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「京料理」とは?
「京料理」とは、京都の歴史と四季折々の豊かな自然のなかで形成された日本料理の五体系(大饗料理、精進料理、本膳料理、懐石料理、お番菜)の総称です。
調味料ではなく、昆布とかつお節から取った「だし」を基本とする味付けにより、素材の持ち味や色を生かすこと、また、それらを美しく盛りつけ配膳し、客をもてなすという伝統文化に根ざした総合的技能を指します。
歴史
平安京遷都以来、京都は長きにわたり都が置かれ、日本の政治や文化、宗教の中心地として栄えてきました。それにより公家や武家、僧侶などとの文化的な関わりが多く、その行事やしきたりの影響を受けながら、調理法に独自の工夫がもたらされていったと考えられています。
京都で培われた伝統料理を「京料理」と呼ぶようになったのは明治時代以降であると考えられており、戦前までは大阪の料理とまとめて「関西料理(あるいは上方料理)」としてくくられていたそうです。「京料理」という言葉が全国に精通しブランド化したのは、戦後になってからと言われています。
特徴
京料理は、旬の野菜や乾物、大豆加工食品を多用し、素材本来の味わいを活かした調理法が特徴です。また見た目の美しさも重要視されており、食材の大きさや彩りなどの調和はもちろん、季節感や風情を表現する器や盛り付けにも工夫が成されます。
「五感で楽しむ」といったイメージが強く、他地方の郷土料理と比べても、下ごしらえから仕上げまで、大変手間のかかる料理です。「煮る・焼く・揚げる・蒸す・生」の五法を基本とした調理法が用いられ、食材の鮮度を活かすため、手際のよい包丁さばきも求められます。
日本料理の五体系
大饗料理(だいきょうりょうり)
「大饗料理」とは、平安時代の公家社会、特に貴族の社交儀礼の中で食され発達した宴会料理のことを言います。中国料理の影響を受けて生まれた食文化で、日本ではもっとも古い料理様式だそうです。
切り方、寸法、盛り合わせが定められており、だしを取ったり下味をつけることはなく、塩や酢、醤などで各自味付けをします。
精進料理(しょうじんりょうり)
「精進料理」とは、大饗料理以後に発達した食文化で、禅宗を中心とする寺院社会において生まれた料理様式です。
宗教的禁忌により使用できる食材に限りがあったため、野菜を中心に、大豆や小麦粉などを用いて動物性食料の味に近付けていました。のちに調味料の調合や「だしを取る」という高い技術が発展したのも、「精進料理」が飛躍的な進歩をもたらしたと言われています。
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