ライター : FOODIE

三越伊勢丹グループが運営する食のメディア

この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
まず上の写真を見てください。どれがすだちかわかりますか?
正解は一番左。あとふたつは、真ん中が青ゆず、右側がかぼすです。それぞれよく見かける柑橘ですが、「あれ? どれがどれだったかな?」と迷うことが多いですよね。
すだちやゆず、かぼすのように、実を食べるよりも果汁の酸味や果皮の香りを薬味として使う柑橘類のことを香酸柑橘(こうさんかんきつ)と呼びます。そこで今回は、紛らわしい香酸柑橘の見分け方を、伊勢丹新宿店・青果担当の栗林七重さんに教えてもらいました。

ひと目でわかる違いは「大きさ」!

「ひと目でわかりやすいのは大きさの違いです。並べてみるとよくわかりますが、かぼすがもっとも大きく、すだちはかなり小さめ。その中間が青ゆずです。青ゆずは濃い緑色で、よくみると表面にデコボコが多くあります」
確かに比べてみると、かぼすと青ゆずの大きさは似ていますが、かぼすがつるりとしているのに対して、青ゆずはごつごつした感じです。
「それぞれ産地も違っていて、かぼすは大分県の特産品、すだちは徳島県の特産品です。ゆずの産地は高知県が有名ですが、それ以外にも多くのエリアで生産されています。それぞれ晩夏や秋口から出回り、青ゆずはひと月ほどで終了しますが、かぼすとすだちは初冬まで続きます」

【すだち・ゆず・かぼす】それぞれの特徴と、プロが教える美味しい食べ方

すだち・青ゆず・かぼすは「どれも似たようなもの」と思っていませんか? 確かにどれかひとつあれば代用がきくことは多いかもしれません。でも見た目以上に味わいが違うし、使い方も実はちょっとずつ違うのだそう。使い分けを知っておくと意外に便利です。

【すだち】さんまや松茸に添える以外に、飲み物に搾っても◎

徳島の特産品で大きさはピンポン玉くらいと小さく、旬は8月から10月。秋口にちょうど旬を迎える食材と合うことでも知られています。
「すだちは香りが強いので、香りの強い食材と合います。さんまや松茸に添えられるのは定番ですね。さわやかな香りとおだやかな酸味を生かして、焼酎のソーダ割りに搾るなど、お酒や飲み物に使うのもおすすめですよ」
取扱い:伊勢丹新宿店

【青ゆず】果汁が少なく、皮が使われることが大半

有名な産地は高知県。かぼすとすだちの中間のサイズで色は濃い緑、皮の表面がごつごつしているのが特徴です。青ゆずが出回るのは8月頃で、熟した黄ゆずは11月から1月頃に出回ります。
「青ゆずは果汁が少ないので、香りの強い皮を使うことが多い柑橘です。果汁は酸味が強いので、風味をつける程度に使う方がいいかもしれません。皮をむいて、皮と果肉を別々に冷凍しておけば、3ヵ月ほど持ちます」
取扱い:伊勢丹新宿店

【かぼす】果汁たっぷり。酢の物やポン酢にも

大分の特産品で、大きさはテニスボールくらい。皮の色は薄い緑色でつるりとしています。中の果肉は少しオレンジがかっていて、旬は8月から10月。ほかの2つと比べると果汁が多く、酸味もしっかり感じられます。
「香りが上品で、白身魚など上品な食材の風味を損なわずに使えます。果汁が多いので搾って酢の物にしたり、鍋料理のポン酢に使ったりするのもおすすめです」

【すだち・ゆず・かぼす】の選び方と保存法

いずれも張りとつやがあり、ヘタが茶色くなっていないものを選びます。キズが多いものも避けましょう。使い切れないほど大量にあるときは冷凍保存が便利。搾りやすいくし形に切ってから、密閉できる冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば3ヵ月ほど保存できます。半分余ったときなど、そのあとすぐに使うのなら、ラップして密閉できる保存袋に入れてから冷蔵庫へ。
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