Photo by 西村 仁見

井原さん「うちは、美術品の器ではなく、実際に、毎日使うための器を扱っています。ですから、単にここに並んでいるだけでは、まだ完成品とは呼びません。

料理を盛り付けて、はじめて器としての価値が出てきます。その目線で品を選び、提供するのがこの店のスタイルです」

使うシーンと盛り付けた実例を写真で紹介

Photo by 西村仁見

井原さん「いらっしゃった方には、このお皿はお寿司を盛るのに良いですよなどと、具体的な料理名を挙げて説明しています。加えて、その器に似合う料理を実際に盛り付けた写真も用意して、食卓シーンで器がどのような表情になるか、先に言った完成品として伝えています」

なるほど、これは分かりやすい。一見、無機質な器が、まさに生きて映えています。

お気に入りの「ごはん茶碗」の見つけ方

Photo by 西村 仁見

数ある器のなかで、私たちが日常で一番多く使っているのが「ごはん茶碗」です。一日に1回としても、年に300回以上も手に持つというもっとも身近な食器。だからこそ自分に似合う、お気に入りの「ごはん茶碗」が欲しくなりませんか。

そこで井原さんにお気に入りの「ごはん茶碗」の見つけ方をお聞きしました。

1. 手に持つという和食器ならではの特長を理解する

実際に使うように手にとって、手触りの感触、手とのフィット感、持ちやすさをチェックします。手で「ごはん茶碗」を感じることがポイント。

2. 炊き立ての白米を盛ったシーンを思い浮かべる

白米という究極にシンプルな料理を、かつ毎回、同じように盛るので、その白米をいかに引き立たせてくれるか。言い換えれば、器に盛られたご飯をおいしそうとイメージできるかが大切です。

この2つのポイントで選んでいけば、あなたにお似合いの「ごはん茶碗」が見つかるはず。服を選ぶときも、試着をしたり、着てでかけるシーンを思い浮かべたりしますよね。「ごはん茶碗」も同じです。

次はそのポイントで選んだ「うつわ ものつき」お薦めの品をご紹介します。
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