5.【ポン酢】大津屋「大津屋のふくしょうゆ」

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「松寿司ではずっと前から使っていたポン酢です。だから父もずっと店で使っていて。冬場はふぐを扱っていたので、鍋と一緒に出したり。牡蠣ともよく合うんですよ。 『ふくしょうゆ』の名前からもわかるとおり、ふぐに合うポン酢として開発されたものだとか。萩市特産のだいだいの果汁と、皮から取れるだいだい油ブレンドされていて、醤油のコクとともにさわやかな柑橘の香りを楽しめます」

6.【だし】築地 秋山商店「粉末鰹節」

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「こちらは店では使わない品。自宅でお味噌汁をつくる時に時々使っています。お味噌汁を少量つくりたいときとか、こういうものがあると便利ですね。 これでしっかりだしを取ろうという使い方はしません。野菜などから出るものだけでお味噌汁のだしは基本十分だと思っているので。野菜を入れて、ちょっともの足りない感じだったときに、補う程度にちょっと入れるくらい。あとは味噌をといて完成です。あ、買ってきたつけ麺にこの削り子をバーンとたっぷり入れたりしてもおいしいですよ」

7.【スパイス】山羊印スパイス「カレー粉」

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「知り合いから『おいしいから!』と薦められて、試してみたら本当においしかった。以来、ふつうにカレーをつくる時はもちろん、カレーイベントをやる時も使っています。 僕、カレー好きなんですよ。撮影が終わって食材が余ってしまった時は、カレーをつくってそういう材料をまとめて入れてしまいます。カレーならだいたい何を入れてもおいしくなるじゃないですか(笑)。 山羊印のスパイスは、香りが強いんですよ。スパイスは香りでしょう?それが最大の魅力です。このカレー粉はふつうの辛さなんですが、辛口はめちゃくちゃ辛いです。 けっこういろいろな料理に使っていますよ。カレー風味にするのではなく、隠し味として使うのが基本です。おかず系の料理がいいですね。野菜炒めとか、これを入れるとさらにごはんに合う味になる。本当にちょっと、少々でOKです」

8.【マヨネーズ】フジノ香花園「金太郎クリーミィマヨ」

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「少し前に福岡を旅行しまして、偶然見つけたうどん屋さんで手に入れたものなんです。だから愛用品というとやや語弊があるかも。最近のお気に入りという感じですね。 1日30食限定、予約だけでその日の分を売ってしまうようなお店だったんですけど、そういうところならではという品ぞろえの物販スペースで見つけました。これ、全卵でつくられているんですよ。マヨネーズというとふつうは卵黄とお酢を使ってつくるものですが、全卵。だからなのか、とってもまろやかで、まさにクリーミィ。飛び抜けて風味が強いというわけではありませんが、パンやじゃがいもに塗って食べるとスゴくおいしいです」

出会いには価値がある。

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「けっこう出先で見つけたものが多いんですよね」と言いながら、愛用品をしげしげ眺める野本さん。「これとか、近所のスーパーで目に入ったというだけじゃ買わないかもしれない」と手に取ったのは、栃木の道の駅で偶然見つけたというマドロスソース。 「地方の道の駅という場所だからこそ目に止まった。そういうところもあるんじゃないかな。ちょっと気になって購入して、味見をしたらおいしかった。出会いってそういうもんです。 人も調味料も一緒。僕の師匠や最初に知り合いになったフードコーディネーターとの出会いもそうでした。本当にいろいろな人に助けてもらって今があるので、せっかくの出会いを粗末にしちゃいけないなって思うんです。人との出会いはもちろんですけど、物との出会いも同じように大事にしたいですね」 タイミング、場所、好みなどさまざまな条件が折り重なって、たまさか出会えた人や物。そのすべてが私たちを助けてくれるわけでも楽しませてくれるわけでもありませんが、あらゆる出会いがその可能性を秘めていると考えれば、宝石の原石のようにも感じられます。 出会いを大切にしているという野本さんが、そのなかからより集めた綺羅星のごとき愛用品たち。そのお話をうかがっているうちに、自宅で、近所で、旅先で、これまでに見たものふれたもののすべてが宝物のように思えてきました。
取材・構成・文/植松富志男(macaroni編集部)、写真/田上大輝(macaroni編集部)
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