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本郷三丁目に現れた、朝から夜まで楽しめるパン屋さん
東京で毎年多くのパン屋がオープンしているが、実はまだ町にパン屋が少ないエリアというのは存在している。
住宅街が続く、本郷三丁目もそんなエリアのひとつだったが、2018年9月9日に朝から夜までオープンする『ベーカリーカフェ&バー panda(パンダ)』が登場した。
白を基調とした外観は、一面が窓になっており、気軽に中に入りやすい装い。こちらをオープンしたのは、オーナーの片山大樹(たき)さん。もともと、イタリアンやフレンチレストランで料理人として働いていた片山さん。どんな店を出すかを考えていた頃、自身も住んでいた本郷三丁目エリアにパン屋が少ないことに不便を感じていたと言う。
「こどもも大人も食べられる、素材にこだわったパンが食べられる場所が欲しいと思い、ならば自分で出してしまおうと思いました」と片山さん。
そんな思いから、パンとパンに合う各国料理を提供するベーカリーカフェ&バーが登場した。
パンを担当するのは、伊藤太亮(だいすけ)さん(写真上)。伊藤さんは専門学校卒業後、「京都ホテルオークラ」や『メゾンカイザー』などで修行後、表参道の人気店である『パンとエスプレッソと』の韓国店と台湾店などの立ち上げにかかわってきた。
オーナーの片山さんも『パンとエスプレッソと』のパンが大好きだったことから、意気投合し、今回この店の立ち上げに携わることになったという。
小麦の風味が豊かに香る、見た目にもかわいらしいパン
「さまざまな味のパンを食べてほしい」という思いから、小ぶりながらも見た目が愛らしいパンが揃う。
小麦の良さを最大限に引き出すのが伊藤さんの作るパンの特徴だ。
使う小麦粉は6種類。モチモチとした食感が特徴の北海道『江別製粉』の小麦粉「煉瓦(レンガ)」、のびやかな生地に仕上がる「ゆめちから100」、小麦の香が強い「TYPE(タイプ)100」の他、甘みの強い小麦粉やくちどけのいいもの、ハード系に使うものなど6種類とライ麦をパンによって使い分けている。
「国産小麦のモチモチとした食感は、どこかお米にも似たような食感と香りを持っているので、毎日食べても食べ飽きないものを目指しました」と伊藤さん。
一番人気は「クロワッサン」で、表面はパリッと、中はふっくらとした食感を実現して、くちどけよく仕上げたという。
また、「panda食ぱん」も自慢の一品。香り高い小麦を3種類ブレンドし、バターや牛乳、砂糖や練乳を入れたリッチな食パンは、まずはそのまま何もつけずに食べてほしい。しっとりもっちりとした食べごたえで、思わずそのまま一斤食べてしまいそうになるが、ぐっと我慢! 次の日の朝食には厚切りのトーストにしてジャムなどとともにいただけば、また違った味わいを感じられ、一品で二度おいしい食パンになる。
その他にもアーモンドクリームをのせた西京味噌のみそパンなど、ユニークな素材を組み合わせたオリジナルのパンも多い。
ランチタイムはボリューム満点のサンドやバーガーを!
11時~14時のランチタイムはボリュームのあるサラダランチやサンドイッチが楽しめる。初めてこちらを訪れるならば、まず食べてみてほしいのが「和風さばサンド」(写真上・手前)。
ライ麦ベースのしっかりとした味わいのパンにコールスローを敷き、その上にはサバがどーん!とのっている、見た目にもインパクトのある一品だ。目を引くピンクのソースは、しば漬けのタルタルソース。ライ麦パンが甘じょっぱく和風に味つけされたサバをしっかりと受け止めてくれ、酸味のあるトッピングとソースがアクセントになって、最後まで新鮮な驚きとともにいただける。
ランチメニューには、サラダとドリンクがついているのも嬉しいサービス。こだわりのコーヒーは蔵前の『SUNSHINE STATE ESPRESSO(サンシャイン ステイト エスプレッソ)』のオリジナルブレンド。お好みでハンドドリップやマシン、フレンチプレス、コールドブリューのアイスコーヒーなど、淹れ方も選べるのだ。
がっつりとお腹を満たしたい人にはこちらのバーガーがおすすめ。アメリカ・アイオワ州のソウルフードである「スロッピージョー」(写真上)だ。胚芽入りの甘めのバンズに特製のミートソースをたっぷりとサンドしたアメリカらしいメニュー。スロッピーとは、「汚れた」などの意味を持つ単語。口の周りが汚れることもいとわずに大口でがぶりといただきたい。コクのあるミートソースがバンズと相性抜群だ。
ランチはどれもプラス150円でローストポテトやスープも付くので、男性でも満足すること間違いなし。
パンに合う世界各国料理とお酒を傾けたいディナータイム
18時からはディナータイムのスタート。肉・魚のメイン料理や、生パスタなどのアラカルトメニューがいただける。
ランチタイム、ディナータイムとともに料理を担当するのが大川真理(まさみち)シェフ。スペイン料理や和食、カフェなどさまざまな業態の店を経験してきた大川シェフは、パンに興味を持ち、パンと合う料理を追求している。
「伊藤さんの作るパンに寄り添う料理を提案しています。パンの味わいに負けずとも劣らない料理、その絶妙なラインを常に考えています」と大川シェフ。すべてに手間ひまかけて手作りするのが信条だ。
味わいの濃い鶏肉にピリ辛のシェリーソースを合わせた「美桜鶏のシェリーソテー」(写真上)は、ソースの一滴までパンですくっていただきたくなるような一品だ。
ディナータイム中もパンの販売は行っており、パンを購入するだけでも良し、タパスと軽くお酒をいただくのも良し、前菜からメインまでしっかりと食事をするのも良しと懐の深く、使い勝手のいい店になっている。
▲写真上・左から、大川シェフ、片山オーナー、伊藤さん(ブーランジェ)
「まだまだ、店は始まったばかりです。これから町の人のニーズにこたえていきながら、パンも料理も変化させていきたいと思っています。店に来てくださる人がどの時間帯でも心地のいい空間で過ごせるように提案していきたいです」と片山さん。
パンもコーヒーも食事も楽しめる、“町の人の憩いの場”となるような店は地元に根差した店として、愛されるだろう。
撮影:岡本寿
【メニュー】
panda食ぱん 480円
クロワッサン 190円
和風さばサンド 1,000円
スロッピージョー 1,000円
美桜鶏のシェリーソテー 1,600円
※価格はすべて税込
ベーカリーカフェ&バー panda(パンダ)
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