使って育てる「井戸茶碗」とは?おすすめ商品も紹介

高麗から伝わった井戸茶碗。質素で控えめな器に思う方もいると思うのですが、使えば使うほど深みを増し美しさを輝かせてくれます。今回は、高麗から伝わり室町時代から多くの茶人や戦国武将達を魅了した井戸茶碗をご紹介します。

井戸茶碗とは?

「井戸茶碗」をご存知ですか?

聞きなれない言葉かもしれませんが、なかにはご存知の方もいるかと思われます。井戸茶碗とは、朝鮮半島から渡来した高麗茶碗の一種になります。

16世紀はじめに日本に渡来した井戸茶碗。この井戸茶碗という名称は諸説あるのですが、一番有名なのが見込みから覗き込むと井戸のように深くみえることから名付けられたと伝わっています。

本来、湯呑みではなく雑器として使われていたらしく、「一井戸 二楽 三唐津」と言われ多くの茶人や戦国武将達が夢中になったと言われる名器です。

井戸茶碗の特徴

井戸茶碗と呼ばれるには、いくつかの約束ごとがあります。

その約束ごととは、井戸型と呼ばれる造形であること、枇杷色の釉薬を使用していること、貫入という細かいヒビが器の表面に入っていること、竹節高台という竹の節のような形状をしていること、轆轤目、3〜5段ほどのロクロの跡がついていること、梅花皮、高台周辺にできるイボイボの縮れがあること、渦巻き兜巾、高台のちょうど真ん中に渦巻き兜巾があること、目跡、井戸茶碗は重ねて焼くので3~5つの目跡があるとされています。この約束を満たすと「名碗」と認定されるとのことです。

また、井戸茶碗は幾つかに分類されております。大ぶりで堂々とした大井戸、見込が浅く高台が小さい小井戸、青色の青井戸、器も小さく細かい貫入が入った小貫入などがあります。

井戸茶碗の作り方

簡単ですが井戸茶碗の作り方をご紹介します。

井戸茶碗は、砂混じりの荒めの土を使い作られています。ろくろ成形が基本とされ、ろくろの回転はゆっくりなのですが、手は素早く動かさなければなりません。

このとき、井戸茶碗の特徴でもある約束ごとの一つ、轆轤目をつけます。ヘラを使い形を整え、高台を作ります。

仕上げはなるべく土が柔らかい内に。理想はかんなを2回までとのことです。

素焼きのあとの透明釉か釣窯釉はしっかり溶かして塗られるのが特徴です。

使ってみたいおすすめ井戸茶碗5選

1. 井戸焼き 萩焼

作家の竹下敬三さんの作品です。

萩焼の特徴を生かした井戸茶碗はお茶を点てやすい丸みが特徴的。手のひらにすっぽりと収まってくれます。

⒉ 井戸茶碗 作家 吉岡萬理

作家、吉岡萬理さんの作品です。

使えば使うほど変化していく井戸茶碗。つるりとした手触りに上品な佇まい、枇杷色も美しくどんな風に変化していくのか楽しみですね。

⒊ 唐津井戸茶碗

作家、中里重利さんの作品です。

唐津焼きで仕上げた井戸茶碗は、上品な枇杷色で、井戸茶碗の特徴をよく捉えた作品となっています。

⒋ 大井戸茶碗・銘 喜左衛門(写し)

大井戸茶碗・銘「喜左衛門」は大井戸茶碗の中でも最高位に位置づけされております。こちらは写しになるのですが、一行窯の安田道雄さんが一点ずつ丁寧に焼き上げています。

おおらかな姿から一転し高台は荒々しく梅花皮があり、胴の一部には漆繕いが見られるとのことです。

⒌ 古井戸茶碗 忘水写 安田道雄作

こちらも安田道雄さんの作品となる小ぶりの井戸茶碗です。

忘水とは「野中に人知れず絶え絶えに流るる水」という意味合いがあり、この茶碗の景色を見てつけられたとのこと。

素朴でいて侘びのある佇まいは井戸茶碗の特徴をよく捉えていると思われます。

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