ライター : dressing

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フルーツとコーヒーで、今までのコーヒー観が変わる!

『ブルーボトルコーヒー』に代表される”サードウェーブ(豆の産地、農園に価値を見出す)コーヒー”ブームもすっかり定着し、コーヒー業界ではそろそろ、“フォースウェーブ(豆の栽培方法、抽出者等に価値を見出す)コーヒー”に注目が集まっている。 そんななか、新感覚のフルーツコーヒー専門店『AO TIGER(アオタイガー) 原宿店』が2018年6月8日にオープンした。コーヒーに、ナッツやチョコ、香辛料などの風味を加えたフレーバーコーヒーはよく見るが、フルーツとコーヒーの相性はどうなのか。
店があるのはJR山手線原宿駅から徒歩6分、竹下通りを抜けたいわゆる“裏原エリア”。 木造の一軒家を改装したロイヤルブルーの店舗は、遠くからも目をひく。道路に向かって大きく窓が切り取られた、オープンなつくりだ。
シンボルカラーのロイヤルブルーは、ブラックコーヒーを光に当てた時の色。高級感のあるゴールドのカウンターは、店内のどの席からもドリンクを作っている様子が見られるように設計されている。
店外にはテラス席もあり、裏原エリアのおしゃれな空気を感じながらコーヒーを楽しむこともできる。このテラスを含め全34席と、カフェとしてはゆったりした空間だ。

女性オーナーは、24歳ながらキャリア5年の元・女子大生企業家

「はじめまして」と登場したオーナーの浮山栞(しおり)さんを見て、その若さとかわいらしさに驚いた。 現在24歳の浮山さんは、わずか18歳で起業した元・女子大生起業家。過去には起業家の育成事業を行う『株式会社Viginals Japan』の経営や、アパレル関係の事業などを行ってきたが、念願の飲食店事業として立ち上げたのが『AO TIGER』だ。
もともとコーヒー好きだった浮山さんだが、ある日台湾の友人が持ってきた台湾産のコーヒー豆で淹れたコーヒーのおいしさに感動。台湾に渡り、有名バリスタのもとで本格的にコーヒーを学ぶなかで、コーヒーの奥深さにますます魅了される。 「これまで手掛けた事業はすべて、“新しいことを生み出す”のがコンセプト。コーヒーでもそれをやってみたくなりました」と、浮山さんはフルーツコーヒー開発のきっかけを語る。 ヒントとなったのは、日常的にフルーツをたくさん食べる台湾の食文化だったという。「日本の果物のすばらしさを、世界に伝えたいという気持ちもありました」(浮山さん)。試作を繰り返し、開発には2年ほどかかったという。

素材すべてにこだわった、新感覚の「富士山スノーカバーコーヒー」

看板メニューとなるのが、まるで雪を頂いた富士山のようなビジュアルが美しい「富士山スノーカバーコーヒー」(写真上)。自家製シロップをミックスしたコーヒーの上に特製クリーム、その上にトッピングのフルーツが美しく浮かんでいる。フルーツはバナナ・リンゴ・パイナップル・イチゴの4種類から選べるが、一番人気はバナナとのこと。 甘い味を想像していたが、飲んだ瞬間に口の中でとろける特製クリームは、ほのかな塩味。隠し味として加えられた岩塩特有のうまみとチーズのコクがあり、フルーツシロップとコーヒーの相性もいい。それらが融合し、味わったことのない、不思議なさわやかがある新感覚のコーヒーだ。
フルーツコーヒーに使用するシロップ(写真上)はすべて自家製。築地から仕入れた最高級の果物を使用し、毎朝手作りしている。写真上・手前が果肉の入ったシロップ、同・奥が果肉無しのシロップ。2種をブレンドするが、フルーツによってその割合を微妙に変えているという。
▲果肉入りのフルーツシロップと果肉無しのシロップをブレンドした後、エスプレッソと氷を入れて、10回シェイク。これでコーヒーとフルーツシロップが均等に混ざる
▲特製クリームを乗せ、上にフルーツをトッピングして完成 岩塩をきかせたこの特製クリームは、浮山さん以外に唯一そのレシピを知る店長が、毎朝手作りしている。 店長によると、一番気を遣うのが、飲んだ瞬間にふんわり口の中で溶ける口あたりに仕上げること。やわらかすぎるとコーヒーの中に沈んでしまうし、固くしすぎるとコーヒーとマッチしない。「口あたりで味わいがかなり変化するので、出来上がったらすぐに味わっていただけると嬉しいですね」とのこと。

ひとくちごとに味わいが変化する「フルーツラテ」

「富士山スノーカバーコーヒー」と両翼をなすメニューが、「フルーツラテ」である。 こちらもバナナ・リンゴ・パイナップル・イチゴの4種類から選べるが、一番人気はイチゴ。
「フルーツラテ」は、自家製シロップに低温加熱で風味をいかした牛乳を加え、氷とともにシェイク。こうしてできたフルーツシロップ入りのミルクシェイクに、淹れたてのエスプレッソコーヒーを注ぐ。
「フルーツラテ イチゴ」(写真上)。 氷の上からコーヒーを注ぐことで、きれいな二層になる。口に含むと、最初にエスプレッソのストレートなほろ苦さがガツンと来る。その後に、イチゴ味のフルーツシェイクのような味わいが楽しめる。 そしてゆっくり味わっていくと、その2つが次第に溶け合い、苦みと甘みが一体となっていく。1杯の中に、ドラマティックな味の変化があるのがおもしろい。 どちらのフルーツコーヒーも、味わいのベースとなっているのはあくまでコーヒー。マシンの使い方や抽出の仕方にも強いこだわりを持っている。
エスプレッソは、同じマシンでも様々な条件によって味が変わってしまうので、30分から1時間ごとに味を確かめ、状況に応じて粉の挽き具合や分量、プレス法を調整しているという。

フルーツコーヒーで、コーヒー界に新たな波を巻き起こす!

『AO TIGER』を運営する『AOTIGER株式会社』会長で投資家のLee Ka Sing(リー・カシン)さん(写真上・右)は、このフルーツコーヒーのおいしさに魅了され、ビジネスを支援しているという。 「『AO TIGER』のフルーツコーヒーのおいしさは、絶対に世界中で大ブームを巻き起こすでしょう」(Leeさん)と熱く語る。
浮山さんは、世界展開や国産コーヒー豆の栽培も視野に入れている。 もしかしたら数年後にはフルーツコーヒーが世界を席巻し、1号店であるこの店が “伝説の聖地”となっているかもしれない。 【メニュー】 富士山スノーカバーコーヒー(アメリカ―ノ/バナナ/リンゴ/パイナップル/イチゴ) 各580円 フルーツラテ(バナナ/リンゴ/パイナップル/イチゴ) 各550円 ※価格はすべて税別

AO TIGER 原宿店

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カフェ・パン・スイーツ/東京/原宿/コーヒー
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