目次
小見出しも全て表示
閉じる
こだわりが光る!「ビオワイン」の魅力
現在のEU法では、化学肥料や農薬を使わずに3年以上経った畑の農作物で、公的機関の承認を得たもののみが「有機」や「オーガニック」を名乗ることができます。オーガニックワインの中でも最大限に自然のままの製法で作られたワインがビオワインです。その魅力は、農薬や酸化防止剤の使用を極力抑えているので、体に優しくて2日酔いしにくいクオリティの高さにあります。ナチュラルで、えぐみの少ない味わいも魅力です。
ビオワインって?
最近、ビオワインや自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)という単語を目にすることが増えてきました。ビオワインの品ぞろえに力を入れている飲食店や小売店も増えています。ビオワインは、原料となるブドウを農薬や化学肥料を使わない有機農法で育て、醸造過程においても酸化防止剤を無添加にしたり、補糖や補酸を行わないなどの条件があります。
そのため、ビオワインは通常のワインに含まれている「亜硫酸塩」などの酸化防止剤が少ないので、悪い酔いしにくいと言われています。添加物が少なくて体に良さそうな反面、保存状態が悪いと酸化しやすく品質が低下する可能性があります。輸送段階においても船便なら低温コンテナなど、きめ細やかな温度管理が大切です。
ビオワインとは、どんなワインなのか?製法はどうなのか、オーガニックワインとの違いは?など、あなたの疑問に詳しくお答えします。おすすめの銘柄もご紹介しますよ。
オーガニックワインとの違いは?
オーガニックワインとは、オーガニック農業で栽培したぶどうから造ったワインのことです。以前は厳しい規定があった「オーガニックワイン憲章」に従ってヨーロッパでは製造されていましたが、2012年にEU委員会によって制定された新規定では、化学物質の使用や工業的な生産方法が緩和されました。
ヨーロッパでは「ビオワイン」という言葉はありません。オーガニックワイン=ビオロジック製法のワインであり、「ビオ」という単語は、バイオダイナミック(英語)の略語で、ビオディナミ(仏語)製法のワインを指します。
日本では、「オーガニック」や「有機」に関しては、有機JAS認証などの法的な制度がありますが、「ビオ」に関しては何も法的な規定がありません。そのためにオーガニックと混同されがちで、オーガニックに対して、ビオ=ビオロジック+バイオダイナミックワインという観念があります。規定が緩和されたオーガニックワインよりもビオロジック製法、さらにビオディナミ製法には厳格な規定があります。
ビオワインの製法は2種類の農法!
ビオロジック製法(有機栽培)
ビオロジック製法は、ワインの原料であるブドウの栽培において、農薬や化学薬品などは一切使用せず、肥料も化学肥料は使わずに有機肥料のみで育てます。もちろん遺伝子組み換え作物や放射線処理は禁止されています。醸造の過程で加える酸化防止剤の使用量もなるべく少なめに抑えています。農薬を使わないことで畑に住む虫や微生物も生きているので、生態系も守られ、人工的に酵母を加えなくても自然酵母による発酵が可能になります。
特に赤ワインは皮ごと漬け込むので、安心・安全でもあります。結果として、えぐみのないナチュラルな飲みやすいワインになります。また、自然派のワインでは、ノンフィルターや軽いフィルタリングで瓶詰めされるものが多く、ワイン中にオリやにごりが存在すことが希ではありません。それらは不要な不純物ということではなく、このオリはうま味の元にもなっているのです。安心な上においしいワインとは、うれしくなりますね。
ビオディナミ製法(生力学農法)
ビオディナミとは「バイオダイナミック」の略で、人智学の創始者でオーストリアのルドルフ・シュタイナーが1924年に提唱した農法です。ビオロジックで行われている有機農法に加えて、月や星座の運行、気圧、引力など自然界が持っている影響を考慮して、土壌のエネルギーと自然界に存在する要素の力を引き上げ、ブドウの樹の生命力を高めようとする農法です。ビオディナミは、昔ながらのワイン製法に回帰して、高品質なワインを作ろうという試みです。
農場全体を1つの有機体とみなし、土壌、植物、動物の相互関係の調和を重視しています。独特なのは、牛の腸や角にタンポポや牛糞などをつめ地面の中に埋め、それを肥料としてプレパラシオンと呼ばれる調合剤を使用し、天文暦による種まき・植え付けカレンダーに従って農作業を進めます。
- 1
- 2
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
暮らしの人気ランキング