ライター : dressing

暖簾をくぐると広がるあたたかな空間

この記事は、豊かなフードライフを演出するWEBメディア「dressing」の提供でお送りします。
2017年10月17日、北新地にあるビルの2階に誕生した『北新地 魚菜 まさ志』。紺色の暖簾をくぐって扉を開くと、木目を基調にしたあたたかな雰囲気の空間が広がる。
カウンターの向こうから「いらっしゃいませ」と声をかけてくれたのは大将の守田真佐一さんだ。大阪・ミナミの料亭や割烹で10年間修業したのち、『ミシュランガイド京都・大阪 2017』で一つ星に輝いていた『北新地 割烹料理 まる作』でさらに10年間研鑽を積んだ。 その『北新地 割烹料理 まる作』が惜しまれつつも閉店することになり、右腕だった守田さんが、場所を継承して『北新地 魚菜 まさ志』として再スタートすることになったという。

旬の素材のうまみを、丁寧な仕事で引き出す

「料亭や割烹時代から『北新地 割烹料理 まる作』時代を含めて、これまで諸先輩方に様々なことを教えていただいたことが、今の自分につながっています」と語る守田さん。素材の選び方や活かし方といった技術面はもちろん、魚、肉、野菜といった食材を仕入れるルートもこれまで培ってきたルートを継承した。 「料理のおいしさの要となるため、食材は確かなルートから厳選。できるだけシンプルな調理法で、それぞれを一番おいしい状態で食べていただくことを心がけています」と守田さん。
北新地には、食にこだわりが多いと言われる大阪の中でも、特に様々な食材や料理を食べ慣れている舌の肥えた方が集まるのは有名な話だ。 「そのため、手をぬいた料理で満足していただけるとは考えておりません。しかも、北新地はレベルの高い店がまわりにたくさん並びます。その中でも、ここを気に入っていいただくために、料理はもちろん、店の雰囲気やおもてなしなど、どうしたらより一層お客様に満足いただけるのか…試行錯誤する毎日です」と守田さんは話す。   そんな守田さんの想いが心をつかみ、「‟敷居が高い“と言われる北新地にありながら、肩の力を抜いて食を楽しめる」と、オープンから間もないにも関わらず、繰り返し店を訪れる客が後を絶たない。仕事帰りなどにちょこっと足を運び、心くつろぐ時間を過ごす女性のおひとり様も少なくないという。

ほっくりした食感と香り高い餡が絡み合う!

同店で楽しめるのは、鮮魚、焼き物、煮物、野菜、揚物、珍味、ご飯ものなど約60種。中には『北新地 割烹料理 まる作』時代からの人気メニューもあるという。お好みの逸品をチョイスして、酒と共に楽しもう。その日によって内容が変わるため、来るたびに新たなおいしさを発見できるのも醍醐味だ。
煮物のひとつ「ユリネもち生湯葉あんかけ」(写真上)。蒸して裏ごしをしたユリネを団子状に。その上に、カツオだしをしっかりときかせた熱々の餡がたっぷりとかけられている。蓋を開けると、フワッとだしのいい香りが食欲をそそる。
ユリネもちは、ほっくりとした食感と素朴な味わいが自慢。そこに、トロトロとした餡のうまみや、生湯葉のモチモチ感が絶妙に絡み合う。

ふわふわの卵とじに白魚がみっちり!

続いてご紹介するのは、同じく煮物のひとつ「白魚の玉子とじ」。シックな緑釉(りょくゆう)の土鍋で供され、テーブルに置かれてもグツグツ感が長く続くほど熱々だ。
蓋をとると、たっぷりの湯気のあとから、ふっくらとした卵とじがお目見え。スプーンですくうと出てくるのが、島根県松江市の宍道湖を代表する7つの味覚「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」(宍道湖で獲れる特徴的な魚介類)のひとつと言われるシラウオ。
一般的に知られるものより大きく、肉厚でプリップリッ。ふわふわとした食感がたまらない。だしと醤油というシンプルな味付けに、シラウオから出るだしが加わった、うまみがありながらも優しく上品な味わいが堪能できる。

国際唎酒師・ソムリエの資格を持つ女将が酒を厳選

同店にさらなる魅力を加えるのが守田さんと一緒に店を切り盛りする女将、守田文子さんだ。国際唎酒師とソムリエの資格を持つため、割烹料理に合う日本酒はもちろん、ワインもラインナップしている。 日本酒は秋田『福禄寿酒造』の「一白水成」、栃木『惣譽酒造』の「惣譽(そうほまれ)」、富山『清都酒造場』の「勝駒」、兵庫『老松酒造』の「老松」など。ワインは100%自社原料のみの葡萄で、ワインを創り出す富山県氷見市の『セイズ・ファーム』や、フランスの『ドメーヌ・ヴァランベル』のものなどが揃う。どれも和食と相性のいい酒を厳選。 今日は何を合わせようかと迷ったら、「女将のおすすめ日本酒とおまかせ三品」をオーダーしてもいいだろう。ちなみに今回ご紹介した「ユリネもち生湯葉あんかけ」には日本酒の「一白水成」、「白魚の玉子とじ」には『セイズ・ファーム』の白ワイン・シャルドネを合わせるのがおすすめという。
「丁寧な仕事をするのは料理人としては当たり前ですが、お客様が訪れるたびに、“おいしい” “ほっとする”と感じていただけるお手伝いができればいいですね」と語る守田さん。そんな守田夫婦の想いが詰まった『まさ志』の暖簾を、ぜひ一度くぐってみてほしい。 撮影:前田博史 【メニュー】 ユリネもち生湯葉あんかけ 1,300円 白魚の玉子とじ 1,500円 女将のおすすめ日本酒とおまかせ3品 7,000円~ 日本酒 各700円 ※価格はすべて税別

北新地 魚菜 まさ志

住所:〒530-0002 大阪市北区曽根崎新地1-5-26 永楽リンデンビル 2F 電話番号:06-6344-0398 営業時間:17:30~0:00(最終入店23:30)、土曜17:30~23:00(最終入店21:00) 定休日:日曜・祝日 公式サイト:http://masashi-kitashinchi.jp/
上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。
提供元:
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ