ライター : emi_

「ライスカレー」と「カレーライス」、正しいのはどっち?

日本にカレーが伝わった歴史

カレーの歴史は古く18世紀、インドからイギリスに伝わりました。インドにはカレー粉というものがなく、19世紀にイギリスで初めて作られました。 明治時代、日本はアメリカやヨーロッパの文化を積極的に取り入れていました。そのなかで「西洋料理指南」という本にカレーが掲載されていたことから、イギリスのカレーが日本に伝わったのではないかと言われています。 ただ、この本のカレーのレシピには、カエルや長ネギが材料として記載されており、現在のカレーとはちょっと異なっていたようです。そして、改良に改良を重ね、大正時代に現在私達が食べているカレーライスの基本ができたと言われています。

最初はライスカレーと呼ばれていた

20年ほど前、ライスカレーという言葉はごくごく一般的に使われていましが、その名付け親は明確に分かっていません。 札幌農学校の創設者クラーク博士という説もありましたが、クラーク博士が来日した1874年(明治6年)には、すでに食堂などのメニューにライスカレーが存在していたので、その説は違うことが判明しています。

「ライスカレー」と「カレーライス」の違い

ライスカレーとは

大正時代から「ライスカレー」という言葉は日常的に使用されていましたが、ご飯のうえにカレーのルーがかかったもの、現在のカレーライスのことを「ライスカレー」と呼んでいたそうです。

カレーライスとは

当時は、カレーとご飯が別のお皿で出てきたものを「カレーライス」と呼んでいました。明治の終わり頃、陸軍のカレーの作り方には「カレーライス(カレー汁掛飯)」というメニューがあったそうです。 現在では、多くの日本人がカレーライスと言いますが、その歴史からみると、ライスカレーという呼び方の方が一般的だったことは間違いありません。

東京五輪からはカレーライスが定番に!?

明治・大正時代、カレーライスはそこまで一般的な食べ物ではありませんでした。なぜならば、とても高級な料理だったからです。 1927年(昭和2年)、この頃になると町の食堂でカレーがメニューにのるようになり、人気を博しました。そして、東京・新宿「中村屋」高級カレー「純印度式カリー」が登場しました。 当時の町の食堂で食べるカレーが10〜12銭だったのに対して、中村屋の高級カレー「純印度式カリー」はなんと80銭!昭和5年の大卒者の初任給が50円だったことを考えれば、かなり高級な食べ物ですよね。それでも、中村屋のカレーは大人気商品になったとのことです。 1950年(昭和25年)には日本初の固形ルーが誕生、この頃、テレビのCMなどで「カレーライス」という言葉が頻繁に使われ始めました。 1963年(昭和38年)には、ヒデキ感激!で有名なバーモンドカレーが発売になり、1964年東京五輪前には「カレーライス」という名称が定番化されていました。 1968年(昭和43年)には、世界初の市販用レトルトカレー「ボンカレー」が販売され、一般家庭でも気軽に食べることができ、日本人の国民食と呼ばれるようになりました。
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