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この記事でわかること
- 角打ちとは、酒屋内に設けられたスペースでお酒を飲むスタイルのこと。北九州では一般的な文化。
- 角打ちの語源は、客が酒屋で買ったお酒を家まで我慢できず、店内で升の角に口をつけて飲んだことだといわれている。
- 「角打ち」は北九州の方言で、地方によって呼び方が異なる。関西では「立ち呑み」、東北では「もっきり」、島根や鳥取では「たちきゅう」などと呼ばれている。
- 角打ち店は飲食店ではないため、使ったグラスや皿を自分で片付けることや、長時間の滞在を避けることがルールとされている。
- 角打ちは酒屋で直接購入したお酒を原価で楽しめるので、価格がリーズナブル。
「角打ち」っていったいどんなもの?
「角打ち」という言葉をご存知ですか?「かくうち」と読みますが、福岡県・北九州市の方言で、北九州では特に一般的な文化を表すこの言葉。酒屋の一角にあるスペースでお酒を飲むという独特のスタイルのことを言います。
立ち飲みにも似ていますが、明らかな違いもある角打ち。酒屋の店主の好意ではじまり、北九州に広まったこの角打ち文化は全国的にもちらほらと見えるようですよ。今回は、今ジワジワと人気が集まってきている角打ちのメリットや、守るべき角打ちならではのルールなどをまとめました!
「立ち飲み」と「角打ち」の決定的な違い
サラリーマンのお父さんが、仕事帰りにちょっと一杯……というイメージだった立ち飲みも、近年バルなどの普及で対象が広がり、女性客にも受け入れられるようになってきました。しかし角打ちというのは立ち飲みとはどう違うのでしょうか?
角打ちは飲食店ではなく、酒屋の中にあるスペースで、酒屋で買ったお酒を飲むこと。立ち飲みカウンターのようなスペースがあり、そこで今買ったばかりのビールやお酒を開けて飲む、というスタイルです。店によっては椅子が置いてある場合もあるようですが、飲食店ではないので客席ではありません。おつまみは中で売っている乾き物やおでん、店内の冷蔵庫に入っている簡単な料理をセルフで出してきて、キャッシュオンデリバリーでいただくことが多いよう。
立ち飲みは立ってお酒や料理を楽しむ飲食店、角打ちは酒屋の好意で設けられたスペースで購入したお酒を飲むこと、というのが大きな違いです。サービスと人情、その違いともいえるでしょう。
「角打ち」の語源はお客さんのひょんな行動から
家まで待てずに思わず口をつけたことから……
角打ちは江戸から続く文化で、北九州だけでなく全国的にあったようです。当時は、日本酒は客が持ってきた升に入れて量り売りをするスタイルでしたが、ある客が家まで持ち帰るのを我慢できず、店内で升の角に口をつけて飲んでしまったことから「角打ち」と呼ばれるようになりました。
角打ちの語源とされるもうひとつの由来
酒屋の店内の一角にある立ち飲みスペースで呑むことから、角打ちと言われるようになったといわれています。北九州市には、角打ちスペースがある酒屋が200軒以上もあるというのだから驚きですね。
角打ちってすごい!こんなにもたくさんのメリットが♪
まずはなんといってもお安くお酒がいただけること。飲食店は酒屋が卸したお酒を使用している分、どうしてもマージンが発生します。その点角打ちは酒屋で直接購入したお酒をそのまま店内で飲むというスタイルのため、原価でお酒がいただけるんです。一升瓶の日本酒も量り売りしてくれるのもうれしいですね。酒屋さんなので、お酒の知識はいわずもがな。どんなお酒が飲みたいか、相談にも乗ってくれます。飲んで気に入ったら、そのまま瓶で買って帰る人も多いようですよ。
飲食店では1杯だけ飲んで帰るというのはちょっと気まずいですよね。角打ちではそれが可能で、ほんの数分だけ店にとどまり1杯だけ飲んで帰る、という人も少なくありません。寒い日に暖を取ったり、交通機関の待ち時間を角打ちで調整することもできます。
角打ち店は、今となっては懐かしい昭和の雰囲気が漂う酒屋がほとんど。そんな古きよき昭和の匂いを味わうことができるのも角打ちの特徴。知らなかった者同士がお酒を介してコミュニケーションを取り、いつの間にか意気投合……などいうこともあるフレンドリーさも魅力ですよ。
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