ライター : 茂山 夏子

インスタグラマーのmikyouさんとは?

こちらの華やかで繊細な姿造り。職人さんの作品かと思いきや、実は"お造りを趣味にしている素人さん"が手がけているんですよ……! 今回ご紹介させていただくmikyouさん(@mikyoui00)は、芸術的な姿造りを始め、斬新なアイデアを盛り込んだ「#お刺身アート」で注目されているインスタグラマーさんです。 メディアやTV番組でも紹介されて話題になっている「#お刺身アート」。作者のmikyouさんからいただいた声と共に、作品の一部をご紹介しましょう。

1. ヨコスジフエダイの貴婦人

黒いお皿のキャンバスに姿を現すのは、華やかなドレスに身を包んだ1人の女性。フエダイの淡いピンク色、薄造りの透明感、皮目の模様までもが見事に活かされています。 「#お刺身アート」を作る際は、事前に設計図を描いているというmikyouさん。鮮度が落ちやすいお刺身を扱うからこそ、丁寧かつスピーディーに盛り付けるための下準備も大切にされているんですね。

2. 真鯛のマーメイド

原作では悲運の結末を迎える人魚姫。真鯛で描かれた色のない身体が、悲しい運命を物語っているように見えます。まわりに集まる鮮やかな生き物たちは、人魚姫に何を伝えているのでしょう? 「盛り付けは5~15分程度ですが、魚をさばいたり、あしらいを造ったりの下ごしらえに時間がかかります」と語ってくださったmikyouさん。こちらの意匠が凝らされたあしらいからも、並々ならぬ労力が垣間見えます。

3. フエダイとミナミマグロのカルメン

鯛とマグロの艶やかなドレスをまとい、情熱的なダンスを披露するカルメン。皮目と赤身の光沢が、壮麗なデザインのドレスと見事にマッチしていますね。 オープンバックからのぞく"背中"にもご注目を。あまりのリアリティと色っぽさに、お刺身であることを忘れて見惚れてしまいます……!

4. 鯛とハマチの織姫

愛らしいピンクの着物と髪飾りに、ふわっとなびく黄色の被帛(ひはく)。ひと目で「織姫さまだ!」とわかりますね。 こちらの作品の公開日は6月末。天に向かって手を伸ばす仕草から、織姫さまの彦星さまへの思いが伝わってくるようです。いまにもお皿から飛び立ってしまいそう……。

5. 鯛、メバル、ハマチで織姫と彦星

「彦星さまと出会えますように!」と反響を呼んだ前作。mikyouさんは、しっかりと期待の声に応えてくださったんです……! 公開日は、七夕にはまだ少し早い7月1日。お皿を眺めているだけでも「待ちきれなくて、会いにきちゃった」「ボクもだよ」なんて甘い会話が聞こえてきそうです。ふたりの幸せそうな表情が目に浮かびますね……♪

6. 鯛とイサキのサムライ

「#お刺身アート」を始めたきっかけについて「フグなどで造る『鶴造り』をほかのモチーフにできないかな?と思いやってみたら、できてしまった。姿造りよりも大きな反響をいただけたので、いろいろな皿に挑戦してみています」と語るmikyouさん。 この言葉だけを聞くと簡単そうに思えてしまいますが、魚の血抜きから始まり、鱗の処理、おろして柵に分け、パーツごとに切り出し、盛り付け。青物は、一連の流れをとにかくスピーディーに、白身は寝かせて旨味を引き出してから扱う……など、私たちの目には映らない部分で、"おいしいアートを造る"ための惜しみない手間がかけられているんです。

7. 鯛、マグロ、イクラで犬と花火

最後にご紹介するのは、夏の風物詩・花火をモチーフに制作された1枚。パッと夜空に咲く大輪の花火を、2匹のワンちゃんが眺めています。 くるんと丸まったキュートな尻尾と、もっちりした体型と平たい耳に四角いお顔。後ろ姿だけで、それぞれの犬種の特徴まで表されているんですよ♪

お刺身はこんなに美しい……!

お刺身の美しさを違った角度から楽しめる「#お刺身アート」の世界。mikyouさんの作品を通して「お刺身ってこんなに美しかったんだ……!」と引き込まれた方も多いのではないでしょうか? ご紹介させていただいた作品は、ほんの一部です。気になった方は、ぜひmikyouさんのインスタグラムを覗いてみてくださいね。
※mikyou様(@mikyoui00)、記事作成にご協力いただき誠にありがとうございました!
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